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旭化成ホームズの賃貸住宅「へーベルメゾン」。建築請負の営業で受注件数トップを走るのが集合住宅営業本部関西支店でエリアマネージャーを務める泉本智寛・営業1課課長代務(32)だ。土地所有者が賃貸住宅を建てると実質増税された相続税の節税につながるとあって競争は激しい。土地の活用法や権利関係で悩む依頼主に数年単位で寄り添い、面倒な調整も人一倍努力して信頼を集める。

泉本さんが身を置く関西は首都圏より賃料が低く、依頼主は建築費の安い方に流れやすい。それでも「維持管理費が少なく長持ちする物件を子や孫に残そう」と唱え続け、累計受注は75棟。新人から同部門に配属された入社10年目までの歴代営業マンで首位だ。1棟は平均1億円するが、3年前には半年で10棟と歴代トップタイを記録。全社表彰式の常連に。肩書は課長代務だがれっきとした課長職だ。戸建て部門も含め史上最年少で抜てきされた。

家族間の調整もいとわず

賃貸住宅に常設展示場はない。相談者は広告やサイトを見たり、セミナーに参加したりした人で、銀行や不動産会社からの紹介も増えている。全力投球するのは初回セッションと呼ぶ1度目の商談。なるべく事前に現地を確かめ、建築可能な建物も調べて臨む。平均2~3時間に及ぶが時間を区切らない。悩みや本音を聞ける信頼関係を築くのが先で、商品説明は最後。相続した土地に古い家が建ち、家族間での活用法の意見対立や複雑な権利関係を抱えることも多いためだ。

顧客宅に運動用品があれば、自身も休日に草野球や妻とのゴルフを楽しむといった趣味を明かし家族の話につなげる。話したがらない相手には利回りなど専門性の高い話から始め、頼れると思われるよう努める。

土地活用の方法は様々。店舗や駐車場を希望する人にはグループ会社や業者を紹介するなど、礼を尽くす。「後に別の形で契約につながることもある」

方向性を共有して商談を終える。「初回のやりとりで成否が8割方、決まる」。声がかれることも多い。

競合対策より顧客本意の提案

空室増や家賃下落などリスクはつきものだ。同社は劣化や空室を抑えるため耐火性や遮音性、耐久性に優れるALC(軽量気泡コンクリート)を使い、設計の自由度も高い。建設費は競合より約2割高いが空室率は3%未満と低い。一方、需要が乏しければ「建てない方がいい」と直言する。

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