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東京の「インド中華」が熱い チャーハン、そばめし…

「私は、本当の中国料理もあまり好きじゃないんです。はっきりとは説明できないんですが、においが苦手なんですよね」。日本でもインドのカレーが独自の形で発達したように、インドでは中華が本来の料理とは違う形で大きな発展を遂げたというわけだ。

話しているうちに、インド人の親子がやってきて料理をオーダーした。お母さんが小さな息子にオーダーしたのは、チャーハンだ。子どもはうれしそうに運ばれてきた料理をもりもり食べている。「私が小さい時は家でインド中華を食べたことはなかったのですが、私の子どもたちは大好き。特にインド中華の焼きそばが好きで、毎日でも食べたいって言います。カレーより好きなぐらい」とカジさんは笑う。

インド中華のチャーハン 「マハラニ」では、粘りが少ない長粒米バスマティライスを使っていて、中華のチャーハンとはまた異なる味わい

ちなみにこの店でチャーハンに使っていたのはインドの長粒米バスマティライス。「香りがものすごくいいおコメで、インド中華のおコメはこれじゃないとダメ」とカジさんは言う。

「マハラニ」のインド中華のメニューを見ていると、一風変わった料理があった。「アメリカン・チョップスイ」だ。インド料理店の中華料理だというだけでも驚きなのに、さらに「アメリカン」とは!

アメリカン・チョップスイ インドでは、ステーキなどがメニューに並ぶコンチネンタルスタイルの料理店のメニューにも並ぶ定番インド中華

チョップスイとは米国風中華料理の一種だが、インド中華のアメリカン・チョップスイは、全く趣きが異なる。本来のチョップスイには入らないトマトケチャップを使ったあんを揚げた麺にかけた料理なのだ。店にもよるようだが、「マハラニ」の肉入りアメリカン・チョップスイには目玉焼きがトッピングされていた。

このジャンルの料理としては何十年も前からある定番料理のひとつとのことで、食べてみると、さくさく食感の揚げ麺が、具材がたっぷり入った甘いとろりとしたあんと絡まって、見た目よりずっと軽い味わい。半熟の目玉焼きから流れ出た卵の黄身と合わせると、全体にコクが出る。

インド中華のスープ インドでは、トマトやスイートコーン、コショウだけを使ったものなど様々な中華風スープがあるらしい 写真は「マンチョウ・スープ」

驚いたのは肉。マトンが入っていて、とてもスパイシーで濃い味わいだったのだ。「うちの店では、マトンはカレーに使うために下ごしらえした肉を使っているんです。タマネギと一緒に炒めたり、スパイスなどと一緒に長時間ゆでたりして、下ごしらえに3時間以上かかるんですよ」。中華とインドと米国風が合体した、まさに無国籍料理の真髄だ。

さて、「マハラニ」のメニューにはなかったが、インド中華にはスープも色々あってインド人に人気らしい。別日に友人と西葛西のインド料理店「ムンバイ キッチン インド レストラン」に行ったところ、インド中華のスープを発見した。

注文したのは、人気スープのひとつ「マンチョウ・スープ」。揚げた麺がトッピングされたショウガが効いた中華風スープでさっぱりとした味わい。体がぐっと温まる。

インド中華風そばめし「チキントリパルシェズワンライス」 「ムンバイ キッチン」のものには薄焼き卵がトッピングされていて、これがそばめしにぴったり

そして、ここで見つけた出色のインド中華は、トリパル・シェズワンライス。ご飯と焼きそばを合わせたインド風そばめしだ。かつて、神戸発祥という白飯と焼きそばを一緒にソースで炒めたそばめしが大流行したことがあったが、まさか外国料理の店でそばめしに巡り合うとは思わなかった。

鶏肉入りの「チキントリパルシェズワンライス」を食べてみた。ニンニク、ショウガが使われていて、コメはやはりバスマティライス。シェズワンと名前が付いていたがそれほど辛くなく、一緒に行った友人は「これ、おいしい!」とやみつきになった。

カジさんは「メニューに載せいてない料理もたくさんあるんですよ」と言っていたが、インド中華の地平は、まだまだ見果てぬ先にありそうだ。

(フリーライター メレンダ千春)


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