N
働き方・学び方
イチからわかる

2010/9/27

イチからわかる

適性検査巡り論議

公立一貫校は中学段階で学力による選抜が法令で禁じられ、知識の豊富さよりも表現力などを試すとされる『適性検査』を課す例が目立つ。西京高の付属中も同様だ。同中高の校長を兼ねる関目六左衛門さん(59)は「新入生の学力のばらつきが大きい」と悩む。だが、実際の検査では他校を含め全般に私立の試験と似たような問題もある。

進学塾は適性検査の対策講座を相次ぎ設け、公立一貫校が小学生の受験熱をあおっているとの見方もある。文科省は近く、有識者らの意見を聞きながら、適性検査を含めた一貫校のあり方を検討する予定だ。

明日香は事務所で報告した。「一貫校の今後には曲折がありそうです。全国に一貫校を500つくると言っていた文科省も目標を明示しなくなりました」

玄輝がつぶやいた。「僕もがんばって公立の一貫校を目指そうかな」。所長が感心した。「一貫校は社会で活躍できるように実用英語やIT(情報技術)の教育にも力を入れているからね」。玄輝は恥ずかしそうに答えた。「そんなことよりも、お金があまりかからないから、お母さんがお小遣いを増やしてくれるかな、と思ったんです」(編集委員 加賀谷和樹)

<ケイザイのりくつ>小学生減り、私立側は警戒

公立一貫校の増加を私立側は警戒する。少子化で小学生が減り生徒獲得の競争が激化するなか、新たなライバルが登場した格好だからだ。進学塾の日能研(横浜市)によると、首都圏の1都3県(神奈川、千葉、埼玉)で小卒者は10年春が計30万人強。95年春を14%下回った。

日本私立中学高等学校連合会会長の吉田晋さん(58)は「授業料がない公立一貫校は公正競争の土俵におらず、民業圧迫」と非難する。海城中・高校(東京・新宿)の教頭、茂木雅之さん(57)は「都立一貫校が今後、一定の進学実績を示せば影響が出てきそうだ」と打ち明ける。

[日経プラスワン2010年9月25日付]

注目記事