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イチからわかる

2010/9/27

イチからわかる

都市部で5倍以上

「一貫教育を割安に受けたいというニーズにこたえたのね」。明日香は最近の公立一貫校の定員に対する志願者の倍率を調べた。おおまかにいえば私立の多い首都圏や関西では5倍以上がざらで、ほかの地域では2倍前後が珍しくない。

玄輝は驚いた。「大都市での人気はすごく高いね」。公立一貫校の情報サイト編集長、石井健士さん(36)が口をはさんだ。「首都圏や関西で私立に大学進学の実績などでおされた公立の復権が、一貫校を増やす狙いの一つです」。一方、私立が少ない地域にはたいてい人気と伝統を誇る公立高校があるのでこうした名門高を受けにくくなる一貫校への志願者数は抑えられる。

「すでに卒業生を送り出した一貫校の様子はどうかしら」。明日香は1人で静岡県立浜松西高校に向かった。中等部を併設、六年一貫の卒業生を08年春から3年連続で出した。旧7帝大など難関国公立大の現役合格者は07年春卒が9人で10年春卒は30人に増えた。

副校長の桜井宏明さん(48)は「目的は社会のリーダーを育てることで進学実績だけを重視するわけではありません」と主張した。英語教育に力を入れ、中3の生徒はマレーシア、シンガポールで現地校との交流などを体験する。高校入試がないことによる中だるみ対策でもあるようだ。「六年一貫の余裕があるから可能です」と強調する。

京都市立西京高校にも足を延ばした。付属中を持ち、この春初めて六年一貫の卒業生を出した。京都大の現役合格者は19人で前年春卒の9人から躍進した。高校生には1台ずつノートパソコンを用意させる。人前で説明するプレゼンテーションの機会も多く設ける。

一貫生からは「授業が速く宿題も多いけどがんばる」(高2男子)など前向きな返事が目立った。

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