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イチからわかる

なぜ増える「公立」中高一貫校

2010/9/27

「中学と高校をつなげて6年間通う学校が増えているんだって。しかも公立で」。近所の小学生、国本玄輝がやってきた。探偵、深津明日香が興味を示した。「中高一貫校は私立の専売特許と思っていたのに。何かあるわ」

説明会に人だかり

中高一貫校の学校説明会に多くの親子が訪れた(都立南多摩中等教育学校の説明会)

明日香と玄輝は都立南多摩中等教育学校(東京・八王子)の説明会をのぞいた。都立南多摩高校を母体に、この春誕生した。1日に5回開き、計520人以上が参加する盛況ぶりだった。

中等教育学校とは中、高を一つにまとめた一貫校の新しい形だ。中学にあたる前期課程を経て、高校相当の後期に進級できる。校長の小林幹彦さん(58)が話しかけてきた。「6年間の内容を科目によっては5年程度で終え、大学受験準備などに時間を割けます」

出席者に一貫校への期待を聞いた。小学6年の息子を連れた女性(38)は「高校入試がなく、のびのびと過ごせます。この子はサッカーに打ち込みたいと言っています」と話した。

別の女性(39)は「公立は私立に比べ格安で一貫教育が受けられます。家計が不安定な中では魅力的ですね」と言う。授業料は今年度に公立高校で無償化され、中等教育学校も公立は授業料をとらない。一方、文部科学省の調べでは、私立は中学の平均で年100万円強かかる(2008年度)。

自治体による一貫校の設立は法改正で1999年度から可能になった。文科省によると、2010年度の公立一貫校は175校で99年度の3校から急増した。(1)中等教育学校型(2)高校が付属中学を持つ併設型(3)高校が特定中学から一定数の生徒を受け入れる連携型――の3タイプがある。

一貫校の狙いを東京都教育庁の星政典さん(50)が話した。「公立がないと一貫校の志望者は学費の高い私立に行くしかない。選択の幅を広げるのです」。都は05年度から10校の一貫校を設け、区立も1校ある。

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