お代わりしたくなる「ご飯のお供」
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手軽にささやか ぜいたく
家で食事をとる内食志向やお取り寄せの広がりを受け、人気が高まっているのが、つくだ煮やふりかけ、食べるラー油などの「ご飯のお供」。調理の手間がなく、ご飯のおいしさも存分に味わえる。新米の秋を迎え、専門家がよりすぐった商品を実際に食べ比べ、その中からお代わりしたくなる一品を選んだ。
今回の「ご飯のお供」は、ある程度の保存ができ、加熱などが不要で、他のおかずや調味料、だしなどの助けを借りなくても、それだけでご飯が進む加工食品を広く対象にした。お茶漬けの具なども、お茶をかけずにそのままご飯と一緒に食べておいしい場合は候補に含めた。
日本は各地にご飯のお供といえる保存食が多いが、上位10品にもチリメンジャコや梅干しなど日本ならではの伝統食品が並んだ。スーパーなどで売っている商品に比べると高めだが「節約生活の中でささやかなぜいたくができる」(高島屋の園城洋彦さん)。
肉や魚介類などの生産者が加工から販売まで取り組む産直型の商品も人気だ。6位の「万鐘島ぶた黒糖肉みそ」の製造販売元は養豚業者で、2008年にこの商品を売り出した。7位の「鶯宿梅3年物梅干1級品」は梅園、8位の「花瑠&花星」はカキ養殖業者が手掛ける。
ご飯が進むだけでなく、栄養面で日ごろの食生活に役立てることもできる。食がテーマのサイトを主宰する白木あきこさんは「忙しい朝にはたんぱく質がしっかりとれる肉・魚系でお茶漬けに。海藻やネギなどの野菜を組み合わせれば栄養価も高まる」と指摘。米穀店を経営する西島豊造さんは「常備するなら、味が濃すぎず、食べ飽きないものを選びたい」と話す。
おいしく食べるには、賞味期限や保存方法の注意書きをよく読むようにしたい。開封前は常温保存が可能でも、開封後は要冷蔵といった商品が多い。
お酒のつまみとしてならカキ
ご飯のお供には、お酒のつまみに向く商品も多い。試食会ではその評価も尋ねた。11人の専門家中、最多の7人が推したのが、8位の「花瑠&花星」。「スコッチ、バーボンに合いそう。つまみの仕上げに、オイルを使ったパスタで締めたい」(園城洋彦さん)
4位の「あけがらし」は「純米酒の熱かんが欲しくなった」(町田成一さん)、「角切りの豚肉と一緒にいためて芋焼酎の相手に」(門脇宏さん)など6人が支持した。ご飯のお供としては10位内には入らなかったが、京都のニシンそば店、やぐ羅の「にしん姿煮」もつまみとして評価が高く「日本酒にぴったり。小皿に盛っておもてなしの最初に出すのもいい」(白木あきこさん)といった声があった。
調査の方法 まず専門家の推薦や関連書籍の情報をもとに1次選抜を実施。100品以上のおすすめの中から2人以上が推すものを中心に25品を選出。それらを試食して最終順位を決めた。試食会のご飯には、象印マホービンの圧力IH炊飯器で炊いた佐賀県産コシヒカリの新米を使った。保存できる期間は常温や冷蔵などで1週間以上を条件とした。選者は次の通り(敬称略、五十音順)。
石沢哲(JA全中広報部よい食プロジェクト推進課)▽猪口ゆみ(「セコムの食」バイヤー)▽園城洋彦(高島屋MD本部食料品・食堂ディビジョンバイヤー)▽門脇宏(「食楽」編集長)▽畔田隆弘(伊勢丹食品営業部シェフズセレクションバイヤー)▽白木あきこ(サイト「追求!美食道」主宰)▽西島豊造(スズノブ社長)▽野村祐三(フリーライター)▽藤原浩(フードアナリスト)▽町田成一(「dancyu」編集長)▽水沢雅之(永谷園)
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