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臼井流最高の話し方

好感を与える褒め方 イラッとさせてしまう褒め方

2017/4/19

xiangtao / PIXTA

 ものの言い方次第で、人に与える印象は大きく変わります。人にやる気や元気、勇気などを与える前向きな印象の「褒め言葉」も、使い方を間違えれば、意気消沈させたり憂うつな気持ちにさせたりと、後ろ向きの印象を相手に与えます。褒め方ひとつで気持ちはアップダウンするのです。

 先日、ある場所で私は祝辞を述べました。スピーチを終え演壇からおりると、30歳ぐらいの男性が私に歩み寄り、「なかなかよかったです」と話しかけてきたのです。

 その言葉は彼にとっては「褒め言葉」だったと思いますが、明らかに年下の人から「なかなかよかったです」と言われると、「上から目線」で無理やり言っている印象がぬぐいきれません。同年配の人から「なかなかよかったです」と言われても「社交辞令」のように受け取る人もいるでしょう。「褒められている」とは思えない人が多いのではありませんか?

 私でしたら「感動しました」「素晴らしいスピーチを聴かせていただき、ありがとうございました」と素直に伝えます。あるいは「感動した」という気持ちをしっかりと伝えるために「心を打たれました」「心が揺さぶられました」と言うでしょう。

 大げさだと思う人もいるかもしれませんね。でも、「褒め言葉」に照れは禁物です。「こんなことを言ったら引かれるかしら?」と思っても、照れは忘れて気の効いたひと言を褒め言葉に込めましょう。

■初対面の相手を嫌みなく褒める言葉

 エネルギッシュでパワフルな人に向かってこんな言葉をかける人がいます。「よく疲れませんね」と。これを相手の行動力を褒める言葉だと思うのは誤解です。言い方にもよりますが、ため息交じりに少々あきれ顔で「よく疲れませんね」と伝えたら「(やたらと)タフだ」「点数稼ぎだよ」というニュアンスも感じさせてしまうものです。褒めたつもりが「馬鹿にされた」と思われたら損です。

msv / PIXTA

 行動力を褒めるならば「フットワークが軽いですね」「(●●さんの)行動力には感心しています」などと伝えるのがいいでしょう。尊敬の念を込めて「(●●さんの)行動力を見習いたいです」「(●●さんの)行動力を学ばせてください」と言えば、相手は笑みを浮かべるでしょう。とくに年下の人から言われたら、私などその人に目をかけたくなります。「褒め言葉」の違いで好感度は格段にアップするのです。

 大勢が集まるパーティーーや会合などで初めて出会い、会話を始めたのはいいのですが、共通の話題が見つからず、ぎこちない会話をしているとき、「モテそうですね」「頭がよさそうですね」などと褒められてもうれしい気持ちはしないでしょう。「~そうですね」は想像であって、事実かどうかは、短時間の会話では分かるはずもないからです。「調子のよい人」「お世辞がうまい人」「社交辞令」ととらえる人もいるでしょう。

 それよりも短時間のやりとりで分かる「事実」を褒め言葉として、伝えた方が賢明です。たとえば「楽しい方ですね」「(●●について)よくご存じですね」「姿勢がよいですね」などと伝えるのです。相手の知識や情報の豊富さに感心したのならば、「博識ぶりに驚きました」「興味深い話をよくご存じで驚きました」「ご一緒できて本当に楽しかったです」など、過剰にならない程度で、自分らしい褒め方をするといいでしょう。こうしたひと言があれば、また会いたくなるもの。あなたは忘れない人になり、ご縁が深くなります。

■ホームパーティーでの手料理を上手に褒めるには

 手料理をごちそうになったら、あなたならどう伝えますか? 先輩や友人、親しい人から手料理をごちそうになったら、まずは「おいしい」と言うでしょう。問題はその後です。

 「お味はいかがですか?」「お口に合うでしょうか?」と質問を受けても、ひたすら「おいしいです」では能がありません。また「まいう~」「超、おいしい」「メチャウマ!」では、親しい間柄だとしても、軽薄な感じで、真実味がありません。最近よく耳にする「普通においしい」では「おいしいのかどうか」すら意味不明です。

 手料理をごちそうするほどの人であれば、腕前に自信があるはずですから、まずいということはまずないでしょう。ですから、「まるでレストランの味ですね」「プロが作った料理かと思いました」などが候補になります。盛り付けがきれいで、凝った料理ならば「(きれいすぎて)手をつけるのがもったいないです」「食べてしまうのが惜しいです」というフレーズもおすすめします。

 あなたが無意識に使っている「褒め言葉」で相手が不快に感じているケースは想像以上に多いものです。思い当たるふしがある人は少し気配りをしてみましょう。

 次回は、感謝の念が100%伝わる言葉、50%しか伝わらない言葉です。お楽しみに!

「臼井流最高の話し方」は水曜更新です。次回は4月26日の予定です。

臼井由妃
 ビジネス作家、エッセイスト、講演家、経営者。熱海市観光宣伝大使としても活動中。著作は60冊を超える。最新刊は「今日からできる最高の話し方」(PHP文庫)
公式サイト http://www.usuiyuki.com/

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