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来店者500人の情報駆使

居酒屋「九州熱中屋」などを展開するゴールデンマジックは接客力を売りの1つにする。東京都港区の店に立つ園田玲花さん(25)はその象徴的な存在だ。会話の端緒となるたわいのない声がけを彼女は「魔法の言葉」と呼ぶ。画一的なサービスを提供するチェーン店にあって新鮮な驚きを呼び、固定客をつかんでいる。

「よろしければ名刺を交換させていただいてもよろしいですか?」。園田さんは飲食チェーンの接客担当では珍しく、来店客と名刺を交換する。

名刺には客の出身地や注文したもの、雑談の内容などを記しておき、次の来店時に、例えば「確か静岡県のご出身ですよね」「この間はアゴ出汁(だし)しゃぶしゃぶを食べていただきましたよね」などと声をかける。普通のチェーン店にはないこまやかな対応に客は驚き、感動する。

◇     ◇

名刺交換に至る過程で「雑談力」で来店客の懐に入り込む。

園田さんは現在、東京都港区にある系列のしゃぶしゃぶ店「五島人」に立つ。店は注文用の「iPad」をテーブルに置いているため、ふつうにしていてはなかなか接点を見いだせない。コツは「ひたすらお客様の話に聞き耳を立てる」。客が話している話題に耳を傾け、相づちを打ちながら席に近づいていって会話に入る。

店は長崎県五島市と食材の提供や地域の情報発信で協力する「五島市公認居酒屋」だ。「この五島豚を育てている人は草野さんという方で、とても愛情を持って育てているんですよ」と生産者の紹介もする。五島を訪れたことのない人には自分の携帯電話を持ってきて海の写真などを見せて現地の魅力を伝え、会話を盛り上げる。

効果は絶大だ。園田さんは週3~4日の夜、接客する。そのことを客に伝えると「じゃあ1週間後に来るから出てきてよ」。これまでに勤めた店でつかんだ人も含めて30~40人の固定客がいる。

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