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山ウニ、チキンかつ丼… 足まで食べる日田の鶏肉好き

水郷日田、庶民の味(1)

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NIKKEI STYLE

鶏肉好きの北部九州の中でも大分県は特に鶏肉をよく食べる。

宇佐市、中津市とご当地唐揚げで全国的知名度を誇る都市が二つ並んでいる。さらに大分市はとり天発祥の地と言われ、隣の別府市と合わせ、多くの店でとり天を食べることができる。

海に面した宇佐・中津も大分・別府も鶏肉を好んで食べるものの、一方でおいしい魚介にも恵まれていた。しかし、内陸の日田は海から遠く、周囲を高い山々に囲まれた盆地だったため、そもそも海の魚をあまり食べることができなかった。

そこで「貴重なタンパク源」として、沿岸部とは一風変わった鶏肉食文化が発達した。

地元のスーパーに行けば、鶏肉売り場の広さには目を見張る。さらに商店街では鶏肉のみを扱う「かしわ屋」もある。

そんな日田の鶏肉食文化の代表とも言える食材が「もみじ」だ。

一見しておわかりのように鶏の足先だ。鶏ガラとしてスープの出しなどに使われることはあっても、この部分を食用にするのは珍しい。

日田では、険しい山越えが必要だったため、運び込みに労を要する牛や豚などが飼われることは少なく、さらには魚介も鮎など小型の川魚に限られていた。鶏が、最も手に入りやすいタンパク源だったのだ。

そのため、古くから日田の家庭では、鶏が飼われ、来客の際などにはおもてなし料理の食材にもなった。

限られたタンパク源だけに、正肉、内臓だけでなく、様々な部位を余すことなく食べる習慣が根付く。それが「もみじ」誕生のルーツだ。

鋭い爪があるのでこれを切り、煮こぼしたら香味野菜を入れ、最後にしょうゆや味醂で味付けをしてじっくりと煮込む。

よく煮込まれたもみじは、ゼラチン質が骨からはがれ落ちるほど柔らかく、それをそぎ取るように食べる。

そしてもうひとつ「山ウニ」も忘れてはならない。煮たり焼いたりだけでなく、日田では、刺し身でも鶏をよく食べる。

「山ウニ」は刺し身メニューの一つ、鶏レバーの刺し身だ。

新鮮な鶏の「レバ刺し」を九州特有の甘いしょうゆにたっぷり浸して食べる。ただし、このときのりで巻くのが「作法」。レバー特有の濃厚な味わいは、確かにウニを連想させるし、のりを巻けば、まるで軍艦巻きのよう。

ねっとりとした食感で焼酎のお湯割りが進む。

日田ではファストフードも鶏肉だ。日田の観光スポット、江戸時代以降の建築物が現存する国の重要伝統的建造物群保存地区、豆田町を散策していると、さきほどの「かしわ屋」に遭遇した。

ショーケースは、部位のバラエティーはあるものの鶏肉のみ。総菜も数種類の唐揚げのみだ。

町歩きの観光客用に揚げたての唐揚げを、1カップ150円で販売する。週末ともなれば、観光客が列を成し、熱々の唐揚げをほおばりながら町を歩く。

日田では、学生の「買い食い」も唐揚げなのだとか。

最後は、かつ丼。日田の人々はかつ丼をよく食べる。いわゆるソウルフードと言えるものだが、日田では、かつ丼にも鶏が顔を出す。

まず、カツを煮込むつゆの出しが鶏ベースだ。

人気店は「東華ファミリー」。揚げ物を中心にした食堂なのだが、かつ丼専門店かと思うほど次から次へとかつ丼の注文が入る。ボリューム満点のかつ丼だが、たっぷりのカツの割りには、他の地域ではおなじみの葱の姿がない。カツを鶏出しで卵とじにしただけの「アタマ」が丼飯の上に乗っている。

日田の鶏好きの象徴のようなオリジナルメニューは「とうかのGOGOかつどん」。だしはもちろん、かつもチキンにしてしまった。レモンを添えてさっぱりと食べられるのが特徴だ。

同店は日田の若者たちのエネルギー源のようで、かつ丼もかつカレーも、普通盛りの他、中盛り大盛りとあるのだが、大盛はまるで洗面器のような大きさ。他にも制服を着て来店すれば「ハイスクールかつ丼」として、950円のかつ丼が630円になる。どうしたってかつ丼に馴染みが深くなる。

日田は独自のメニューだけでなく、やきとりや鶏わさなど一般的な鶏料理も概して味がいい。鶏好きが多いだけに、必然的にレベルが高くなるのだろう。

鮎やうなぎなど川魚料理で知られる日田だが、訪れた際は、鶏料理もぜひ味わってみてほしい。

(渡辺智哉)

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