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土に埋めて醸造 世界最古、ジョージア「土器ワイン」

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NIKKEI STYLE

近年、ある国のワインが世界的な注目を浴びるようになっている。少し前までグルジアを呼ばれていた旧ソ連邦のひとつ、ジョージアのワインだ。

きっかけは2013年、この国の伝統的なワイン作りの手法が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されたこと。地中に埋めたクヴェヴリという特殊な卵型の土器の甕(かめ)で発酵から貯蔵まで行うものだ。

「地中に埋めることで温度が安定するんです。ブドウの果皮や果梗(実を支える柄)、種も一緒に甕に入れて醸造するので、ポリフェノールの一種であるタンニン成分が多いんですよ」。ジョージア大使館公使参事官アルチル・マチャヴァリアニさんは、こう説明する。

マチャヴァリアニさんによれば、様々な遺跡からの発見により、ジョージアでは8000年前から同様の方式でワイン作りを行っていたと考えられるという。「ジョージアでワインを意味するgvino(グヴィーノ)という言葉は、wine(ワイン)などほかの国々のこのお酒を意味する言葉の語源とも言われているんです」と胸を張る。

ちなみに、マチャヴァリアニさんを取材中、なにやら耳なじみのいい言葉が連発されると思っていたら、ワインを入れる土器のピッチャーのことをジョージア語で「doki(ドキ)」と言うのだそう。発音まで日本語の「土器」にそっくりで驚きだ。

現在、ジョージアで作られるワインは手間がかかるクヴェヴリ製法のものだけではないが、ワイン輸出は増加傾向にあり、日本は輸出先としてトップ10に入るそう。同国では地場品種の栽培が盛んで、そのバラエティーは500種以上に及ぶという。

「実は近年のDNA鑑定により、白ワインに用いられる日本のブドウ品種の甲州はジョージア原産の品種と関係があるということが分かりました。日本のソムリエも太鼓判を押していますが、お寿司など日本食にもよく合うんですよ」(マチャヴァリアニさん)。

最も有名な産地はジョージア東部のカヘティだがワイン作りは全国的に行われている。しかも商業生産だけでなく、ほとんどの家が「自家製ワイン」を作っているのだという。さらに、クヴェヴリ製法ワインは世界各国でも人気が高まっており、フランスやイタリアなどのほか、日本でもこの製法を用いたワイン作りが始まっているそうだ。

「ジョージアにもクヴェヴリ製法のワイナリーを開いた日本女性がいるんですよ」とマチャヴァリアニさんは教えてくれた。

それほど多くの人が魅せられているというジョージアのワインを味わってみようと、3月初旬に幕張メッセで行われた国際・食品飲料展FOODEXを訪れた。ジョージアのワイナリーのブースを眺めていると、ほんのりオレンジ色をした変わったワインがあった。クヴェヴリ製法の白ワインだ。

「この製法による白ワインは皮などとともに醸造するのでオレンジがかっているの。白でも味わいが強いので、肉料理に合うのよ」。そう言いながら、ブースにいた女性は白ワインをグラスに注いでくれた。

ドライフルーツのような香りがして、果実感だけではない深みが感じられる。ブドウの品種はルカツィテリ。赤ではサペラヴィという品種が、クヴェヴリ製法でよく使われるという。「私は、白をジョージア式バーベキュー、ムツバディと合わせるのが好き。レバーと一緒に飲んだら最高ね」。

「ムツバディ」とは豚肉を使ったバーベキューだ。

「ジョージアには、国が面している黒海などで獲れる魚の料理もあります」と言いつつ、赤ワイン好きのマチャヴァリアニさんが教えてくれたワインに合うお薦めジョージア料理も肉料理だった。

羊肉を白ワインで煮込んだ「チャカプリ」や、羊や牛肉の煮込み料理である「ハシュラマ」、ジョージア風水餃子である「ヒンカリ」、そしてチーズパン「ハチャプリ」など。

どこかでこれらが食べられる店がないかと探していたら、ロシアとジョージアの料理を出す東京・吉祥寺の店「カフェ ロシア」でハチャプリを発見。丸いパンで中に白いチーズが入っている。"ジョージアのモッツァレラ"と言われるスルグニチーズだ。

席に運ばれてくると、ぷーんとパイ生地の芳ばしい香りがしたが、表面はさくっとしているのに中はもっちり。4等分されたパンを持ち上げると、中にはさまれた熱々の白いチーズがとろりと垂れた。

たっぷりチーズが入ったパンを食べながら、サペラヴィ種の赤ワインを飲んだ。クヴェヴリ製法ではなかったが、濃い赤紫色のまろやかなボリュームのあるワインでチーズパンにぴったり。ジョージアの食卓を垣間見られたひと時だった。

(フリーライター メレンダ千春)

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