恋しいポタージュ風 牛乳入り会津白べこラーメン
福島ご当地グルメでお腹いっぱい(4)
一見、とんこつラーメンか?と錯覚してしまいそうな白濁したスープ。ミルキーな香りが食欲をそそる白いラーメンの秘密は「牛乳」。会津産の牛乳を使った「会津白べこラーメン」は冬にもってこいのご当地ラーメンだ。
牛乳を使ったラーメンが会津で誕生したのは今から約30年前のこと。会津の郷土玩具「赤べこ」にちなんで「白べこラーメン」と名づけられた牛乳入りラーメンは、現在は17店舗で食べることができる。
なぜラーメンに牛乳を入れたのかということがやはり気になるが、きっかけは「入れてみたらおいしかった」というシンプルな理由だ。意外にも、ラーメンスープと牛乳はとても合うのだ。
使われている牛乳は会津を訪れたことがあり人なら見かけたことがあるだろう、女の子の顔のイラストが描かれた「会津のべこの乳」。甘くてコクがあり、昔の牛乳の味を思い出すようなおいしい牛乳だ。これを鍋であたためておき、ラーメンスープとあわせる。あわせるスープのベースは塩か味噌。
一風亭のものをいただいた。牛乳を加えたスープは、まろやかでポタージュスープのようなホッとする味わい。
トッピングには湯通ししたキャベツとワカメ、チャーシュー。牛乳と相性抜群のコーンもマスト。麺は喜多方ラーメンを彷彿とさせる、もっちりとした太ちぢれ麺で、やさしい味のスープがよくからみ、それでいてあっさりとしてくどくない。スープを飲み干せば、体もポカポカあたたまってくる。
牛乳屋食堂のミルク味噌ラーメンは残ったスープにライスを入れてリゾット風に味わうのも人気だ。牛乳の割合は店によっても違い、多いものでは8割牛乳というものもある。辛みを足してもいける。
ポタージュ風味の白いラーメン、この味わいは冬に合う。
(日本の旅ライター 吉野りり花)
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