好かれる聞き上手の「相づち」テクニックはこれだ

よっし / PIXTA
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「よい言葉」は耳にしても口にしても気持ちのいいものです。ここでいう「よい言葉」とは、名言や標語、敬語など、いわゆるお行儀の良い言葉ではありません。日常会話のちょっとした瞬間に聞いたり発したりすると、思わずにっこりと笑顔になるような言葉です。

絶妙の「うなずき」タイミングとは

だれにも経験があるでしょう。思いがけない「ひと言」に心ひかれたり感動したりしたことが。不思議なことですが、論理的な話や冗舌な会話には興味は覚えても、言葉そのものが印象に残るということは少ないものです。

短くてその人らしい、思いがこもった言葉やしぐさ。ほんのひと言やワンアクション程度のほうがかえってインパクトを与えて相手の心に響くもの。実はみなさんが日ごろ、何気なく使っている「相づち」もその一つなのです。

「相づち」とは、相手の話にうなずいて調子を合わせること。「うなずき」は相づちの基本です。うなずき方のポイントは、相手の話すスピードに合わせてうなずく。それだけで相手は「息が合っている」「相性がよい」などと感じます。

さらに「ほう」「へえ」などと、声で反応をすると相手は話しやすくなります。「えぇ!」「そんなことが」などと表現すれば、言葉以上のニュアンスが加わり、会話が弾みます。

すぐに使える、話し手を乗せる「共感相づち」

たとえば「最近、ストレスがたまっているんだ」という発言に「そうだよね、私も」「確かに、私も感じています」「分かる……」などのように、「なるほど」といった意味あいを帯びた共感の「相づち」を添えれば、相手は心地よくなり、もっと話をしたいという気持ちになります。共感の相づちがきっかけで、親しくなることもできるのです。

共感を深めるならば、相手の発言を受けて、言葉を繰り返すタイプの相づちもいいでしょう。たとえば「新しいプロジェクトを成功させたいから、●●のスキルを磨こうと考えているんだ」と言われた場合、「そうなんだ」と言うだけでは、同調は示せても共感にまでは至っていません。「そうなんだ」とか「いいんじゃないか」と返されたら、そこで話がストップしがちで、相手が沈黙してしまうことも多いでしょう。

そこで、「新しいプロジェクトを成功させたいから、●●のスキルを磨こうと考えているんだ」には、「●●のスキルを磨くことにしたの?」とか、「●●のスキルを磨くんだ?」などと、相手の言葉尻をとらえ、「おうむ返し」をするのです。すると、「実は、通信講座を始めた」とか、「関連する書籍を読みあさっている」などと、相手から自然と会話を引き出すことができます。これは相手の「聞いてほしい心」を刺激することにつながります。こんなふうに相づちを打ってもらえたら、誰しも相手のことを好ましい存在だと思うものです。

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できる人は「ファースト相づち」が短い

会話をしていて感想を求められると、長々と伝えたくなってしまうものですが、まずは「ひと言」に凝縮するのがいいでしょう。そうでないと、感想を伝えているうちに、いつの間にか自分の話にすり替わってしまったり、話の趣旨がずれてしまったり。その結果、気持ちよく話をしている相手を、不快にしてしまうことがあります。

たとえば「会議の議題に●●を提案しようと考えているけれど、どうだろうか?」には「タイムリーだよ」「素晴らしい」「いいと思う」とひと言だけ返すのです。そして、相手の反応を見てから「なぜそう考えるのか?」を伝えます。

これが「タイムリーだとは思うけれど、部長はいい顔をしないに決まっている。以前私が同じような議題を出したときだって渋い顔をしていたし、後で嫌みを言われた。そういえば部長って何でも反対するよね。この前も……」となると、会話の主導権が逆転するだけではなく、趣旨がぶれ、何を話しているのか意味不明になります。相手は「(あなたに)話さなければよかった」と後悔してしまうでしょう。

そのままコピーしたくなる「ポジティブ相づち」集

相づちの「ボリューム」は、自分では少し大げさだと思うぐらいにするのがコツです。そのほうが場が和み会話が盛り上がります。加えて、相手を認め、受け入れ、ほめるといった、肯定的な相づちを使うようにしましょう。

効果的な相づちの言葉を、私は「心が通じるさ行の相づち」と称しています。以下に挙げてみましょう。

・さ 最高です さすが

・し 信じられない(感激の表現として) 信じています

・す すてきです 素晴らしい

・せ 成長していますね(年下や部下に) 成功間違いなしです(仕事関係の方に)

・そ そんなに!(驚きの表現として) そうなんですね(感心や感服を示す)

これらの「ひと言の相づち」を、会話のスパイスとして使っています。

もちろん相づちがなくても、会話は成立しますし、相づちを意識するあまり、やたらと「さすが」「すごい」「そうなんですか」などと、オーバーアクションで伝えれば相手はばかにされていると思いかねません。肯定的な相づちであっても、使用頻度は控えめが賢明です。そして、ワンパターンにならないように気をつけましょう。

聞き上手の人は、決まって相づちの種類が豊富なものです。相づち一つで、相手の反応がよくなったり、会話が弾んだり。好印象を抱いてもらいやすくなる相づちの効果は絶大なのです。

次回は上司に理解される話し方のルールです。お楽しみに!

「臼井流最高の話し方」は水曜更新です。次回は2月15日の予定です。
臼井 由妃(うすい・ゆき)
ビジネス作家・エッセイスト・講演家・経営者。熱海市観光宣伝大使としても活動中。著作は60冊を超える。最新刊は「今日からできる最高の話し方」(PHP文庫)
公式サイト http://www.usuiyuki.com/
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