基本は水ギョウザ、焼くのは余り物? 本場中国の流儀
ギョウザ(6)
上海からのメール。4回目に登場した香港のエビギョウザ麺はエビワンタン麺のことではないかとした上で、
ワンタンは家庭でも食堂でも丼のなかにスープと一緒に入っています。ギョウザもワンタンも形と味が少し違うだけなので(私見)スープと一緒に食べるのがワンタン、調味料をつけて食べるのがギョウザと私は思っています(ワンタン麺はあってもギョウザ麺はない理由?)。
スーパーの冷凍食品でもワンタンはスープの素がついていますがギョウザにはついていません。冷凍の焼きギョウザ用として売っているギョウザは日式(日本式)鍋貼と日本式を強調しています(酔人@上海さん)
ワンタンとギョウザの違いは微妙だが、確かに食べ方で区分するとわかりやすい。
デスク納得 うんうん。確かに。
同じ上海のギョウザは…。
直径1メートルぐらいの大きなすき焼き鍋状の鉄板に日本のギョウザと同じ大きさのものを、円形にびっしりと並べます。ドラム缶に詰め込んだ炭でそれを焼き、ある程度火が通ったら、お湯をジャーッと入れてふたして蒸し焼き。日本とほぼ同じ作り方ですが、違うのは、皮がモチッとして分厚く、また、具は肉とせいぜい香味野菜ぐらい。焼きたてのをかじると肉汁が飛び出て、唇をやけどしたりします。あたかもショーロンポーのように肉汁がどばどばと出ます。
…これを持って職場に行って、お茶と一緒につまみます。朝からギョウザかよ!と思われるでしょうが、ニンニクやニラは入ってないから臭くはないし、巨大な肉まんとか、ぎっしり肉が入ったおこわちまきを食べてる同僚よりは軽いかと(ふらんさん)
日本式の焼きギョウザとともにギョウザ焼き機が中国に輸出されているという話を聞いたのはいつごろだったろうか。この上海の焼きギョウザは在来の食べ物か、それとも日式の影響か…。
デスクごくり どうでもいいけど、読んでるだけでおいしそー。食べたい!
台湾でもギョウザは主食とか。
ギョウザは1人10から15個、これにおかずとして肉類、野菜類、湯(スープ)を頼みます。
冷凍ギョウザも販売されております。中の肉は豚、あるいは熱心な仏教徒のための素食用(ベジタリアン)の肉なし、植物蛋白入りがあります。友人はゆで汁に野菜を入れてスープを作っていました。
3年前、焼きギョウザ専門店が出来ましたが、皿にポリ袋をかぶせてその上にギョウザを盛って出し、客が帰ると袋だけ捨てて、新たにかぶせる寸法。屋台では結構見られる風景でした(沼さん)
台北にも焼きギョウザ専門店が出現した。でも、ポリ袋取り換え作戦は考えたなあ。
中国のギョウザでもう1件。中国では本来ギョウザは焼かず、焼くのは余り物という先週の話に関連して。
中国残留孤児問題の裏でこんなことが起きていたなんて。
つくばエクスプレス開業記念で、こばりんさんからつくば市「百香亭」の鉄鍋ギョウザの写真が来着。「肉&ニラたっぷりで春雨や何やらコリコリしたモノ(正体不明)も入っており、ジューシーで美味です」とか。
何事にも達人というのはいるもので、ギョウザ界にもこんな人が存在した。
そこの常連に銀縁の眼鏡をかけ、いつも眉間にしわ寄せた爺さんがおりました。その爺さん、ギョウザを注文すると小皿に一味を小高く盛り、お酢をほんのちょっとたらしギョウザが運ばれてくるまで待ちます。
その店のギョウザは注文を受けてから包み始めるので出てくるまでに時間がかかり、その間に一味がお酢でふやけます。そのふやけた一味に醤油をさすのはギョウザが運ばれてから。醤油は少なめ、一味とお酢とお醤油をゆるめのペースト状に作り上げ箸でつまんだギョウザを「チョンチョン」とつけて食べてました(わのひとさん)
うーん、よく読んだら「赤い殺意」いや「赤い大殺界」関連ではないか。デスク、試してみる?
デスク反論 「赤い恋人」です! 何度言ったら分かるんですか!
あっ、こんなのも来てる。
中華系にはラー油、和系には唐辛子、イタリアンにはタバスコ! 自分は味噌汁に唐辛子を入れますし、辛い味噌汁があるとご飯が進みます。おかずの味も引き立ちます。
辛いものは背中の肩甲骨の間にある部分を刺激して発汗、エネルギーを消費させる作用があると何かで見たこともありますし、なんせ、ウマイ!!
極端な話、そばつゆに入れるわさびやラーメンに入れるコショウだって香辛料ですから、それらと差別をされるのはいかがかと思います。
私は絶対、赤い恋人賛成派です!(アル中のおぢちゃん)
私は辛いものを差別しているのではない。私の体質が辛いものと折り合いが悪いだけなのである。辛いものを食べると発汗作用が異常に昂進し、汗のシャワーを浴びたようになり、タオル1枚をびしゃびしゃにするのなら任せといて状態に突入するのである。
そして思想信条の自由を尊重するのである。辛いものが好きな人は好きなだけ食べて。トウガラシの粉で団子作って食べても知らん顔していてあげる。警察に言わない。
というわけで、私が死のロードで不在のため次回は特別版をお送りする。何が出てくるか、お楽しみに。
(特別編集委員 野瀬泰申)
[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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