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視覚で紹介、迷わず提案

ギャル系ファッションの発信地、SHIBUYA109(東京・渋谷)。多くの有名ブランド店がひしめくなか、販売員としてトップ級の売り上げを誇るのが「セシルマクビー」のチーフ、福永麻美さん(23)だ。「押し」の提案力とすぐに打ち解ける会話力を武器にリピーターを獲得。身近なファッションアドバイザーとしての魅力にも磨きをかける。

11月下旬。109に入るセシルマクビーの旗艦店を訪れると、福永さんの元気な声が響いていた。「素材は肌触りの良いうさぎの毛なんです。触ってみてください」「このタイトスカートは絶対似合いますよ」。笑顔をたやさず、鏡の前で何度もコーディネートを提案していた。

◇     ◇

黒のガウチョパンツ、赤のニット、茶色のコート、黒のベレー帽……。ファッション誌から飛び出してきたような「ゆるかわ系」の装いで、親しみやすさがにじみ出る。客のマニキュアを見て「かわいいね」と連呼するなど、対応は販売員というより友達に近い。

この日来店した神奈川県在住の大学生、土屋来実さん(20)は「普段店員に話しかけられるのは苦手だけど、すごく好感を持てた」と満足げ。気に入ったコートなど3点を購入した。福永さんの1時間を超えるもてなしが実を結んだ。

セシルマクビーはジャパンイマジネーション(東京・渋谷)が持つ主力ブランドだ。福永さんは服飾の専門学校を卒業し、2013年に入社した。直前にいたルミネエスト新宿店を離れ、初任地でもある渋谷109店に復帰したのは11月。今年1~11月までの販売数は約5700点と、社内の販売員平均の2・6倍を誇るエースだ。この1カ月、他社も交えた109のテナントの中でもトップ争いを演じている。

その背景には優れた接客術が隠されている。まずはモノの良さをしっかり伝えること。新商品の素材やデザインの予習はもちろん、売り場ではスマートフォン(スマホ)や雑誌を見せながら実際のコーディネートを紹介する。「着たいと思わせるにはやはり視覚が大事」と分析する。

次は押しだ。例えば色を黒か白かで悩んでいる場合、はっきりとどちらかを薦める。顔の形や髪色、体形、普段よく着る服などから勘案し「迷わないのがコツ」。「最後の一押しを待っている顧客は実は多い」と話す。

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