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食の豆知識

華麗に謹賀新年 正月にカレーを食べたくなるのはなぜ

2017/1/4

「おせちもいいけどカレーもね」

覚えておられる方も多いだろう。昭和の正月風景の中に「お正月を写そう」とともにある、素晴らしいキャッチコピーだ。

フォークで食べる金沢カレー

昭和51年に始まったこのCMは、実にセンセーショナルだった。核家族のため早くから伝統の崩壊が進んでいた我が実家ですら「正月からカレー!?」と、イケナイものを見るような気持ちになったものだ。

おせち料理の準備は大変=PIXTA

当時の正月のしたくは、とにかく大変だったという記憶しかない。

時代は移り、一人用のおせちも

年末の大掃除と並行して、母親は1日中料理を作りまくっていた。デパートは遠いし、ネット通販などない。スーパーも年末年始はきっちり休む。店が開いてるうちに大量の買い物をし、だしをとり、野菜を刻み、コンロはフル回転。そして料理はできあがり次第、奥の部屋へと運ばれる。

お雑煮も3日も続けば…

都会はいざ知らず、田舎の家には必ずひときわ寒い部屋があり、そこを天然の冷蔵庫として使っていたのだ。

出しがきいたそば屋のカレー丼

我々子どもたちの仕事は、母親の言いつけに従い料理の手伝いをすること。できあがった料理を天然冷蔵庫へ運ぶこと。そして何度となく部屋へ忍び込んで、つまみ食いをすること。

コーヒーのうまい喫茶店にはなぜかうまいカレーがある

子どもだけでなく、父親まで一緒になってつまみ食いをするものだから、大変だ。いざお重に詰めようとして「こんなに減ってる!誰が食べたの!」と、年明け早々に叱られるのも毎年のことだった。

南房総シーフードカレー

正月は、ほとんどの人が「1年でイチバン暴飲暴食をする日」ではないだろうか。何しろ年末からの備蓄食料で、冷蔵庫はいっぱいだ。食べても食べても同じ料理が出てくる。

学生街の超大盛りカレー

さらに平日と違い、家族と3食をともにすることも多い。食べる場所はだいたい家の中だ。家の中で、同じ顔ぶれと、同じ料理を食べ続けていたらどうなるか。

パンと食べるパン屋のカレー

飽きる、のだ。

そこで、カレーである。

老舗のカレー

ごちそうに飽いた舌をリセットし、ごろごろしていた自分に喝を入れ、正月に引導を渡す。おせちのあとのカレーとは、そのためのものだった。

欧風カレーはチーズ入りライス ジャガイモ付き

日本人はあらゆるものをカレー色に染め上げて来た。

カレースパゲティ

カレーうどん、カレーパン、カレースパゲティ、カレーまん、カレーコロッケにカレーラーメン。カレー味のスナック菓子は当たり前だし、カレーアイスやカレーキャラメルだってある。

本場のインドカレーも

街へ出ればインド、スリランカ、マレーシア、ネパールなど本場のカレーと、日本独自の発展を遂げたニッポンのカレーライスが共存している。

マレー風ブラックカレー

大量に作って大勢で食べるのに向いている一方、手早いひとり飯にもちょうどいい。

ウズラの卵が入ったカレーうどん

カレーほど自由で、強い料理はないだろう。カレーに何を加えてもカレーはカレーであり、カレー以外のものにはならない。

禁断のカツカレーラーメン

逆にどんな食材もカレーになる。カレーにならないものを探す方が難しい。

沖縄では、このパッケージがいまだ現役

カレーを食べよう。今日がその日だ。

(食ライター じろまるいずみ)


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