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近くて遠い「鯖街道」 山の中で交わる3つの文化

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京は遠ても十八里――。サバの名産地、福井県小浜と京都とを結ぶ「鯖(さば)街道」を語る際に、必ずといっていいほど登場する言葉だ。十八里は現代に置き換えれば72キロ。遠いといってもわずかな距離、東京でいえば十分に通勤圏内。しかし、そこには険しい山々が続き、踏破するにはやはり遠い。北陸新幹線の敦賀以西のルートが小浜・京都ルートで正式決定し、今改めて鯖街道が注目を集めている。小浜では養殖サバによる刺し身の提供が始まり、昨年春にAKB48を卒業した演歌歌手、岩佐美咲さんが新曲「鯖街道」を発表するなど、話題も多い。そんな道を、たどってみた。

鯖街道って何?

サバずしは、京都を代表する味のひとつ。山間の盆地、京都では魚はごちそうで、特にひと塩して、徒歩で若狭湾から運ばれてきたサバはちょうどいい塩具合だったのだとか。特産品のサバを大消費地に売り込むべく、小浜から多くの人たちがサバを背負って京都を目指したことは想像に難くない。

鯖街道にはいくつかのルートがある。最も一般的だったといわれるのが、険しさが比較的おだやかな保坂峠で山を越える、小浜から熊川宿、朽木を経て京都に至るルートだ。実際の保坂峠は、現代人からすればけっこうな険しさだが、後で紹介するショートカットルートに比べれば確かにおだやかで、女性でもサバを背負ってたどれた道なのだという。

サバの出荷ルートとは逆になるが、多くの観光客は京都から小浜を目指すことになるだろう。今回は京都から小浜へ向かってみる。

山の中で交わる京都、琵琶湖、若狭湾の文化

最初の観光スポットは、鯖街道の中間点となる朽木だ。朝に塩して小浜を出発したサバは、一昼夜かけて、翌朝京都にたどり着くことが一般的だったという。難所の保坂峠を越え、ほぼ中間点にあたる朽木で、京都側からやってきた人に中継することもあったそうだ。

古い家並みが残っていて、町歩きをすれば往時の繁栄ぶりがうかがえる。1933年に建てられたアンティークな木造洋館・丸八百貨店はその代表格だ。

興味深いのは朽木の道の駅の品ぞろえ。日曜日には大規模な朝市が開かれるのだが、そこに並ぶのは、キノコやジビエなど山のもの、若狭湾の海産物、鮒(ふな)ずしやエビ豆など琵琶湖の食……。食べ物から、朽木が鯖街道の中間点だったことがうかがえる。

「時価」のサバずしに舌鼓

この先、最大の難所・保坂峠を越える。峠を越えた先が熊川宿だ。古い町並みが整備された宿場町は、観光スポットとしても有名。

実は鯖街道以前から、日本海の産物を水運で京都に運ぶルートがあった。熊川まで川で運ばれてきた荷はここで陸揚げされ、徒歩で分水嶺を越え、ふたたび水運で近江今津から琵琶湖を経由して京都まで運ばれていたという。この荷の中継こそが、熊川宿繁栄の背景だ。

ここで、昼食に名物のサバずしを食べる。「時価」のサバずしは肉厚のサバで、小浜にもファンが多いという。熊川宿を過ぎればあとは平たんな道で、一直線に小浜に至る。

小浜はおいしい魚がいっぱい

小浜は、鉄道が敦賀に到達するまでは、若狭湾一帯の中心都市だった。海産物で栄えるとともに京都から様々な文化も流入した。

小浜には多くの寺社があり、そこには京都の影響を受けた仏像がいくつも収められている。また、祭りなど催事にも京都の影響が色濃い。そんな小浜の文化は若狭歴史博物館で見ることができる。

小浜の中心部もみどころ満載だ。鯖街道旅のゴールともいえる「鯖街道の起点」は市内中心部いづみ町商店街の中にある。道路に起点の碑が埋め込まれ、道路脇には鯖街道資料館もある。

いづみ町商店街では、ぜひ若狭湾の魚介を買って帰りたい。サバを1本丸ごと串焼きにする浜焼きサバは朽木屋がおすすめ。毎日大量のサバを焼く。地元の人は家族で1本、ほぐしてショウガ醤油(しょうゆ)で食べるという。

干物なら「加福鮮魚」。若狭がれいやかますなどを店頭にひもでつるして、扇風機であおぎながら干物を作る。手作り感満載の干物はまずいはずがない。「魚屋食堂」の看板があるが、食堂ではない。NHKの朝ドラ「ちりとてちん」のロケで「魚屋食堂」の舞台として使われたものをそのまま残している。

小浜ならではの干物、しょうゆ干しも要チェックだ。しょうゆに漬け込んでから干物にする小浜ならではの味だ。特にアナゴは、東京のアナゴからは想像できない、巨大で肉厚なもの。ノドグロや小鯛の笹(ささ)漬けもおいしい。

いづみ町商店街の向かいには昨年オープンしたばかりの「小浜市まちの駅」がある。ここでは養殖サバを刺し身で食べることができる。煮たり焼いたり酢でしめたりして食べるのが一般的なサバを、いけすで肥育することで、生で食べられるようにした。本州ではめずらしいサバの刺し身をぜひ味わいたい。

「ちりとてちん」で全国的に知られるようになったが、小浜は若狭塗り箸の一大産地でもある。おみやげにはぜひ塗り箸を買って帰ろう。

険しい「針畑越え」も一見の価値あり

さて、最初に鯖街道にはいくつかのルートがあるとご紹介した。比較的越えやすい保坂峠ではなく、険しい山を直線的に京都へと向かったルートもある。針畑越えと呼ばれるルートだ。

小浜から京都に向かってまっすぐ南下する、地図上ではショートカットになるが、実際の道は「登山道」そのもの。サバを背負わずとも、歩く気がうせるほどの急坂だが、滋賀・福井の県境にあるおにゅう峠から望む若狭湾の眺めはすばらしい。険しい山々の向こうに青い日本海が見える。

つづら折りで「登山道」に沿うように車が通れる道もあるが、未舗装の部分もあり、一般観光客向きとはいえない。

ただし、岩佐美咲さんの「鯖街道」のビデオには、いずみ町商店街の鯖街道の起点や小浜漁港から針畑越えの根来(ねごり)坂に向かう様子が映し出されている。

わずか72キロの鯖街道旅は関西・名古屋からなら日帰りも可能。一方関東方面からは京都経由になるので小浜で1泊することになる。帰りは敦賀まわりで米原から帰ることをおすすめしたい。

JR小浜線は鯖街道に沿って内陸を走るため、できればレンタカーで海沿いを走りたい。整備された道路で、日本海の景色を楽しめる。途中、フグが特産の阿納、古くからのサバ漁の拠点・田烏も通る。若狭町ではぜひ梅干しを。そして梅丈岳山頂公園から、三方五湖の眺めも楽しみたい。

(渡辺智哉)

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