丸餅角餅、焼く煮る、味噌醤油…日本全国お雑煮図鑑
年末年始特別企画
グルメクラブ、年末年始の特別企画として「列島あちこち 食べるぞB級ご当地グルメ」に掲載した「日本全国お雑煮図鑑」を再掲載します。お正月の間に食べた各家庭のお雑煮を、読者の皆さんからの投稿でご紹介しています。
お雑煮って地域ごとにずいぶんと違いますよね。しかも、地域外の相手との結婚や転居によってさらに姿を変えている場合もあります。
地域はもちろんのこと、家庭ごとにそれぞれのお雑煮があると言っても過言ではないでしょう。三が日、日ごとにお雑煮を変えるというメールもありましたが、それもまたお雑煮らしいところです。
その意味で、今回ご紹介するお雑煮が、必ずしもその地域を代表するレシピとは限りません。とはいえ「こんなお雑煮があるんだ!」というのは、やはり興味深いもの。各地各様、各家庭各様のお雑煮をご覧ください。
北海道(みなみ@神奈川さん)
【餅の加熱方法】焼くがメイン、気が向くと煮る。
【汁の出し】昆布。
【汁の味付け】白味噌。
【具】大根・金時ニンジン・三つ葉・麩。
私を含め実家は全員3代続いた北海道出身ですが神奈川県に移って約50年、私の実家の雑煮です。
昔はすまし汁系に鶏肉・大根だったのですが、ある時から母親が自分好みのこの形に変更、他の家人も特に意見もなくこのスタイルが続いています。
この雑煮を正月三が日は、毎朝食べます。
私の配偶者は横浜生まれ・横浜育ちのなのですが、雑煮の作り方が違うのは当然として「雑煮って元旦にだけ食べるもので、三が日毎日食べるものじゃない」と。
これは「へー」でした。
よその家でも、雑煮は毎日か一日だけかの衝突が起きるものなのでしょうか?
青森県津軽(chikaさん)
餅は切り餅を焼いて、出しはカツオブシで醤油味。具は鶏肉、ゴボウ、大根、ニンジン、凍み豆腐、マイタケ、セリです。
岩手県中央部(ござ引きさん)
【餅の加熱方法】焼く(ただし、何かのお祝いでいただいた餅は、お湯で戻します。お祝いのものを焼くことを忌み嫌っています)。
【汁の出し】干しシイタケの戻し汁、顆粒のカツオ出し。
【汁の味付け】醤油。
【具】引き菜(大根、ニンジンの千六本=細長く刻んだもの)、ゴボウの笹かき、干しシイタケを戻したものの薄切り、鶏肉(お雑煮用として切られて売られています)、なると、一関産の凍み豆腐(今年は、ちょうど手に入ったので)、セリ、気取って、ゆずの皮をのせることも…。
父が存命のころは、これに、ハラコをのせていました。
お雑煮の内容は、母が育った岩手県南部・磐井地方のものです(祖母が、家の食を引き継ぐ前に急逝したもので、県央部なのに、県南部のお雑煮です)。
ついでに、元旦に神棚に上げたお膳の写真です。
一般的なお節ですが、必ず、外が赤く染まった酢だこをつけます(紅白のものということでしょう。県中央部ではつけるのではないでしょうか?)。
年の暮れになると、酢だこの値段が上がります。
蛇足ですが、餅をついた日の昼食に食べた納豆餅と生姜餅です。
私、大の餅好きですが、あんこ、きなこ、クルミ等の甘い味の餅は、あまり好きではありません。というより、数を食べられません。
母の実家の方では、お椀に残ったあんこ餅のあんこを沢庵できれいにふき取るようにして集め食べるという習慣があるそうです。
山形県赤湯(gyou1さん)
相方の出身は山形県米沢の北にある赤湯です。結婚以来25年を超えて毎年食べています。
北海道生まれの僕としては、最初はなんとなく違和感があったのですが今ではすっかり慣れました。飼い慣らされたというんでしょうか?
餅は一度焼いてから少し煮て柔らかくします。
鶏肉、シイタケ、ニンジン、大根、三つ葉、セリが入った醤油味です。
福島市(浪江焼麺太国浅見さん)
福島県福島市出身ですが、群馬×福島&山形の混血なので、スタンダードな福島市のお雑煮かは不明です。
餅は四角(切り餅)を焼いてから汁に入れます。
出しは鶏とカツオブシで醤油味。
具は鶏肉、大根、ニンジン、シイタケなどのキノコ。今回はマイタケも。白菜を入れることもあります。
福島市立子山地区特産の「凍み豆腐」は欠かせません。
三つ葉も入ります。
福島県いわき市四倉町(チャーリーさん)
【餅の加熱方法】焼く。
【汁の出し】カツオ、昆布。
【汁の味付け】醤油。
【具】必ず入るのはゴボウ、ニンジン、サトイモ。オプションで油揚げ、蓮根、シイタケ、ホウレンソウ、かまぼこ。あとネギ。
茨城県中央地区(笠間いなり寿司いな吉会・菅井さん)
カツオ出し、醤油、ニンジン、大根、鶏肉、ネギ(今回は入ってませんが三つ葉、ナルトなど)を入れてます。
四角い餅を焼いて、やわらかめ固めで選んで入れます。
写真はしょーびき餅のセットです。もちろん納豆餅も。
群馬県中央部(Poco@焼きまんじゅうさん)
両親とも群馬県中央部の出身(今も在住)なので、この地方の標準に近いかも?
煮干しベースの醤油出しに角の焼き餅、鶏肉・小松菜・油揚げあたりの比較的さっぱり系です。
群馬県高崎(Two Pumpsさん)
わが家の雑煮は、何も足さない何も引かない、であります。特徴は高崎市出身の母が高崎市特有の「つと豆腐」を具材に入れることです。
具材である鶏肉(もも)と干しシイタケの出しで醤油味、具はニンジンとなるとにつと豆腐、飾りに三つ葉です。
餅は角餅を焼いて入れます。
埼玉県秩父地方(かるめさん)
私は群馬県民ですが母方の祖父母が埼玉の秩父でしたので、母が作るおばあちゃん家の雑煮を作ってみました。
カツオ出しの醤油味で、具は鶏肉、大根、ゴボウ、ニンジン、サトイモ、ネギ、キノコ。餅は四角いのを焼いてお椀に入れます。煮込みません。
千葉県茂原(澤田康一さん)
【餅の加熱方法】焼いて入れます。
【汁の出し】カツオ出しです(麺つゆ使ってますけど…)。
【汁の味付け】醤油味です。
【具】鶏肉、サトイモ、ニンジン、なるとが入ります。欠かせないのは、九十九里海岸沿い、一松(ひとつまつ)産の青のりです。年末になると、スーパーに並びます。高価ですが、毎年買わずにはいられません。
【その他】三が日は、朝はお雑煮をいただきます。また、そのお雑煮は、男が作ることになっています。
千葉県九十九里方面(クロさん)
ふるさと東京から千葉へ転勤して二度目の正月。「はば雑煮」なるものを知り、自作してみました。
【餅の加熱方法】焼く。
【汁の出し】カツオ。
【汁の味付け】濃口醤油。
【具】はばのり、青海苔、カツオブシ。
これを食べれば「幅をきかせる」ようになるという縁起物だそうです。
はばのりは、普通の海苔とワカメを足して割った食感に、磯の香りマシマシで、なかなかワイルドな味わい。
思わず、太平洋に向かって「海~っ!」と叫んで走りだしたくなりました。
東京都文京区(DO・塩竃さん)
父母の代から住んでいる東京都文京区の自宅でゆっくり正月を過ごしました。
雑煮は母の代から続いている我が家仕様で、餅は角餅を焼いたもの、昆布とかつおに軽い醤油味の出し。具は鶏肉、かまぼこ、大根、ニンジン、サトイモ、ホウレンソウ、三つ葉、ゆずの皮少々です。
東京都下町(デスク)
【餅の加熱方法】焼く。
【汁の出し】アゴ&カツオ。
【汁の味付け】醤油。
【具】鶏肉、シイタケ、なると、三つ葉、海苔。
姉が作ったものです。カツオ出しだとばかり思っていたのですが、カツオとアゴを合わせた出しが我が家流だそうです。
千葉・船橋在住ですが、父は砂町から、母は本所から、それぞれ空襲を逃れて千葉に移り住んでいるので、基本的には下町の味だと思います。
東京都(三月うさぎさん)
夫の実家は所沢ですが、義父が東京生まれ、転勤族で全国を動いている間に多少変異したようですが、基本は東京のお雑煮だと思います。
昨年初めて見て「ゆで卵? ラーメンじゃないのに」とびっくりしましたが、夫は物心ついたときからこれを食べているのだとか。「言われてみれば他で見たことないなあ」と違う意味でびっくりしていました。
餅は角餅を焼きます。汁で煮込まず、上から熱い汁をかけるだけ。出しはアゴ出しとカツオ出しをブレンドして醤油味。
具は、鶏肉、大根、ニンジン、タケノコ、サトイモ、かまぼこ、シイタケ、小松菜、今年のには入っていませんが三つ葉。
そして固ゆでたまご。
最後にのりをトッピングします。
東京都町田(hitomiさん)
【餅の加熱方法】つゆにそのままどぶん、しばらくして火を止めて余熱で柔らかくする。
【汁の出し】カツオブシ。
【汁の味付け】醤油、酒。
【具】鶏肉、そのときある青菜。写真はのらぼう菜です。ホウレンソウのこともよくあります。薬味なし。
質素で貧乏くさくて、ずっと恥ずかしいと思っていた我が家の雑煮ですが、食べBの記事を見て開き直れてきました。
雑煮は主食の位置づけなので、豪華でなくて良いと思います。といっても、おせちだって周りの畑で取れる野菜ばかりで作っていて、これまた質素で貧乏くさいのですが…。
新潟県小千谷山間部(JA71さん)
年取り魚は鮭の地域で、お雑煮でも鮭が活躍します。
お餅は四角い切り餅、それを湯に浸して使います。
汁の出しには魚の旨味がありますが、出しの種類について母に確認したところ「出しは取っていない」との答え。具として入れる鮭と野菜の味のようです。今は亡き祖母が作っていたときには具としてスルメの細切りも入っていた記憶があります。スルメも出しを補っていたのでしょうね。
汁の味付けは醤油です。
写真のお雑煮の具は、鮭、竹輪、焼豆腐、サトイモ、ニンジン、大根、板こんにゃく(白)、とと豆(イクラ)です。子どものころは前述のとおり、とと豆の代わりにスルメの細切りでした。
鮭は年越しに欠かせない魚。私が幼いころは曾祖父と父が台所で並んで新巻鮭を捌くのが年末の光景でした。鮭は焼く他にお雑煮、昆布巻、氷頭なますなど、大活躍です。
そういえば、焼くと白く塩を吹くようなしょっぱい塩鮭を見かけなくなりました。なんだか寂しいです。
越後雑煮(三月うさぎさん)
私の実家、北海道のお雑煮ですが、父方の祖父の出身地が新潟で、我が家では「越後雑煮」と呼んでいます。
角餅を焼いて、お湯につけてふやかします。
出しはとりませんが、7種類の具から出た味で複雑な味になります。醤油味。
具は、焼き鮭、大根、ワラビ(いい出しが出ます)、ゴボウ、ツト(ナルトに似ていますが北海道でしか売っていないもの。今回はなるとで代用)、焼き豆腐、高野豆腐(なぜか豆腐が2種類も入ります)の7種類を細かく刻みます。
汁はひたひた、お雑煮というよりは、もちに具をからめて食べる感じです。
静岡県富士(そら♪さん)
姑が富士の人なので、地元風です。
鶏肉とカツオブシで出しを取り、醤油ベースで。中には大根とニンジンが入ります。
お餅は四角で焼きません。
三つ葉とお海苔がのります。
静岡県藤枝(ウナギルスさん)
実家のお雑煮、シンプルです。
【餅の加熱方法】そのまま投入。
【汁の出し】カツオ出しです。
【汁の味付け】醤油の澄まし汁です。
【具】大根、水菜が具で、そのうえにカツオブシと炒った海苔粉をのせます。
シンプルですが他県に行ってびっくりしたのはカツオブシと海苔をのせないことでした。ごく当たり前でしたから、なおのこと。
静岡おでんで魚粉と海苔粉をのせる感覚なのかなと。
福井県鯖江(パン屋のマユさん)
福岡県久留米市在住ですが、父方の祖父の故郷が福井県鯖江市で、お雑煮は久留米にいながら白味噌仕立てです。昆布で出しを取り、白味噌を溶きます。
具はとてもシンプル。蕪とカツオ菜とカツオブシです。蕪とカツオ菜は下茹でしておきます。
餅は丸餅で 焼かずに湯がきます。
お椀に蕪、丸餅、カツオ菜を入れて、白味噌仕立てのお味噌汁を注ぎカツオブシをハラリと。
昔はカツオ菜ではなく、型抜きされたニンジンと蕪で、カツオ菜は入っていいませんでした。博多雑煮には欠かせないカツオ菜がアレンジされて入れられた、オリジナルお雑煮になったようです。
愛知県名古屋(亡命名古屋人さん)
今年は、かみさんの作ってくれた雑煮です。
ベースは、名古屋風の質素な具の醤油味のお汁に、焼いた角餅が入る「ハイブリッド?」タイプです。
写真では見えませんが、餅がお椀にくっつかないように、底には焼き海苔が敷いてあります。
あと、味噌汁にお餅を入れるのは禁じ手でしょうか。なぜか無性に食べたい時があるんですよね。
菜っ葉の具だけの赤出しに揚げた餅を入れたのを、名古屋のどこかで食べた記憶があります。今朝は出かける前で時間がなかったので、昨日の夕食で残った味噌汁を温め直して、焼き餅を投入しました。
三つ葉と柚子の皮はご愛敬で。
尾張地方(こださん)
尾張藩士兼松家(家内の実家)の伝統のお雑煮です(多分)。
カツオ出しの澄まし汁、亀甲の大根(餅の下に敷く)、焼いた切り餅、梅花ニンジン、餅菜、かしわ肉(ササミ)、最後に削り節です。
岐阜(まっどだいまるさん)
餅の形は四角、餅の加熱方法は焼く、汁の出しはカツオ、汁の味付けは醤油、具は正月菜(自家製)、カツオブシといったところです。
岐阜県可児(ナナママさん)
お餠は切り餅で、茹でてあります。茹でる時、鍋に付かないように大きめに刻んだ白菜を敷いて茹でます。
これをお椀に取り、醤油ベースの汁(カツオ出し、みりん、砂糖などで味を調える)と花カツオをかけていただきます。
本当はもち菜(正月菜。関東では小松菜)の茹でたものを添えるそうですが、主人の実家では餠を茹でるときに鍋に敷いた白菜を添えています。
お正月の新聞に地元JAの折込広告が入っていて、そこに可児市のお雑煮として載っていました。
醤油ベースの汁は、実家では地元で有名な『ヤマコノ調味の素』で作っていました。
全体としては尾張のお雑煮に近い感じだと思います。
三重県伊勢市旧度会郡(あるけむさん)
【餅の加熱方法】焼く。
【汁の出し】カツオ。
【汁の味付け】醤油、すまし汁。
【具】水菜(小松菜)、かまぼこ。
シンプルな雑煮です。餅は知り合いの農家が作ったものを購入しているようです。
伊勢市中心部(外宮の近く)にあった祖父の家では、角餅(餅屋から購入)を使ってました。距離は10キロも離れていないので、混在しているかもしれません。
すまし汁なのは、伊勢が天領だった影響かもしれません。
伊勢/大阪(イブオっちさん)
元旦
【餅の形】丸餅。
【餅の加熱方法】お湯に浸す。
【汁の出し】カツオ&昆布。
【汁の味付け】白味噌。
【具】鶏肉(かしわ)、京ニンジン、雑煮大根、サトイモ、水菜。
2日
【餅の形】丸餅。
【餅の加熱方法】焼く。
【汁の出し】カツオ&昆布。
【汁の味付け】薄口醤油。
【具】鶏肉(かしわ)、京ニンジン、雑煮大根、サトイモ、水菜、風味付けに柚子の皮。
数年前に他界した祖母の仕切りで作っていたのを、今は母が受け継いでます。どこの地域のしきたりなのかは不明です。
周りの人の話を聞くと、京都のお雑煮に近いのかもしれません。
うちの雑煮は元旦と2日目で味を変えるんです。3日はその年によってどっちかにしてました。
大阪(神戸市在住大阪人さん)
【餅の加熱方法】水から煮ます。
【汁の出し】カツオ出しです。
【汁の味付け】甘い白みそです。
【具】焼き豆腐、雑煮大根(お雑煮用の小さなもの)、子芋(サトイモ)、青のりだけです。
神戸市在住ですが、お雑煮は出身の大阪市で食べていたものを結婚後も奥様に作ってもらっており、すっかり我が家のお雑煮として定着しています。
現在住んでいる神戸でも、年末になると白みそや上記具材がたくさん売られていますので、マイナーなものではなさそうです。
ちなみに、私の奥様の実家は明石、両親の出身は兵庫県の少々奥で、お雑煮はすまし汁だったそうです。
兵庫県但馬(なんちゃってプログラマ8年目さん)
私の地元、兵庫県北部、但馬と呼ばれる地域のお雑煮です。南部の山の中、雪も降る地域です。
【餅の加熱方法】レンジで柔らかくした後、出しでたきます。
【汁の出し】出しの素(ほん出しといりこ出し)。
【汁の味付け】薄口醤油、酒、みりん。
【具】なし。餅と食べる時にかける鰹節のみです。
母の実家(同じく兵庫北部)では具入り味噌汁にお餅が入るそうです。
餅は毎年作っています。
白、よもぎ、栃、青のりとゴマの4種類。白、よもぎ、栃はあんこ(自家製)入りも作ります。青のりとゴマは砂糖と塩少しで味をつけて、ナマコ状ののし餅にします。
餅花(写真で餅の上に乗っている枝)も作ります。スーパーとかの正月飾りでよく見ますね。
正月明けに餅の部分だけ取って、油で揚げて塩をふって食べます。枝の独特の風味が餅に移っていて、おいしいです。
枝は父が山から採ってきます。何の木かは不明です。
岡山県日生(たべびと・たにわきちはるさん)
【餅の加熱方法】焼く。
【汁の味付け】すまし。昆布と煮干しで出しをとり、醤油やみりんを入れる、いわゆる出し汁です。
【具】日生のお雑煮はカキ入りです。煮込む過程で、カキや鶏肉のエキスが出てきて、いい案配になります。
島根県益田山側(Yuko matsunakaさん)
以前のお雑煮特集では、島根県(母の出身県)のものがなく、母に「島根県、ないで」と伝えると「お雑煮食べへんから」と言われ、愕然としました。
で、お正月に何を食べていたのか聞いたところ、この写真の料理を食べるとのこと。母(68歳)が子どものころに食べていたもので、焼いた丸餅、梅干し、裂いた干し柿を入れたお椀にお茶をかける、と言うものです。
ちなみに、元旦はこれで、2日以降は、焼いた餡ころ餅にお茶をかけて食べていたそうです。
「今はさすがに普通のお雑煮を食べているんちゃうかなぁ」と母は言っていますが、事実として、母にとってはこれがお正月のお決まりだったので、今朝は「いや~、久しぶりやわぁ」といそいそと美味しそうに食べていました。
現在は大阪府在住で、うちの「普通」のお雑煮は焼いた丸餅、昆布出し、醤油味に葉物、ニンジン、かまぼこ、煮しめたシイタケが入っています。
干し柿があまり好きではないので、私にとっては微妙な味でしたが、母の思い出の味を体験できてよかったです。この企画がなかったら、こういう会話もできていなかったと思うので、この企画にも大感謝です。ありがとうございました!
香川県中讃(いしまるさん)
香川県でお雑煮といえば、もう皆さんご存知のあん餅入りのお雑煮ですね。10年以上前は、あん入りかどうか聞いてくれたのに、最近は初期設定があん餅です。
本当はあん無しが好きなのですが…。
【餅の加熱方法】少し焼いてから鍋に入れます。
【汁の出し】いりこ。
【汁の味付け】白みそ。
【具】金時ニンジン、大根、ゴボウ、ホウレンソウ。
今年は母が黒豆を炊いてくれました。今朝母がぼそっと「黒豆余ったら天ぷらやな」。黒豆の天ぷら、美味です!
愛媛県松山(松山の坂本さん)
松山の坂本です。
お雑煮はおせちの残りが具になります。菜の花(菜の花の辛子和えの余り部分の葉っぱ)、京ニンジン(手綱なますの余り)、シイタケ(裏白シイタケの余り)、大根(ナマコ酢となますの余り)、そしてお餅は近所の人についてもらった丸餅をお出しにドボンです。
昆布出しにいりこ入り。シイタケの味がよーく出てました。ヒガシマルの薄口醤油です。以上。
福岡県久留米(豆津橋渡さん)
【餅の加熱方法】焼く。
【汁の出し】骨付き鶏、干しシイタケ、昆布、スルメ、いりこ。
【汁の味付け】塩。
【具】鶏、シイタケ、昆布、スルメ(以上出しガラ)、カツオ菜(必須)、かまぼこ、ニンジン、ゴボウなど。
大分(松山の坂本さん)
大分の人にお雑煮の写真を送ってもらいました。大分市内です。お母さんは滋賀から嫁に来てますが、大分風ということです。
具は水菜とかまぼこで、焼いたお餅。お餅の形は特にこだわりはなく、今年は四角いやつでした。
汁は醤油を薄めに。本当なら「いりこ出し」らしいけど。
長崎(あかさくらさん)
長崎県波佐見町在住です。
我が家は、例年通り、私の出身である埼玉県川越市(1月1日)と、妻が育った長崎市(1月2日)と、義父の出身地・長崎県島原市(1月3日)の3種類の雑煮を三が日で食べました。順番は年によって変わることがありますが、必ず3種を食べます。
埼玉雑煮は、なるとが比較的容易に入手できるようになったため、今回から入れて、より埼玉の雑煮の近くなりました。
【地域】埼玉県川越市(出身地)。
【餅の形】角。
【餅の加熱方法】焼く。
【汁の出し】カツオ。
【汁の味付け】醤油、酒。
【具】鶏肉、大根、ニンジン、サトイモ、三つ葉、なると。
【地域】長崎市(配偶者出身地)。
【餅の形】丸。
【餅の加熱方法】事前に煮る。
【汁の出し】焼きあご。
【汁の味付け】薄口醤油、酒。
【具】鶏肉、ブリ、大根、ニンジン、サトイモ、ゴボウ、レンコン、白菜(唐人菜代行)、かまぼこ(赤・緑2種)。
【備考】長崎雑煮は餅も入れて11種類以上の奇数の具を入れないといけない。9は苦につながるので不可。
【地域】長崎県島原市(義父出身地)。
【餅の形】丸。
【餅の加熱方法】そのまま。
【汁の出し】カツオ、昆布。
【汁の味付け】薄口醤油、酒、みりん。
【具】鶏肉、大根、ニンジン、サトイモ、削ぎ切りゴボウ、レンコン、白菜、高野豆腐、かまぼこ。
【備考】長崎も島原も一緒ですが菜は、若い人には名を上げるという意味で一番上に、歳を取った人には名を残すという意味で、菜を一番下に入れます。
全国15都道府県お雑煮めぐり(ちりとてちんさん)
銀座にある百貨店の「全国15都道府県お雑煮めぐり」というイベントに行って参りました。1月2日は、千葉県、京都府、鹿児島県、富山県、鳥取県のお雑煮でした。
県別にすまし汁、ぜんざい、白味噌が、キッチンでスタンバイしていました。
自分の胃袋と相談して、千葉県と鳥取県のお雑煮をいただききました。
白味噌雑煮で育ったので、千葉県のすまし仕立てと鳥取県のぜんざい仕立ては、とても新鮮に感じました。
ちなみに、ここで作られた千葉県雑煮の中身は、焼いた四角いお餅にはば海苔、三つ葉、大根。
鳥取県は、柔らかく煮た丸餅でした。
時間があれば、他の日も食べに行きたかったです。
邪道?(アン・パンチさん)
「かほく冷たい肉中華、焼きもち入り」は邪道?
[本稿は2015年1月9日に掲載した「列島あちこち 食べるぞB級ご当地グルメ 新春番外編 日本全国お雑煮図鑑2015」を基にしています]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。
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