検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

18年の大河『西郷どん』 鹿児島ブームに先乗りの旅

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

明治維新150周年の2018年を控えて、維新の原動力になった薩長土肥の旧各藩地域で観光熱が盛り上がりつつある。とりわけ、同年のNHK大河ドラマ『西郷(せご)どん』で西郷隆盛に光が当たることから、鹿児島県にはブームの兆しが見える。坂本龍馬が新婚旅行の地に選んだ鹿児島はパートナーと出掛けるカップル旅にもふさわしい。

もともと見どころの多い県だ。県庁所在地の鹿児島市は錦江湾を隔てて桜島の威容が目に入る。屈指の活火山がこれほど間近な都市もなかなかない。同県内の旺盛な火山活動は温泉という観光資源も生んだ。

砂に埋もれる特別な温泉体験

薩摩半島の最南端、指宿市にある指宿温泉は世界でも珍しい「砂むし温泉」で名高い。あおむけになった状態で、浴衣の上から砂をかけてもらう体験は、温泉好きなら一度は味わいたい。首から上を残して砂にすっかり埋まった姿は記念撮影にもってこいだ。

鹿児島県本土のほぼ中央部にある霧島温泉(霧島市)には名宿が多い。「忘れの里 雅叙苑」や「妙見石原荘」はJR九州の豪華寝台列車「ななつ星 in 九州」の宿泊先にも選ばれている。日本で初めてともいわれる新婚旅行で龍馬と妻・お龍も霧島に立ち寄った。天孫降臨神話にゆかりの霧島神宮は九州屈指のパワースポットとして人気が高い。

2015年には世界遺産が観光スポットに加わった。「明治日本の産業革命遺産」が世界文化遺産に登録され、日本初の西洋式工場群とされる、鹿児島市の「旧集成館」も世界遺産に仲間入り。幕末の1851年に薩摩藩主となった島津斉彬が主導して建設を進めた溶鉱炉や工場の総称だ。日本の近代化をリードした進取の気性がうかがえる。

今なお謎の多い西郷の実像

鹿児島市の市街地中心部にある城山は西郷の終焉(しゅうえん)の地。数あるゆかりの史跡のなかでも、城山のふもとにある軍服姿の西郷隆盛銅像は別格の重みを持つ。中腹にある西郷洞窟は狭苦しく、追い詰められた西郷の立場を物語るかのようだ。城山の小高い頂からは市街や桜島を一望できる。

市内の「西郷南洲顕彰館」では遺品や資料を通して足跡を紹介している。「敬天愛人」の言葉で知られる西郷の人柄にも触れることができる。

2018年の大河ドラマは作家・林真理子氏の小説『西郷どん!』を原作に、高視聴率ドラマ『ドクターX 外科医・大門未知子』で知られる中園ミホ氏が脚本を手掛ける。これまで常識とされてきた西郷像とは異なる描き方になるともいわれる。鹿児島を主な舞台にしたNHK大河ドラマは1990年の『翔ぶが如く』、2008年の『篤姫』に続く。

朝ドラで五代友厚に脚光

島津氏から徳川家に嫁いだ篤姫が好んで足を運んだという仙巌園(磯庭園)は鹿児島市内指折りの絶景スポット。薩摩藩主だった島津氏の別邸跡だけに、桜島と錦江湾を築山と池にそれぞれ見立てた借景は壮大だ。

同市内の「鹿児島市維新ふるさと館」では西郷と大久保利通をはじめとする維新の英雄たちのエピソードを解説している。NHK連続テレビ小説『あさが来た』で大阪経済界の父として描かれた明治時代の実業家、五代友厚の生誕地は広場として整備されたばかりだ。

鉄道好きにも鹿児島は見逃せない。JR九州の特急「指宿のたまて箱」(鹿児島中央―指宿)は竜宮城伝説にちなんで、煙に見立てた白い霧を吹き出す。観光列車「いさぶろう・しんぺい」(熊本―吉松)から望める霧島連山のパノラマは「日本3大車窓」と呼ばれる。第三セクターの肥薩おれんじ鉄道が運行する2両編成のレストラン観光列車「おれんじ食堂」(新八代―川内)は、地元食材をふんだんに使った「逸品メニュー」を提供する。

鹿児島市交通局が走らせている路面電車の市電は2012年に100周年を迎えた。レール周囲をほぼ緑化していて、様々な型式の車両が芝生の上を走るかのような写真が撮れる。

食のキーワードは「黒」

旅の楽しみである「食」の面で鹿児島が売り物にしているのは「黒」だ。黒豚をはじめ、黒毛和牛、黒さつま鶏、クロマグロ、黒糖焼酎、黒酢など、名前に黒が付く特産品が多い。黒系以外でも酢みそで食べる小魚のキビナゴや、さつまあげ、鹿児島ラーメンなどが名高い。自然薯(じねんじょ)から作る和菓子の「かるかん」、フルーツや豆類をカラフルに盛りつけたかき氷「白熊(しろくま)」は全国的に知られている。

焼酎の銘柄数で全国トップの「焼酎王国」だ。「森伊蔵」「魔王」「村尾」の通称「3M」のほかにも、通をうならせる銘柄がたくさんあり、蔵元巡りも楽しい。「海童」の濱田酒造、「さつま白波」の薩摩酒造なども工場見学を受け付けている。本坊酒造は鹿児島市内に設けた見学施設「GALLERIA HOMBO」で焼酎の歴史や製造のプロセスを案内している。試飲での味比べも楽しめる。

知覧特攻平和会館(南九州市)は第2次世界大戦末期に体当たり攻撃をした陸軍特別攻撃隊員の遺品や関係資料を展示している。当時の知覧飛行場が出撃基地であったことから、この地に建設された。特攻にも使われた陸軍一式戦闘機「隼」、同四式戦闘機「疾風」、海軍の特攻艇「震洋」を展示。震洋は小説『死の棘』を書いた作家・島尾敏雄が乗るはずだったことでも知られる。

次の自然遺産目指す「奄美・琉球」

沖縄県との間に点在する島々にも足を伸ばしたい。新たな世界自然遺産に名乗りを上げるのは、奄美大島や徳之島を含むエリア。西表島、沖縄本島北部を加えて「奄美・琉球」地域として2018年の登録を目指す。

絶滅が危惧されるアマミノクロウサギや、サンゴ礁、マングローブ林など、独特の生態系が残る「奄美群島国立公園」(仮称)も2017年に誕生する見込みだ。徳之島では全国でも珍しい闘牛の伝統が息づいている。

世界自然遺産の屋久島は東京23区とほぼ同じ面積がある。標高1000メートル超の高峰がいくつもそびえていて、亜熱帯から亜寒帯までの幅広い気候が島内に同居する。独自の植生は圧倒的で、縄文杉との対面は魂を揺さぶる。白谷雲水峡にある「苔(こけ)むす森」は映画『もののけ姫』の舞台のモデルとされる。

鉄砲伝来で有名な種子島は宇宙ロケットの打ち上げ基地がある点で特別な存在。種子島宇宙センターは見学も可能だ。

歴史のドラマを追体験

2011年3月に九州新幹線鹿児島ルートが全線開業し、博多方面からのアクセスが格段に改善した。以前は首都圏や関西圏からは鹿児島空港経由が便利だったが、近年は新幹線を使って複数県にまたがる旅を楽しむ人が増えているという。

江戸から遠く南に離れた薩摩の地で高まった倒幕の機運は維新の扉を押し開けた。その一方で、倒幕の立役者となりながら、日ならずして西南戦争を起こし、官軍に反旗を翻した西郷のドラマチックな生涯は作家や歴史家の興味をひき続けてきた。

西郷と大久保を軸に幕末・明治を見渡す、司馬遼太郎の歴史小説『翔ぶが如く』、西郷への鎮魂の思いがうかがえる『南洲残影』(江藤淳著)などを読んでおけば、18年に来るべき「西郷ブーム」を、また別の視点から眺められるだろう。

(写真は桜島を除いて鹿児島県観光連盟提供)

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

関連企業・業界

企業:

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_