売れない営業マンだった時代から、とにかく地道に動いた。前職で営業をしていたこともあって、飛び込み営業はお手のもの。来店を検討している人から電話をもらい、1時間以上店の前で待ち構えていたこともあった。
予定はぎっしりと詰めるが「あっぷあっぷの一歩手前がコツ」だそう。車検時など、顧客の急な来店を逃さないためだ。
車を売った後は顧客との接点が減る。車検もサービス担当が応じることが多い。しかし飯塚氏は「今から車検に行く、と電話がきたら予定をずらしてでも、できるだけ出迎える。車検はお客様と自然に車の話ができる絶好のチャンス」と語る。新型車の金融商品なども説明、買い替え時に客に選んでもらえる営業マンを目指す。
メルセデスは15年、16年ぶりに独フォルクスワーゲン(VW)を抜き輸入車1位になった。販売台数は6年連続で増加、飯塚氏の販売実績も9年連続でプラスだ。「ここまで来たら(東京で)1位を取りたい」と意欲をみせる。
(吉田楓)
いいづか・さとし 大学卒業後、複写機大手の営業を経て、2007年にヤナセ入社。ヤナセ新宿支店で独メルセデス・ベンツの販売を担当する。34歳。
[日経産業新聞2016年9月15日付]