ベンツ販売のエース 最初の30分が勝負「迷わせない」ヤナセ 飯塚智史さん

この営業スタイルが意外にも家族連れに受ける。高い買い物とあって、販売店には家族連れで車を見にくる人も多い。財布を握る妻や最後の一声をあげる子どもが飽きてしまう前に、車の魅力をとことんアピールするのだ。

こんなことがあった。国産セダンから乗り換えようとする家族連れに、「せっかくなので最近発売した『Eクラス』はどうか」と薦めてみた。ゴルフが趣味という夫の目が泳ぐ。妻に気を使った瞬間を見逃さなかった。「ゴルフに行くなら1回り小さい『Cクラス』で十分」「奥さん、助手席に乗ってみて下さい」と畳みかけた。

接客を始めて30分もすれば、家族の中で購入の主導権を握る「キーマン」が見えてくる。キーマンが気に入った車の長所をくまなく説明するのはもちろん、キーマンでない方も気遣う。妥協案を探すのも大切な仕事。業務の空き時間にカタログを読み込み、車体色やオプション装備といった提案の引き出しを増やす。

もう1つ、飯塚氏の強みはストイックな姿勢だ。「手帳は真っ黒に、スランプを作らない」をモットーに日々積み重ねを怠らない。少しでも空きがあれば予定にないテレアポなどをするようにしている。

1日の仕事が終わって元気があればもう一件、顧客の家へポスティングに行く。「たった1件だが、1年やれば約200件。次の年につながる大きな種まきだ」と強調する。

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