N
働き方・学び方
職場の知恵

スキャナー大手、自らお手本 ペーパーレスの進め方石川のPFU、ルール決め1000万枚以上削減

2016/1/19

職場の知恵

空いたスペースを社員の意識向上のため活用(横浜市)
空いたスペースを社員の意識向上のため活用(横浜市)

業務用スキャナー大手のPFU(石川県かほく市)は、抜本的なペーパーレスに取り組んでいる。文書の保存や保管に関する明確なルールを決め、すでに1000万枚以上紙の文書を削減。改正電子帳簿保存法や税と社会保障の共通番号(マイナンバー)で電子保存の対象が広がるなか、培ったノウハウと組み合わせてスキャナーの販売拡大につなげる。

横浜市のみなとみらいにある横浜本社の業務フロアは、書庫や戸棚がほぼないため見通しよく開放感がある。紙の資料が山積みになっている机はなく、机の上に紙を広げている社員も少ない。川崎市と町田市の拠点が統合して2014年10月に稼働した同本社でのペーパーレスの取り組みを見たいと、1万人以上が視察に訪れている。

以前は大量の文書を保存していたというが、移転を機に各部署が保存している文書のリストを作成。それぞれの文書について「年に1度は閲覧するか」といった○×で答えられる4問のチェックリストに回答すると、「捨てる」「電子化して捨てる」などの対応方法がわかる仕組みにした。

契約書といった公的な文書は専門のシステムでデータを管理している。単語検索ができるため「資料を探す時間が大幅に減った」(担当者)。文書の重要度ごとに保管する期間も明示し、期限を迎えるとデータや原本を削除する。年に1~2回は書類を保管する場所を点検し、以前より増えていないか、増えた場合は適正なのかも調べる。

同社によると、ペーパーレスが進んでいる企業でも、社員1人当たりの文書を重ねると高さが2メートル程度になる。これに対し同社は「約13センチメートル」(担当者)と極めて少ない。削減で860平方メートルの余剰スペースが生まれ、社員が集まって相談したり、くつろいだりするスペースを4カ所設けた。

こうした自社でのペーパーレスの取り組みをスキャナー拡販につなげる。文書保管のルール作りやデータ管理の仕方といった部分から顧客ごとに対応し、最適なシステムを提案する。データ管理に不可欠なセキュリティー対策でも新技術を開発しており、安全安心な業務環境を提供する。

改正電子帳簿保存法の施行で、税務調査時の証拠となる契約書や領収書は画像データとして保存すれば、原本を廃棄できるようになった。マイナンバー制度では情報管理の強化などが求められ、スキャナーや情報管理の需要拡大が期待できる。

PFUでは石川県の本社でも今夏にかけてペーパーレスに取り組み、文書削減を進める。ノウハウをさらに蓄積し、スキャナーの拡販を狙う。18年3月期には15年3月期比約8%増の売上高1500億円、営業利益率7%の達成を目指す。

注目記事