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訪日客売り上げ全国トップ

眼鏡専門店「Zoff」を展開するインターメスティック(東京・港)にとって訪日客(インバウンド)は重要な成長エンジンだ。原宿店に勤めるアサモア・ダニエル・アサレさん(25)はインバウンド向けの売り上げ成績で社内トップを走る。両親はガーナ人だが本人は生まれも育ちも日本。見た目で話しかけられることも多いが、その利点に頼らない緻密な接客で顧客の心をつかんでいる。

「いや、やっぱり最初のフレームの方がお似合いですよ」。Zoff Park原宿店(東京・渋谷)に、訪日客に笑顔で接するダニエルさんの姿がある。7月、オーストラリアから来た30代女性のフレーム選びを手伝っていた。女性客は眼鏡を買い、満足げに店を出た。

「日本には旅行でいらしたんですか?」。第一声は絶対にこれだ。日本に住んでいる外国人と旅行で一時的に滞在している人を区別する。旅行で来ている人は店舗に滞在できる時間が限られるからだ。ダニエルさんは「いきなり国籍を尋ねるのはご法度。身構えられる」と言う。

最初は日本語で話しかけるのも彼のルールだ。昨年10月から原宿店に勤務し、当初は外国人らしい客に英語で話しかけていた。しかしある時「見た目で人を判断するな」と怒られた。訪日客には日本語を勉強しているとか、日本語を話したくて来ている人もいる。ダニエルさんは「自分は英語で話しかけられるのは慣れっこですが、気にする人もいる」と思い直した。

「Zoffのご利用は初めてですか?」「メガネはどんな使い方をされますか?」。これらの基礎事項も確認する。レンズ代込みで示す価格体系や、最短30分で仕上げるのは日本独特のサービスだ。初めての客には時間をかけて説明する必要がある。度付きサングラスや遠近両用レンズなど、即日手渡しができない商品もある。

次の段階でようやく「どの国の人か」を聞く。国や地域によって薦めるポイントは異なる。中国人には日本製の高価格帯フレーム、台湾人なら「乱視矯正の追加料金なし」を推す。客がフレームを試着した際には「似合う」「似合わない」をはっきり伝えるようにしている。日本流の控えめな物言いは好まれないという。

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