変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック

北海道「余市」のアクセントで味わった挫折

北海道出身の若い友人がしみじみ語ったことを思い出す。

友人:「大学進学で上京して以来、何百回となく『出身地はどこ?』を聞かれました。会話のきっかけとして『出身地』ほどお手軽な話題はありませんからね。で、私は『北海道の、余市です』と答えました」
私:「余市はいいねえ。ウイスキーでも宇宙飛行士の毛利さんでもおなじみだから、話が広がって」
友人:「私いま、梶原さんに『《よ》いち』(※本文中、高く発音する文字を《 》でくくりました)と、東京風に頭高(あたまだか)アクセントで言いましたよね」
私:「実際、君の故郷は、余市だからね」
(写真:PIXTA)

(写真:PIXTA)

友人:「実は、余市では余市のことを『よいち』と平板(へいばん)に発音するんです」
私:「えー!? よ・い・ち、と平板に!…… うーん…… それだとウイスキーの香りは漂わないねえ。『よいち、ってどこそれ?』って感じは、正直、するなあ。よいちあさがけ?」
友人:「それをいうなら夜討ち朝駆け……って、やめてください! そういうふうにからかう、心ない人、むかつくんです!(怒)」
私:「こういうやり取りが、2度や3度なら笑い話かもしれないが、何度も同じ反応されたら、そりゃあ、うんざりだよねえ……」
友人:「もう、抵抗するのがばかばかしくなって、上京半年で、故郷のプライドも、父や母の思いも断ち切って、僕は『《よ》いち』と東京風アクセントで言うようにしました。人生で最初に味わった挫折が、この余市アクセント問題でした……」

こんな「余市くん」の抱える「深刻な悩み」を解決する特効薬が現れた! それが『NHK日本語発音アクセント新辞典』で初めて採用された「地元放送局アクセント」という記載だ。

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedo日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック