「干物の背開き」は高知「身を上に盛る」は関西、九州
干物(8)
干物(1)で登場した「鮭とばイチロー」が手元に届いた。函館に行った三林京子隊長に送っていただいたものである。
隊長は私が新聞で紹介した「かね久 山田」で津軽そばを食べたそうである。何杯召し上がったのかというような詳しいことは何も知らない。知ってても言えない。
デスク関心 おかわりしてかつ体重減らす「根性のダイエット」は見習いたいものです。
干物に関するもうひとつの論点。
うちも干物は夜のおかずです。立派な主菜ですよ。なんといっても岬アジですから。松山空港では、お土産コーナーで1匹780円で売られてました。
干物を食卓に出すときは、皮が上のことが多いです。さりげなくだんなが骨をとってみんなに分配してくれます(にゃんちゃん)
確か高知からのメールも「アジは背開き」であった。愛媛もそうだとすると四国背開き説が浮上する。VOTEするべ。
ここでベトナムのするめ登場。
見ると、干す台の形まで日本とそっくりなのですが、これって日本のするめがベトナムに伝えられたものなのでしょうか。実際、日本が輸入するするめのかなりの部分がベトナム産ということなので、日本の商社などが指導したのかもしれませんね(みんみん♂さん)
そう、干物干物といっているが、一体どこで製造されたのかよくわからないものもある。ベトナムのするめ、私も日本の商社の影を感じる。
事情があって、これから紹介するメールは要約のみ。
福島の「吾妻の尺岩魚」さんから「ホッケの皮はうまい。食べるもんだ」とのご意見。
浜松の「Martin」さんからは、私がシシャモにかけたマヨの形状に関して「マヨは直接シシャモにかけてはいかん。間違っとる。皿の隅にとぐろ状のマヨを置き、付けながら食べるもんだ」とのご指摘をいただいた。私はふだんからシシャモにマヨの習慣がないので、あんなことをしたのである。いけなかった?
「落石注意」の標識は「落ちてくる石にも注意しろだが、すでに落ちて道をふさいでいる石に注意の意味なんだよ」というメールが「干物はあんまり食べません~」さんと高野さんから。あら、そうだったの?
「なるほどですねー」は福岡方言であるという私の中年の主張について「apple-a」さんから「熊本もそうだよ。それと『あっております』という自覚されない方言もあるよ」。「あっております」は久留米でも言う。「やっている」「開催中」などの意味。私の母は「いまテレビで相撲がありよる」という言い方もする。
中村さんお尋ねの名古屋・オリエンタルジュースの入手方法に関して「土岐市のインターすぐにある『若人の丘』の自販機はオリエンタルのものだけ。でもそこまで行ける?」(じろまるいずみさん)、「名古屋市内で2カ所知っているけど、オリエンタルカレーのHPで買う方が簡単。箱買いですけど」(西荻の怒髪天娘さん)とのことであった。
では最後にVOTE結果。簡単に紹介する。
アジの干物は腹開きか背開きか。背開き説が最初に入ってきた高知がやはり背開き王国であった。背開きが「非常に多い」と「優勢」を合わせると68%。隣の愛媛も背開き率が高い。
だが、あとは背開きと腹開きが混在していてどこがどうと言い切るのは難しい。ざっくり言えば、全国的には腹開きが多いが背開きも混じっている。いまでは流通が発達していて全国各地に全国各地の干物が行くし、外国からも入ってくるので地域差が消されているようである。
ただやはり高知は地元産が多いのか、背開きが主流である。
干物は皮を上にして食べるか、それとも身か。
100%「身が上」だったのは宮崎、大分、大阪、兵庫。それに岡山、愛媛、三重、和歌山が続く。全域ではないが関西、九州では圧倒的に身が上のようである。
逆に「皮が上」という回答が過半数を占めたのは岩手のみ。
こうしてみると身を上にして食べる人が多数派といえる。しかし皮から食べても警察はこない。
いけねえーっ! 次のテーマ考えてなかった。何にしよう何にしよう。えーい、「珍パン迷パンご当地パン」でいく。要するに、びっくりしたパンとか面白いと思ったパンの話。過去にあったメロンパンのことなんかとダブってもOK。エミー隊員も「パン好きです」と言っているのでやってみよう。それでは!
(特任編集委員 野瀬泰申)
[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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