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旅行代理店など200社、足で開拓

ワンダーテーブル(東京・新宿)が運営する、しゃぶしゃぶ店「鍋ぞう」などの店には多くの訪日外国人(インバウンド)が訪ねてくる。営業第1部のアシスタントマネジャー関川謙二氏(52)は「インバウンド」という言葉がもてはやされるはるか前から外国人の誘致に尽力してきた。泥臭く足を運ぶ営業方法で、旅行代理店など200社を開拓。年間30万人近くのインバウンドを取り込む同社の下地を作った。

関川さんがインバウンドの誘致に力を入れ始めたのは約15年前。当時、店を訪れる外国人の数は年間で1万人に満たなかった。1日当たりわずか30人弱。だが、関川さんはそこに目をつけた。「営業をすればもっと来てくれるのではないか」

とはいえ、インバウンドに直接営業をかける方法はない。一度自分の店を使ってくれた旅行代理店などへの挨拶まわりと、旅行会社の新規開拓に明け暮れた。

国内の旅行代理店などに直接足を運ぶ毎日。年間でおよそ100社。大手はもちろん名の知られていない会社にも愚直に営業をかけた。海外の旅行会社にはファクスを送る。その数200社。それだけアプローチしても実を結ぶのは「1割あれば良い方」だった。

当時はまだインバウンド対応についての経験も知識も乏しく、営業方法はひたすら「うちで食事をしてください」と頼み込むだけ。だが関川さんの営業の真骨頂は店での対応にあった。

旅行代理店が食事の場所を決定する昔とは違い、現在はインバウンドの団体を引率するガイドが個人的に旅行中の食事場所を決めることが多い。そこで関川さんはガイドとの信頼関係づくりに動いた。

団体を率いて食事に訪れたガイドに、ねぎらいの言葉をかけるのは当たり前。ガイドの愚痴を聞いたり、ガイドの代わりに客に頭を下げてもめ事を解決したりしてガイドの負担を減らすことに注力した。「結局は人対人の付き合い。泥臭く信頼関係を作るのが大切だ」と関川さんは語る。

一度できた信頼関係は簡単には壊れない。現在、営業先としてリストにある、国内外400社の旅行代理店のうち半分は関川さんが営業を始めた15年前から関係が続く。

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