西日本B-1グランプリ 対馬とんちゃん部隊に栄冠
大分県の南端、宮崎県と境を接する漁業のまち・佐伯市。11月19日(土)、20日(日)の2日間、人口約7万人の同市に、9万8000人も人が集まり「西日本B-1グランプリin佐伯」が開催された。
瀬戸内海と太平洋の境・豊後水道は、日本でも有数の優れた漁場だ。魚のおいしさは群を抜く。
そんな佐伯の名物はごまだし。かまぼこの原材料になるエソなどの魚を焼いて、ゴマと一緒にすりつぶしてしょうゆなどで調味する、佐伯ならではの調味料だ。佐伯ごまだしうどん大作戦は、ごまだしが入った「佐伯ごまだしうどん」を旗印にB-1グランプリに出展、食によるまちおこしに取り組む。
今回そんな佐伯に、西日本の19のまちおこし団体が東日本からのゲスト4団体とともに集結、まちおこしへの取り組みを競った。各団体とも趣向を凝らし、わがまちの魅力をアピールした。
同じく大分県内の日田やきそば研究会は、5位入賞。地元の子どもたちが大挙して佐伯を訪れ、かわいらしいパフォーマンスを披露した。一度焼き固めた麺をほぐす独特の調理法が生み出す、日田やきそばのしゃきしゃきぱりぱりの食感も魅力だ。
福岡県の筑豊からやってきた田川ホルモン喰楽歩(クラブ)は、シルバーグランプリを獲得。サーチライト付きのヘルメット姿で、炭鉱動労者たちのスタミナ源、脂がたっぷりついた田川ホルモン鍋を提供した。あいさつは「ご安全に」だ。
鳥取とうふちくわ総研は、ご当地グルメのとうふちくわにサインペンのキャップで穴を開けた「とうふるーと」で知られる。美しい音色を奏でるだけでなく、最後はおいしく食べてしまう。
そんな中から、来場者の箸の投票でゴールドグランプリに輝いたのは対馬とんちゃん部隊。
離島の対馬でまちおこしに取り組むミリタリールックの集団は、全国大会でも2012年の北九州大会、昨年の十和田大会でシルバーグランプリ受賞の経験を持つ実力派集団だ。
隊列を組んで「佐伯を盛り上げよう!」と声を合わせて走るパフォーマンスで大いに会場を沸かせた。ほかにあかし玉子焼ひろめ隊(兵庫県)がブロンズグランプリを受賞。今治焼豚玉子飯世界普及委員会(愛媛県)が4位入賞を果たした。
地元も、高校生や中学生を中心に多くのボランティアがゴミ拾い、観光案内などに活躍。来場者をもてなした。
寂しくなっていたアーケード街が久々に人で埋まるなど、各地で中心市街地活性化の原動力になっているB-1グランプリ。12月3日(土)4日(日)には「2016B-1グランプリスペシャルin東京・臨海副都心」も開催される。
(渡辺智哉)
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