メロンパンに別名があった キングパン、コッペパン…
珍パン迷パンご当地パン(3)
干物の項で「鮭とばイチロー 」が登場した折、「今度、鳥羽一郎さんに会うので、鮭とばイチローについて知っているかどうか聞いてみる」と書いた。そして昨日、鳥羽さんに会った。
「鳥羽さん、鮭とばイチローってのを北海道で売ってるんですけど、知ってました?」
「うん、知ってる知ってる。羅臼の会社から名前使わせてくれって言ってきたから、いいよって言ったんだ。でもほかにいろいろ出回ってるみたいだね。あのね、羅臼のやつは天日干しでうまいんだ。買うなら羅臼のにして」
ということであった。そんで、
「鳥羽さんに直接聞いたってことを読者に知ってもらうために写真撮りたいんですが、いいですか」
と言った途端、鳥羽さんは、
「よし行こう」
私の背中を押して飲み会が開かれていた部屋の外に連れ出し、
「さあ撮ってよ」
私のカメラを近くにいた人に預け、肩をしっかり抱いてポーズを決めたのだった。こうして私まで一緒に写ってしまった。
さて、メールを紹介しよう。まずはメロンパン問題。
愛媛らしいなと思ったのは、息子の給食に出てくるパンです。ひめ麦パン、みかんパン、ひじきパンetc、給食はすごいことになってますね。ご当地パンの宝庫なんじゃないでしょうか。おいしい?ってきくと、口ごもりますが…(にゃんちゃん)
松山にもサンライズがある。関西、中国、四国をつなぐ瀬戸内海がサンライズの回廊か。
かつて私は岐阜県の真正町(現在は本巣市)にマクワウリの取材に行ったことがある。旧真桑村と弾正村が合併して誕生したのが真正町。旧真桑村こそマクワウリのふるさとで、そこの1ヘクタールほどの保存畑でどうにか命脈を保っているマクワウリを見た。あれからどうなったのだろうか。
東京などではコッペパンのことをメロンパン、関西ではサンライズという商品名で呼んでいるということを「メロンパンとサンライズ」で書かれていたと思いますが、山口の一部でも同じように呼ばれているようです。
呉のメロンパンという店には中に「カステラ+イチゴジャム」の入ったパンが存在する。なぜか「平和パン」と呼ぶ。パンの中にカステラ?など邪道?と思うが結構うまい。
高知県だったか帽子パンというパンがあるらしい。一度食べてみたいと思ってから何年もたつがいまだに食べていない(HAMAN@広島さん)
その高知のパンについて。
これが高知だけのパンだということを知ったのは、大学に入ってからで す。久しぶりに食べたくなりましたが、地元は遠いです(うつぼさん)
本当に帽子みたい。かわいいな。
で、いわゆるメロンパンは呉を中心とする広島県では「コッペパン」と呼ばれている。
では、いわゆるコッペパンは何と呼ばれるかというと「給食のパン」である。呉にある「メロンパン」という店で出すメロンパンはラグビーボール型のものである。
工場兼店舗の本店も販売のみの支店もいたってシンプルな店構え。何でも外見より中身重視が歴代店主のポリシーだそう。創業昭和11年から変わらぬ昭和の香りがそこはかとなく漂います。
常連には出来損ないのパンのおまけもうれしいサービスです。呉市民はここメロンパンのおかげで大きくなりました(おむすびしるこさん)
創業昭和11年。老舗である。この店は戦前からラグビーボール型メロンパンを製造してきた。私はこれが祖形ではないかと思っている。
東嶋和子著『メロンパンの真実』は昭和6年に実用新案が登録された三代川菊治名義の「パン生地をコーヒーやバナナ風味のケーキ生地で薄く覆ったもの」をメロンパンの元祖としているが、著者も書いているように、それが「メロンパン」として製造販売された記録はない。
確かに実用新案ではあった。しかしこのパンが本当に製造されたのかアイデアだけで終わったのか、残念ながらそこのところが不明なのである。
デスク乱入 近所のベーカリーでクリーム入りメロンパンとチョコメロンパン、お茶メロンパン、いちごメロンパンを見つけました。コーヒーやバナナがありならいちごやお茶も正しい「メロンパン」の一種ということですね。ちなみに、同店の看板メニューは薄皮まんじゅうのようなあんパン。ほとんどあんこです。店主は名古屋出身か?
メロンパンに別名があった?
現在、北九州市門司区ではメロンパンに似ているような似ていないようなキングパンを売っているパン屋さんがあるようだが、山田さんはそれではなく、いわゆるメロンパンをかつてキングパンと呼んでいたというのである。しかも北九州市、中でも門司周辺限定の呼称であったらしい。
私はキングパンを知らない。子ども時代の「キング」といえば雑誌の「少年キング」であった。付録が良かったなあ。
デスクあぜん 1982年休刊ですよ。古すぎ。ちなみに最終号の表紙は松田聖子だそうです。聖子ちゃんカットです。
彼女も久留米出身。どうでもいいけど。
(特任編集委員 野瀬泰申)
[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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