これが組織全体で連鎖していくと、各階層で優秀な人が出世する→次についたポジションで「使えない人」になる→組織の各階層が「使えない人」だらけになる、という不都合が起きてしまいます。そのため、上のポジションで活躍できる能力を示さない限り、出世させないというのが解決方法の1つになるわけです。
仕事のレベルが上がれば、それまでのやり方を続けていると、途中で行き詰まることもあるでしょう。ごくシンプルに言うと、現場レベルの仕事は、自分の手を動かすこと、上のレベルの仕事は、人を動かすことです。
たとえば、引き受けた仕事ができなかったとき、つまり新しく目の前に現れた山に登れなかったときに、「1つ前のレベルの山は登れた」ことに気づきます。こうして初めて、自分が登れる山の高さの限界を知ることができるのです。
仕事を抱え込む人は、山が高くなれば、登り方そのものを変える必要、つまり仕事を手放す必要があるということに気がついていないため、次のレベルの山も(これまでの働き方で)きっと登れると思いながらも、今の仕事で手一杯なことを理由に実際には登ろうともしていません。
それでいながら、「今は仕事が詰まっていてできませんが、やらせてもらえればできます」と言われても、そんな人に大きな仕事を任せることなどできません。「本気になったらすごい」と言う人が、本当にできるかどうかは疑問が残るからです。
そのような人たちには、「それって自分の仕事を『振れ』ということだよ」と言いたくなります。
振れない人には8つの特徴がある
振る側は、結果や成果を求めますが、どのように進めるかはお任せということが多いでしょう。少し乱暴ではありますが、相手がどのようにやろうと、そのプロセスはどうでもよかったりします。なぜなら、本来的に仕事は結果がすべてだからです。
振る側がプロセスを見たいと考えるケースが、例外として2パターンあります。
1つ目は、振られた人がその仕事をできない可能性があると考えるとき。「この仕事、お願いね」と振りつつ、「その都度、進捗を教えて」と言うのは、プロセスを管理しないと不安だから、また育成をしないといけないという思いがあるからです。