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年800着スーツ売るパート女性 「爆買い」瞬時に制す 青山商事 于萍さん

2016/11/7

■販売数・単価平均の1.5倍

 ギネスブックで「スーツ販売数世界一」と登録された業界最大手の青山商事。支えるのは各店舗の最前線で働く販売員だ。都心旗艦店の銀座本店で働く于萍氏(34)の2015年度の販売数は約800着と販売員平均の1.5倍で、全店で2位の実績を誇る。肩書こそパートだが中国語を生かした「おもてなし」の接客が顧客の心をつかむ。

 外資系の高級宝飾店が集まる中央通り沿い。その並びにある青山商事の銀座本店で、4月上旬、観光で来た中国人男性(31)の首や胸回りを手際よく採寸する于氏の姿があった。

 「東京は初めて?」「スーツは毎日着るの?」。中国語で雑談を交え、スーツのニーズを巧みに聞き出す。「中国ではこんなに熱心に話しかけてくれないね」。男性は終始笑顔で店を後にした。

 于氏の強みは何よりこうした中国人客の相手ができることだ。同店は銀座という立地から外国人観光客が多く、免税売り上げが3割と全店で最も高い。団体客を相手にすることで、于氏の中国人向け売り上げは8割と群を抜く。同社は社員とパートを合わせた全7300人の販売員が年220万着のスーツを売る。于氏のスーツ販売数は平均の1.5倍だ。

 観光客は団体ツアーの一環でガイドとともに来店することが多い。バスの出発時間が決められており、店内の滞在は1時間ほどに限られる。とにかく効率的よく迅速に接客できるかが勝負だ。そのために走りながら次々と採寸。求める柄や素材などはこまめにメモを取り、同じ質問を繰り返さないよう配慮する。

 特に重視するのは、説明よりもまずは着てもらうこと。そこで手に取るのは、中国人が好むゆったり目で、無地などシンプルな柄だ。また中国人は予算よりも着心地を重視するため、生地の品質が高い高価格帯ブランドの「サビルロウ」「ヒルトン」を自然に勧めやすい。

 「売り上げは意識しない」が于氏のスーツ1着当たりの販売価格は平均4万2千円と、他の販売員より5割も高い。「青山と同品質のスーツを中国で買えば価格は倍以上する」のも販売単価を押し上げている。友人らへの贈答としてシャツなどの「爆買い」需要も増しており、シャツやネクタイ、靴も合わせた販売数は1人で年1万点にも及ぶ。

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