伝説の大盛かつ丼復活 ラーメンと一緒に会津で肉三昧
福島ご当地グルメでお腹いっぱい(2)
海側から浜通り、中通りと続き、福島県で最も山間に位置するのが会津地方だ。近年は、かつ丼やラーメンが「ご当地グルメ」として人気が高い。
ラーメンのまちとして知られる喜多方市。そのルーツは大正末期、中国からわたってきた青年が、屋台でラーメンを提供したのがはじまりという。調理のノウハウが地元の食堂に受け継がれ、それが人々の生活根付いていく。
元々醸造の町だっただけに、味付けはしょうゆが基本。だしは店ごとそれぞれだ。麺は太く平たく、縮れているのが特徴で、コシが強くモチモチとした食感になる。
名物は「朝ラー」と「チャーシュー麺」。喜多方では朝食にラーメンを食べる。さっぱりした醤油味のスープが多く、朝から食べても、おいしく食べられるのだ。
そして麺が見えないほどに肉が敷きつめられたチャーシュー麺。肉好きならぜひ食べたいメニューだ。
肉好きなら隣接する会津若松のかつ丼も要注目だ。長野県や福井県と同様、卵とじではなくソースかつ丼が一般的だ。しかも、ボリュームが凄い。
由来ははっきりしないそうだが、ご飯の上に千切りキャベツを敷きつめ、その上にソースに浸された大きなとんかつが鎮座する。
特に高い人気を誇ったのが「お食事処むらい」のかつ丼。写真を見ていただければわかるように、あまりの盛りの良さにかつを丼のふたに一時待避させないと食べ始められない。食べきれない人も多かったようで、店内には持ち帰り用のパックも用意されていた。
国道の拡幅に伴い閉店していたが、今月、復活を望む多くの声に応えてリニューアルオープンした。
会津若松はもちろんのこと、実は隣接する喜多方でも同様のかつ丼が味わえる。ラーメンの人気店「まこと食堂」では、ソースかつ丼だけでなく「煮込みかつ丼」と呼ばれる卵とじのかつどんも合わせて提供する。しかも味噌汁ではなく、ラーメンスープ付きというのが興味深い。
ぜひ、おなかをすかせて会津へ旅に出よう。
(渡辺智哉)
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