変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック

伊藤忠商事の室伏稔社長(当時)に手紙を出す。

小売業の最大の強みは消費者への近さです。この強みを持つ小売業がいずれ川上の製造業に対して力を持つはずだと直感しました。「商社はもっと小売りビジネスに関与すべきだ」――。この思いをどうしても抑えきれませんでした。

1995年12月だったと思います。室伏社長の秘書をしていた星野アキラさんにこのことを伝えると「一度、社長に手紙にして出してみてはどうか」とアドバイスをくれました。

すぐに行動を起こしました。パソコンに向かい「リーテイル戦略―ITCの収益構造の抜本的改革へのチャレンジ」と題したリポートを書き上げ、12月27日に室伏社長の元に届けました。ITCとは伊藤忠商事のことです。

思いはきちんと社長に伝わり、プロジェクトが動き出す。

室伏社長(当時)に流通への本格参画を訴えた手紙の写し

室伏社長(当時)に流通への本格参画を訴えた手紙の写し

年が明けて仕事始めの1月4日のことです。社長の年頭挨拶がありました。その中で社長がこう言ったのです。「今年、特に私が強調したいのは、リテール関連事業への思い切った参画による収益拡大だ」

飛び上がりそうになりました。「室伏さん、言ったなあ」と。社長の言葉ですから、それはコミットメントです。僕のハートに火が付きました。そして年頭挨拶から数日後、今度は具体的な戦略をリポートにまとめて再び室伏社長に提出しました。

小売りに関心のありそうな同僚たちには「社長が言っているんだから、一緒にやろう」と声をかけてまわりました。人が集まると上司の了解を取りつけて専門部隊の立ち上げ準備に動き出しました。

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedo日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック