ラーメン、かつ、ゆで卵…にマヨネーズ おひたしにも
マヨネーズ(1)
3連続土日出張の第3弾の目的地が房総半島のほぼ南端にある千葉県館山市だった。天気予報ではぐずつくようなことを言っていたから雨を覚悟していたのに、朝になってみればいい天気。
このサイトで以前話題になった鯨料理が館山では健在だった。「つち鯨」というやつが原料らしいが、私はそんな鯨と名刺交換したことがないので顔も知らない。
「鯨のたれ」はお土産の定番であり、飲み屋にも普通にあった。私は市内の某飲食店で食べた。そのときの写真を掲載する。あぶって細かくちぎりマヨで食べる。懐かしい滋味が濃厚に漂った。
一緒に頼んだ「ダルマイカ」の刺し身。ダルマイカとは会ったことないので顔を知らないが、甘くてうまかった。
魚のハンバーグの異名を持つ房総名物の「さんが」も美味だった。魚を味噌やネギやなんかと一緒にたたいたものが「なめろう」。それを焼いたのが「さんが」なのだそうだ。JIROMALいずみさん、そうですよね。違います?
この店は確かにいいものを出すのだが、子ども連れや食べ残す人やなんかは即刻退場みたいな張り紙はあるし、客1人あたり「ビール2本焼酎2合酒2合まで」なんて制限もある。特に食べ残す客は即刻退場というのは言い過ぎではないかと思った。もうキャーって感じ。
駅前の売店には「くじら弁当」が置いてあり、たまたま立ち寄った地元漁師さんたちの持ち寄り物産店にも「鯨のしぐれ煮」や「鯨の角煮」なんかを売っていた。私はしぐれ煮の方をお土産に買って帰ったのだが、家族で食べるのは私ひとりである。理由不明。
今回からマヨネーズがテーマだが、いつものこととはいえ前回のテーマに関するメールが大半で、マヨ直撃メールは僅少。どうしたらいいの?
仕方ない。ぼちぼちやりますか。
当然、私も子供にこの食べ方で食べさせてます。ホウレン草のわずかな青臭さ(えぐみ?)とマヨネーズがよく合う(と私は思う)んです!!(たまのすけさん)
たまのすけさんと一緒に暮らしてなくてよかったーって感じ。
それより、ほらデスク。たまのすけさんは40歳で自分のことを「オジサン」て呼んでるよ。いつまでも無駄な抵抗をするのはやめて、エミー隊員に「デスクのおじさん」と呼ばせてあげなさい。早く楽になりなさいってば。
デスクしゅん 医者に「もう若くないんだから」って言われてしまいました。
何を隠そう、私は大阪勤務時代にマヨネーズラーメンを複数回食べています。食べたかったからではありません。路線上、食べておく必要があると思ったからです。その店には醤油マヨと並んで「マヨカレーラーメン」がありました。「鮭マヨチャーハン」に「マヨ明太チャーハン」も存在しました。思い出すだけで頭がクラクラします。
このことは拙著『秘伝「たこ焼きの踊り食い」』の「天ぷらマヨネーズ金魚添え」の章で書いています。読み返して思い出したのですが、マヨラーメンを食べた翌日、上司との雑談でそのことを話したら「ちゃんと生きろ」と説教されました。
冒険する食卓。先週に続き、この方。
パンにはさまず、ヨーグルトを足して器に入れオーブンで焼くと、ほらフルーツグラタン。
ジャムは酸味のあるブルーベリーとかラズベリーとかが合いますね。ジャムがないからって、お砂糖で作るとなぜかマヨの酸味と卵っぽさがゆらゆらと現れ、おいしくないのでお気をつけあれ……いつもいつもこんなことしてるわけじゃないんですが、おもしろいので、ご紹介まで(新潟市の矢作ちかぶーさん)
意表を突く組み合わせです。常識にとらわれず斬新なメニューを考案しておられる姿に感心します。
前回も味噌汁にポテトチップ、揚げせんべいにコーンの缶詰めを入れておられる姿に感動しました。でも「真似してみよう」とは言い出せない私です。
デスク同感 私も言い出せません。
と書いたら、フルーツにマヨは彼の地にあっては普通のものらしい。前回、上海リポートを送ってくださった日野みどりさんから、今週は香港リポート。
自分で買うことはありませんでしたが、学食&大衆食堂メニューの定番に「雑果沙律(フルーツサラダ)」「雑菜沙律(野菜サラダ)」があり、これが甘いマヨネーズ仕立てでした。フルーツサラダは缶詰のフルーツカクテルを中心に、また野菜サラダはキュウリ、セロリ、ニンジンなどの大きな角切りをマヨネーズたっぷりでとろっとろに和えたものです。
このサラダとポークチョップやチキンの腿揚げを盛り合わせるメニューもあり、よく食べました。マネじゃないけど、まさしく美(B)級グルメの思い出です。
こんどやってみよう。
おっと、マヨラー出現。
しめ鯖につけたときはさすがに失敗したような気がしましたが、白身魚の刺身は意外にグッドです。ブイヤベースにアイオリ(ニンニクマヨネーズ)を垂らして食べるくらいですから、味噌汁・鍋物にも当然いけるはずです。残された未開拓分野は奴豆腐に漬物あたりでしょうかね。
市販品にも満足していますが、たまに入った洋食屋なんかで美味しい手作りに遭遇すると、年甲斐もなくウルウルする今日このごろです(亡命名古屋人さん)
ホウレン草のお浸しを除く野菜にマヨはわかります。ハム・ソーセージもわかります。特に魚肉ソーセージは同量のマヨで食べなければならないという法律があるくらいですからいいでしょう。お好み焼き、ゆで卵にマヨも順当でしょう。
だがしかし、トンカツはいかがなものか。魚のフライは大丈夫か。ご飯にマヨは人間としてどうなのか。白身魚にマヨに対して警察は黙っているだろうか。鍋物にマヨで東京地検特捜部は動かないだろうか。
デスク乱入 フライものはマヨではなく、タルタルソースではないですか? ならば理解できます。白身魚のフライや牡蠣フライとかね。でもから揚げは抵抗あるな。
エミー隊員が突然「私、ケチャッパーなんです」と自供した。そうだったのか。
非マヨラーでもこんな行動。
チャブニチュードで思い出した。先日、チャブの取材にエミー隊員と、自らおじさんと認めることに対して頑強に抵抗しているデスクと3人で出かけた。その店では予想をはるかに超える収穫があった。ということは想像を絶するほどひどかったということである。デスクは「人生の1食を失いました」と深くうなだれていた。エミー隊員は泣いた。
デスクうなだれ ぐすん。
エミー隊員 衝撃的でした。
「赤い殺意」関連メールが多い。しかも我が同志からの声涙ともに下るメールが。
フツーのお寿司のわさびや、おでんの辛子もダメですね。お寿司屋さんでさび抜きなんて、かっこわるいから言わないけど、わさびの効いたお寿司を食べるとかなり悲しいです。
キムチが嫌いなので、週に2回くらいはTVを見ながら「嫌い嫌い嫌い!」と叫びたくなります。
世の中、特に「新日本奇行」の読者の方々で「辛いもん」嫌いな方ってどのくらいいるんでしょうか? 是非、調べてください。お願いしますぅうぅぅぅ!!
味噌汁類に赤い殺意なんて、私には耐えられないのですが~(はづきさん)
海老チリもお酢でチリを洗ってからでないと食べられないので、自分で注文することはもとより、卓に上った場合に取り分けてもらうことも致しません。激辛ばやりの世間から身を隠すようにして生きております。辛いものが存在するのはしかたありませんが、この風潮は早く衰退してほしいと願っております。
南国などで、(その気候に合った伝統のレシピで)現地で食するのは別として、東京(の気候)で、そんなに辛いものは必要ないでしょう?(東京都新宿区・ちえこさん)
私もおでんに辛子はつけない。誰かと一緒だとほとんどの場合「どうして?」と聞かれる。どうしてって言われたって……。
でも、わさびはOK。コショウは大量でなければいけます。赤と黄色がだめなのよ。
デスク糾弾 赤・黄色を差別するなぁ!
エミー隊員 でもデスクは食べ過ぎだと思う。
オレンジ色の殺意?
薩摩汁に入れるのは定番のようです。宮崎・鹿児島地区では「豚汁」が鶏になって「薩摩汁」に化けます(東京在住13年・30代後半男性・酔嘉人さん)
薩摩汁は薩摩武士の野営料理がルーツだそうである。でも、最近では鶏に代わって豚が入ったものが多くはないだろうか。
薩摩汁の薬味はショウガやサンショウだと思っていたが、いつの間にオレンジ色になっちゃったの?
知りません。
しかしである。私は長年この問題で疑問に思っていることがある。袋麺の「サッポロ一番みそラーメン」にはなぜ七味の小袋が添付されているのかということである。味噌汁にトウガラシを入れる人がいるから味噌味のラーメンにも入れるだろうという発想だろうか。それとも、たなかさんのお友達が全国に多数いるからだろうか。どっちにしても私にはあんまり考えたくない問題である。
で、インド人もびっくりではなく、インド人にびっくり。
それ以来インド人はカレーだけじゃない、親子丼に七味なんだぞというのを酒の席の笑い話にしていました。すると、大阪出身、自称京都育ちの女性に、あんた何いうとんの、それ、普通のことやない。うちらの学食、みんなそうしてるよ。と言われてしまいました。それから、私もときどき丼物(卵とじ系)に七味をかけてみますが、結構いけますね。これ(毎日が二日酔いの酔猿さん)
京都府警はなぜ見て見ぬふりをしているのでしょうか。自分たちも職員食堂で親子丼に赤いものをドバドバ振りかけているのでしょうか。
これだけたくさんの味噌メールをいただいているのに、全然紹介しないのは失礼であろう。お約束のあの続報。
酢味噌そうめんでは2:1で「お父さんの負け」であったが、新たなる「北陸の郷土食」(お母さん曰く)=「キャベツの酢味噌和え」マッチでは酎ハイちゃん&お父さん連合軍によってお母さん敗退……それでも食卓には「キャベツの酢味噌和え」が上り続けるそうだが、食するのはお母さんお一人とのこと。
「折角作ったのに、誰も食べないんだから!」と、毎回お母さん激怒らしいが「この戦力地図は未来永劫変わることはない!」と、酎ハイちゃん断言! 家族円満なることを望む。
(2) 味噌汁のニラ
オレがニラ味噌汁に初めて出合ったのは大学2年のとき。中野区のはずれにある大学生協経営による学生用マンション内のレストラン。ここでは岩手県出身のおばちゃんがひとりで賄いを担当していた。
ゆえに、ここは大学生協の影響力も遠く及ばぬ、治外法権の魔窟であった。オレはこの魔窟で数々のアメージングな体験をしたが、そのひとつがニラ味噌汁……今回のVOTEの「味噌汁の具がニラ」というテーマだが、「ある」と答えた人たちにオレは問いたい! その場合、具はニラだけなのか? 何かと組み合わせるならば、それはナンだ?! 卵か? おアゲさんか? あるいはその他の物体か? 気になって、オレの頭の中でずっと「唐獅子牡丹」が鳴りっぱなしだ。援軍を待つ。以上!(西荻の怒髪天娘さん)
キャベツの酢味噌和えは、ありそでウッフンなさそでウッフン。
我ながら古い歌(「黄色いさくらんぼ」っていいます)を持ち出したものであるが、悪くないんじゃないの? これから使おーっと。
ほかの方から「ニラの味噌汁には溶き卵を落とすのがよい」とのメールが多数来着している。
デスク断言 僕の場合、味噌汁はニラのみでしょうか。ただし、澄まし汁、中華スープなんかはニラの卵とじですね。
で、怒髪天娘さん。おつらかったでしょうが、元気を出してください。
生き残りましょう。
呼んでませんが、出てきていただくと嬉しいです。冷やかしでもいいですよ。ここに出てくるポークはご存じ、缶詰めのポークランチョンミートの切れっ端です。入れるだけで味噌汁が豚汁みたいになります。
「カキオコ」の写真を撮り忘れて切腹した尾道の原さんが、切腹の傷をアロンアルファで張り付けて再び日生(ひなせ)に行ってくださった。本来はメールの内容を紹介すべきだが、「カキオコ」「エビオコ」はすでに私の取材テーマになっているので、私がちゃっかりいただくのである。
でも送ってくださった写真はここに掲げる。これで一目瞭然。
マヨネーズ直撃メールを待つ。
(特任編集委員 野瀬泰申)
[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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