味噌汁に七味唐辛子 四川料理には山盛りの唐辛子
味噌・味噌汁(4)
3月26日、久留米で「サインはB」の合言葉のもと、「美(B)級グルメのまちづくり」シンポが開かれた。基調講演は富士宮やきそば学会の渡辺英彦会長。富士宮やきそばムーブメントのスタートから今日に至るまでの経緯と教訓を、やきそばを焼く「へら」ややきそばを歌ったCDなどの小道具を手に1時間にわたって話した。
前夜は花粉症で寝られず、おまけに私に付き合って大酒を飲んだ後遺症もあったのか体調は万全ではなかったようだが、さすがに年間50回もの講演をこなす売れっ子らしく、実によどみない話しぶりであった。
でも気になったことがある。渡辺さんは久留米で「馬タンの刺し身」「馬レバ刺し」は「う宮~」と言って食べたのに、博多でも久留米でも酒の後のラーメンを残し、久留米で昼間に食ったチャンポンも途中でギブアップしたのである。とんこつお嫌い?
デスク涙目 あぁ、行きたかったなぁ、僕も。
基調講演の後、パネルディスカッションに移った。ラーメン、やきとり、屋台、うどんという久留米が誇る美級四兄弟の代表者が初めてそろい踏みし、今後の連携を誓ったのである。パネルそのものの中身もさることながら、基調講演の間中、ロビーで交わされていた大音声の会話にこそ連帯の契機があったのではないかと思うが、私は講演を聴いていたのでどんな内容かは知らない。ただ、なかなか顔を合わせる機会がない皆さんが、自分たちの業界の現状や可能性について語り合ったとすれば、極めて有意義であったろう。
つまり、富士宮に限らず全国で食による地域づくりをしているところの売りはだいたいひとつである。条例を作って地場産品を全面的に見直している福井県小浜市、ギョウザとカクテルの町をうたう宇都宮はむしろ例外であろう。
ところが久留米はまず「とんこつラーメン発祥の地」の名乗りをあげ、「やきとり日本一」がそれに続いた。「ラーメンもやきとりも元々は屋台から始まったとばい」と屋台も負けておらず、「ちょっと待たんね、うどんば忘れてもろたらいかんとよ」と筑後弱腰うどんも立ち上がった。いま弱腰と書いたが地元のお店の方は「柔(やわ)腰ち言うて」ということなので、今後は「筑後柔腰うどん」に表記を統一する。
デスク腰をくねらせながら こんな感じ?
野瀬 エミー、このおじさん、何とかして!
エミー隊員 その調子でマツ○ンサンバも踊ればいいのに……
久留米に行く前、私は「辛いものを食う」という自傷行為に走ってしまった。
某企業が三林京子隊長を招いてあるプロジェクトを敢行したのだが、私とデスクはその一部始終を取材することになった。プロジェクトというのが中国・四川省あたりに蔓延している辛いものを食べることだったのである。
私は表面的には前向きな姿勢を見せつつも実際は後ずさりしていた。だが、隊長は逃亡を許さなかった。
「来ないの?」
そのささやきでついにこの繊細なべろを悪鬼のごとき本場四川のトウガラシとサンショウの前に投げ出すことになったのだった。麻婆豆腐をはじめいろんな料理が出たが、まったく上の空。写真さえ撮らなかった。覚えているのは、べろの先を金属の洗濯ばさみで挟まれ続けているような「やむことのない痛み」である。そして「兄ぃは辛いのだめって知ってたけど、そこまでだめだったの?」という隊長の声、「うまいじゃないですか、辛いのってうまいじゃないですか」を連発しながら口を動かし続けるデスクの鼻の頭に浮かんでいた玉のような汗である。
辛いのが苦手でなければ、あの料理の数々は実に美しく、実に美味なるものであったろう。その水準の高さに驚嘆し、席に招いて下さった方々に心から感謝した。が、いかんせん辛い。「赤い殺意」が暴虐の限りを尽くすテーブルの中にあって、私はシャワーでも浴びたように汗をかき、その汗をおしぼりとハンカチでぬぐい、扇子を高速で動かしながら、辛いものが食べられない我と我が身を呪っていたのだった。
<デスクリポート>銀座の赤い殺意
はい、では野瀬に代わって私が報告いたします。
場所は銀座のまんまん中、日本最古の社交倶楽部として建てられた由緒正しきビルにある中国料理店です。フロアには「とんかつコース1万5000円」とか「串揚げコース1万500円」とか高級店が並びます。美(B)食の世界にどっぷり浸かった僕としては、めまいがして倒れそうでした。
そんな高級店から身を隠すように入店。とりあえず四川味噌オンパレードの特別メニューということで、片っ端から胃袋に収めてきました。
まずは前菜の盛り合わせ。蒸し鶏の上にかかっているのが辛い味噌です。野瀬はこれだけで、全身から汗を噴出し始めました。僕的にはこれは辛いうちには入らないなぁ。
続いては、野瀬への配慮か、あまり辛くない料理です。多分蒸したものでしょうか、やわらかいアワビを肉や野菜の入った味噌味のあんでからめてあります。「殺意」と「コリコリ」の2つのリスクをヘッジしたこの一品は、野瀬にも美味しく食べられたはずです。
続いてはお待ちかね「赤い殺意」の登場です。僕にとっては「赤い癒し」なのですが、大きな唐辛子がまるまる入っています。すんごい量でしょ? でも、ちびっちゃい沖縄の島唐辛子が猛烈に辛いのと反対に、大きいのはそんなに辛くないんです。僕は、本来「いろどり」のはずの「赤い癒し」をばりばりと食べました。エビや白身の魚といったあっさりめの魚介をピリっとした刺激がひきたてます。
ふと横を見ると、野瀬はシャワーを浴びたようにびっしょりです。
次は、そんな野瀬を気遣うように甘い味噌の料理です。鶏とくるみを甘い味噌で炒めてあります。鶏とカシューナッツの炒めものが僕の大好物なのですが、くるみというのは意外でした。
そして再び「殺意」じゃない「癒し」の登場です。「汁なし担々麺」。出てきたときはご覧のような松の実をまとった端正な姿だったのですが、かき混ぜた後はこのように赤くなります。これはうまい! ひじょーに美味しいです。ほんの少しの辛みながら麺全体に味、心地よい刺激が広がります。激辛系汁麺は汗みどろになりがちですが、スープがない分、汗が出ないのも魅力です。
ただし、それでも猛烈に汗が噴き出す人がいることも事実です。「これあげる」。口を開き、扇子で舌をあおるその人からは、麺だけがなくなりせっかくの美味しいソースがたっぷりと残った椀が差し出されました。僕は喜んで、それを自分の椀に混ぜ、いただいちゃいました。
そして、この日のメイン、麻婆豆腐の登場です。この麻婆豆腐にも感激しました。見た目こそ「赤い殺意」ですが、ほんとうは「緑の殺意」なのです。辛みのメインがトウガラシではなく本場四川のサンショウなのです。
中国料理では「麻」と「辣」のふたつの辛みがあるそうです。「麻」はサンショウの辛さで、口の中が麻酔をかけたように感覚がなくなる状態です。「辣」はトウガラシの辛さで、舌が痛くなるような状態です。「麻婆豆腐」という字の通り、本来サンショウの辛みをメインに味わうものなのだそうです。
食べ進むほどに、口の中の感覚がヒリヒリ麻痺していきます。そして、それが何とも美味しいのです。みんな酒を飲んでいるにもかかわらず白飯を頼んで、「緑の殺意」とともにほうばります。どうやら「麻」は「辣」よりもご飯にマッチするもののようです。そうだ、思えば蒲焼きよりもウナ丼の時の方が、より多くのサンショウをかけている気がします。
あれっ。
ふと気付くと、隣の濡れたおじさんはすでに席から姿を消していました。どこ行っちゃったんだろう。
あっ。
今、ふっと思い出しました。テーマは「味噌」でしたよね。本来、中国四川の「味噌」を探究する会だったんだ。なんで「麻」と「辣」の話になっちゃったんだろう? まっいいか、とりあえず美味しかったから。
翌日、会社に行って席が5メートルしか離れていないベティー隊員に、
「いやー、昨日は美味しいもの食べたよ。でも辛くて死ぬかと思った」
と同情を買おうとしたら、ベティー隊員は、
「それだけ辛い物を食べたらかえって辛い物が好きになったんじゃないですか? タイラーメン食べに行こうなんて言わないでくださいよ」
と笑ったのである。私は、
「言わん!!」
という実に簡明な言葉で応じたのだった。
1週間、間が空いたら皆さんに報告することが多くて、なかなか本題に入れない。入りましょうね、そろそろ。
これに限らず、日本語の語彙をそのまま中国語に取り入れて使っている例をよく見かけます(「量販店」、「定食」など)。日本留学経験者が多い、日本企業の現地展開が多いなど、日本との距離が何かと近いことも一因かも知れません。
そして昨日のことです。所用でとある繁華街に出向き、お昼にショッピングモールの中の凝ったおしゃれなレストランに入ると、「紙鍋のメニュー」としてこんなものが。
「味噌関東煮」
もう迷わず頼みましたよ。そして出てきたものは、要するにぎざぎざに折った紙の器に入って下から火を炊いた、具沢山の味噌汁でした。大根、ニンジン、カボチャ、トマト(!)、シイタケ、シメジ、マッシュルーム、ワカメ、厚揚げ、肉団子、魚すり身団子……てなところですかね。出しがあまり利いていませんでしたが、あとはまあおいしかったです。はい(日野みどりさん)
日野さんからの上海リポートである。私が上海に行って一番印象に残っているのは「信号が意味をなしていない」ということである。青信号で横断歩道を渡っていると車がびゅんびゅんやってくる。遠慮会釈なく横断の人の列に突っ込んでくる。怖かったなあ。そんで私はいつも現地の人が団子になって渡っていると慌ててそれにくっついて向こう側に行ったものである。
あっ、隊長だ。辛いのやだ。
やっぱり辛い話であった。私は断じて味噌汁に七味とか一味とかタバスコとかは入れない。入れてなるものか。
三林さんはデスクのことを「お稲荷さん」と呼んでいたはずなのに、先日の自傷行為の会のときには「タバちゃん」に変わっていた。それって「タバスコちゃん」のこと?
デスクうなずきながら 僕のゴルフクラブのヘッドカバーはタバスコの瓶の形をしています。ちなみにきょう、「チポートレイ」という新種のタバスコを発見しました! あとapaponさんから沖縄のこーれーぐーすを送っていただきました。早速、銀座で島らっきょうとラフテーを購入して、エミー隊員からもらった泡盛と一緒に食させていただきました。島トウガラシ、強烈でした。オキナワン・タバスコもいいですね。
前半部分はともかく、後半部分は読み捨てならない。味噌汁にマヨ? それを混ぜるのだろうか。好き好きではあるが……。本人がいいというのだから文句はないが……。他人に強要しなければいいかもしれないが……。そんな先輩を持っていないから安心だが……。
味噌汁の具も様々。
コナモンも投入。余ったワンタン・ギョウザの皮も。何にもないときには小麦粉練ってすいとんにしちゃう。スナック菓子もこっそり入れちゃう。ポテトチップなんか最高。揚げせんもおいしいよ、ふわふわして。
後はコーンの缶詰を汁も含めて入れちゃうとか、缶詰類のお汁もだしだと思って投入。スープですから、何でもありだと私思ってます(新潟の矢作ちかぶーさん)
かっぱえびせん投入は知っていたが、ポテトチップスに揚げせんという手もあったのか。缶詰めの汁という手段も存在したのか。以上。
富山県オリジナルの味噌汁の具?
富山県では味噌汁にキュウリを入れる習慣があるみたいなんです。会社の同僚に聞いても「いれるよ~結構うまいよ~」と言います。キュウリは味噌汁だけでなく、油断していると酢豚、八宝菜にも入っていたりします……実は結納の後の宴会の席で妻の母親が富山の食習慣の話をしていて、この話を初めて聞き婚約解消を真剣に考えてしまいました。
幸い当時まだ素直で優しかった妻はこの条件を快く承諾してくれたので現在に至るまで妻に変わらぬ愛を注いでおります。
「赤い殺意」の話が出たので……味噌汁にラー油を入れて食べるのが好きです。一番好きな組み合わせはネギ+油揚げ+豆腐にラー油です。今ひとつしょ~もないとき入れたりします。妻は見て見ぬふりをしています(埼玉さいたま市生まれ富山在中のざりがにさん)
いい奥さんである。ただ「素直で優しかった妻」の前に「当時まだ」という言葉が入っているのが気にかかる。
最後はラー油投入の話になってしまった。どうして味噌汁に辛いもの入れるの!
こでデスク乱入 キュウリを千切りにして真露(アルコール度数の高いのではなく、「チャミスル」の方)に入れて飲むと美味しいです。
野瀬 日本製甲類焼酎にキュウリだと「河童割り」になる。
「味噌汁と夫婦」第2話。
味がしみておいしいそうですが、大根おろしでざらざらした味噌汁はどうも好きになれません。みぞれ鍋の大根おろしはOKなんですけど。ただのワガママ?(新潟市在住 なつのじさん)
そんなのワガママのうちに入りません。
新潟といえばこんな「戦争」が勃発しているらしい。味噌からちょっと脱線する。
長岡の老舗洋食店が最初に始めてから、長岡地区の食堂では定番メニューになっているのだそうです。こんな食べ物初めてだ!という私に知人は「長岡ではけっこうどこでも食べられるよ~」と言っていました。
そこに同席した新潟市出身の別の知人は「こんなのカツ丼じゃない!カツ丼ってのはカツを甘辛いタレにつけてご飯にのせるものだ!」と、新潟市ローカルのタレカツ丼こそが正しいカツ丼であると主張し始めました。
下越といっても山形に近い村上出身の私にとってカツ丼とは全国的に多分一番オーソドックスであると思われる「つゆで玉ねぎとカツをサッと煮て卵でとじる」ものであったため、にわかに「新潟県内カツ丼戦争」が勃発してしまいました。
その場では村上人として発言していた私ですが、いま住んでいる十日町市は長野県に近いため、食堂のメニューに「ソースカツ丼」がときどき出現します。そう考えてみると新潟県は広いなあ、新潟県内では色々なカツ丼があるんだなあ、と思った次第です(常連になるぞ!と意欲を燃やしている颱風4号さん)
県内に4種ものカツ丼があるのは新潟くらいではなないだろうか。長岡の物件は加古川の「かつめし」にちょっと似ている。
味噌汁に戻る。こんな具もある。
沖縄には豚のモツを入れた中身汁なんてものがあるので、そのような味噌汁もあるのであろうか。
ニラの味噌汁について驚きのメールをくださるのはだいたい西日本関係者である。VOTE項目が浮かんだ。
デスク断言 ニラ味噌汁、千葉県では日常です。
寿司屋で出てくる味噌汁は赤だしが全国的に定番かと思っていたら、そうでもないらしい。
ちょっとお勉強しよう。
黄慧性(ファン・ヘソン)、石毛直道著『新版 韓国の食』(写真)に興味深い記述がある。抜粋する。
「韓国は豆みそですが、日本は煮た大豆に麹がついてみそ玉として発酵させた八丁みそによって代表される豆みその地帯が、名古屋を中心とした地域に広がっています。韓国のみそと八丁みそが基本的には同じつくり方であるのにたいして、ほかの日本の普通のみそは、大豆のほかに米麹、あるいは麦麹といった穀物原料を一緒に入れてつくりますので、韓国のとはだいぶちがいます」
八丁味噌と韓国の味噌はほぼ同じものだそうである。知らなかった。しかもどちらも味噌玉にして作る。同書には触れられていないが、佐久にも味噌玉があった。貴重な写真である。
いただいたメールが多すぎて、一部しか紹介できなかった。尾道の原さんはカキオコの写真を撮り忘れて切腹してしまったので、私が機会を見つけて食べに行こうと思う。カキオコとはカキが山のように入ったお好み焼きのことである。
というわけで、VOTEに突入する。
味噌系汁ものに七味でも一味でもタバスコでもラー油でも何でもいいが、「赤い殺意」とその親戚を入れるかどうか。
いまひとつはニラは味噌汁の具に入っているかどうか。この2点を問う。
「赤い殺意」が少数派であることを祈っている。私は家族全員を動員して「入れない」に投票しようと思ったのだが、「入れる」派の人が同じように家族を総動員するといけないのでやめる。
デスクぼそっと 総動員しなくても、普通に「入れる」ってVOTEすると思うよ。
野瀬にらむ キッ!
で「味噌・味噌汁」のVOTE結果(速報値)。最近、VOTE総数が安定的に2000を超えるようになってきた。有り難いことである。
まず、味噌系のスープに辛いものを入れるかどうか。「当たり前」を+2、「結構やる」を+1、「それもありか」をゼロ、「入れないでしょ」を-1、「とんでもない」を-2として指数化した。都道府県別の結果を紹介する前に全国的な傾向を述べる。勝ち誇って述べる。
「当たり前」が10・1%、「結構やる」が23・0%、「それもありかな」が26・5%、「入れないでしょ」が21・1%、「とんでもない」が19・5%であった。
辛いもの肯定派が33・1%だったのに対し、否定派が40・6%という数字が出たことを厳粛に宣言したい。
中でも私が投票した「とんでもない」派が「当たり前」派を倍近い差で抑えたことを歓迎するものである。よかったよかった。
指数がプラスになった、つまり肯定派が否定派を上回った地域は栃木、群馬、千葉、秋田、宮城、東京、福井の7都県のみであった。赤組の中心は北関東と東北の一部であることが判明した。
デスク納得 ふむふむ。千葉都民としては正しい反応だったということですね。
次に味噌汁にニラを入れるかどうか。入れるという回答が多かった順に書くと栃木、福島、岩手、茨城、秋田、宮城、群馬、北海道、千葉……。赤組とダブっている県が多いのに驚く。栃木なんか赤組の筆頭にしてニラ組の先頭。確かに栃木はニラの一大産地ではあるが。
これからニラの味噌汁にトウガラシを振り入れている人を見たら、栃木県との関連を疑ってみる必要があるかもしれない。いずれにしても北関東から東北、北海道に至る地域で特徴的な味噌汁の具と言えよう。
その証拠に「入れない」という回答が多かったのは徳島、京都、長崎、島根、岐阜、石川、愛知、滋賀、佐賀……という具合に西日本勢が占めている。多分、きれいな地図ができることであろう。
ちなみに全国的には入れる派が37・9%、入れない派が62・1%。ニラ味噌汁は少数派であるらしい。うちは入れるんですけどね。栃木のある方から大量にいただくもので。
次回からのテーマは「マヨネーズ」。うちの娘が親の目を盗むようにホウレン草のお浸しにマヨを塗りたくっているのを目撃したのが、これをテーマにしたきっかけである。日本人とマヨネーズ。どんな風景が浮かんでくるだろうか。
最後にこのメール。
一、
夜の久留米をふらりと歩き こたつ屋台で飲む酒は
男ばかりのムサい酒 きっと悪酔いするだろな
せめて美人の一人でも どうしていない なぜいない
二、
昼飯食おうと古賀久行けば 無意識の内に生ビール
今日は「直帰」と決め込んで 携帯電源の灯を落とす
先週愚痴を聞いてくれた あのおっちゃんは いないけど
三、
文化街への信号待ちで なじみのあの娘と鉢合わせ
「後で来てよ」の一言で 寒い財布とご相談
せめて樋口一葉くらい どうしていない なぜいない
(今夜は黒霧島6杯目の豆津橋渡さん)
「古賀久」「文化街」。わかりますか?
デスク喜色満面 わかります、わかります!
(特任編集委員 野瀬泰申)
[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。