千葉といえばピーナッツみそ ご飯のおかず、お菓子?
味噌・味噌汁(1)
今回からスタートする新テーマ「味噌・味噌汁」だが、いけなかった? まずかった? 間違った?
メールが全然来ない。いやいやメール自体はいつものようにズシリといただいている。でも……。メールをくださった方はわかっていますよね。そう、そこのあなたです、テーマと関係ない話を書いたのは。
でも2回目あたりから本題直撃のメールで盛り上がるってことはよくあるので、まあいいか。ではいきます。
しかし何がミョーだといって、そのジャムみたいなみそピーをパンと一緒に食べるのです。コッペパンを手で縦に割ってみそピーをしぼり出し、はさんで食べるんです。固くないといってもジャムのようにとろりとしてもいないので、「つける」感じにはならず、はさむくらいしか食べ方がありません。
何しろ丸ごと1粒のピーナツが入ってますから、袋を破るときは大きな口径に開けないとつまってしまいます。その結果、ぶっといみそピーをパンにしぼり出すことになります。しかもなおミョーなことに、それを食べると必ずあとで胸焼けがしました。午後の授業では往生したものです。中学生が胸焼けって。それも学校給食で。今思うと、ミョーな食生活でしたねえ(日野みどりさん)
ピーナッツみそはかつて東京オフ会の福引で登場したような気がする。私がコメントするより、千葉で育って40年、今も体の真ん中辺りが育ち続けているデスクに登場してもらおう。
ここでデスク乱入 おっ、そう来ると思いました。落花生といえば千葉です。ピーナッツみそは殻むき薄皮付きのピーナッツをみそと水飴で絡めたものです。水飴ですから非常に甘いです。また、冷やすと固くなります。冷蔵庫に入れておくと食べるときスプーンがひん曲がります。
ただ、千葉原住民としては、ピーナッツみそはお菓子感覚で、お茶請けなどでちょびっと食べるものという認識があります。パンに付けるのはピーナッツバターです。ピーナッツバターはかなりこってりしていて、食べ過ぎると日野さん同様に胸焼けします。僕自身はピーナッツバターはこってり過ぎてあまり好きではないのですが、友人のピーナッツバター愛好家によると東関東自動車道酒々井SAのピーナッツバターが極上とのことです。
個人的な嗜好を言わせていただくと、塩ゆで、しかも殻付きのまま塩ゆでしたものがピーナッツのおいしさをもっとも堪能できる食べ方と信じて疑いません。
山形出身の私が一押しの味噌料理(?)といえば、「味噌納豆」です。作り方はいたってシンプル。
(1)納豆に味噌を入れる
(2)やや粗めに刻んだネギを多めに入れる
(3)かき混ぜる。
ぶっとい糸を引く、味噌納豆の完成ですっ! 納豆好きの方はぜひお試しあれ(あがきた@新潟さん)
あがきたさんは「もつラーメン」という言葉に触発されて新発田市内の2軒の店でくだんの物件を食べたそうである。店の名前を教えてくださると助かります。実は私、ちょっとした計画をたてているので、このような情報はありがたいのである。新潟市のなつのじさんからも「新発田の自衛隊駐屯地前で『新発田名物もつラーメン』というのぼりを見かけた。もつといっても豚の頭の肉なんだそうです」というメールをいただいた。
それから「楠公鍋」(ナンコ鍋)について教えてくださった石仏頭@中別ダムの思い出さん、ありがとうございました。聞いていた話の通りなので安心して取材に行けます。
……気をとりなおして、少なくとも「タケノコの白味噌汁」は新物が出回る春限定ですね。
京都人としてはふだん1種類の味噌を単独で使うことはなく、「袱紗(ふくさ)味噌」という習慣があります。これは、個性の違う複数の味噌をブレンドして味噌汁にすることです。白味噌と豆味噌、甘口の味噌と辛口の味噌などを合わせ、その家独自の味を作っています。従って家ごとに「味噌汁の方言」がが存在していると言えます。あ~真面目に終われてよかった(いけずな京女42歳さん)
どの店の味噌も食い倒れの街の味噌らしく上品で繊細。米麹の勝った甘口の白味噌や、米麹が少ない目のやや辛口の白味噌から様々な赤味噌もあり、それぞれに特徴があって甲乙をつけ難いですね。味噌汁にするなら、実によって味噌の合わせ具合を加減したり、料理によっても使い分けます。
大阪で忘れてならないのは、味噌醤油造りに欠かせない「もやし屋」と呼ばれる種麹の専門店の存在です。日本中に数軒の専門店=世界中で数軒の専門店があるそうですが、そのうちの一軒が阿倍野にある「樋口松之助商店」です。製薬会社と間違いそうな店構えに意外な感じも受けるのですが、何種類もの純粋培養の種麹を幅広く供給しています。阿倍野では、シャープと並ぶオンリーワン企業のひとつです(豊下製菓の豊下さん)
いつもの皆さんが手堅くまとめてくださった。各地の味噌・味噌汁情報を待つ。
さてどうしよう。本題関連のメールは以上で終わりである。
名古屋の話でもしますか?
奇跡的に旨いラーメン屋がありまして、そこは麺をゆでるのにタイマーを使っているのですが、タイマーがピピピと鳴ると、いったん麺の入ったざるをお湯から揚げ、ゆで機の上に放置し、その後、ええっと焼豚切るの忘れてたな、で焼豚をおもむろに切り始め、あっ卵切るのも忘れてた、で卵を切り、いけないいけないワンタンをゆでてないや、であわててワンタンをゆで始め、その間ずうっと麺は放置プレー。スープだけはあらかじめ器に入れてあるので、冷めてるんじゃないかと、イヤそれよりもう麺がのびてるんじゃないかと、手際の悪さがカウンターごしにとてもいらいらさせるのです。
で、ようやくワンタンもゆで上がり、麺をスープに入れ具材を配置し、のろのろと供されるそのラーメンが! スープは熱いし麺は自家製のせいかちっとものびてないし、正に奇跡のラーメンなのです。最近、店主の手際がだいぶ良くなり、以前のようないらいらはもうないのですが、味はまったく変わりません。ええ、手際が良くなってもスープの温度や麺の固さに変化がないのです。なぜでしょう?(JIROMALいずみさん)
そうですか、別の店ですか。「うそ」「うちゅう」「きちゅう」「しょうが」「すがきや」。取材する価値がありそうである。だが、次の店は取材の予定はない。開店が遅すぎる。デスクに任せよう。
デスク痛恨 名古屋オフ会の際に行こうと思っていたのですが、前の晩に徹夜で飲んでたせいで開店時間まで起きていられなかった! 残念! 次回は必ず挑戦します。
1.営業時間の謎?
深夜、今池の交差点を南に下っていくと、吹上とのちょうど中間あたりのビルの1階付近になにやら行列が……。このラーメン屋は午前2時~5時くらいまでしかやっていません。しかもシャッターは1カ所だけが、人がくぐれるくらいの半開き状態です。何でもラーメン屋をはじめるときに、家主にナイショだったとか。もう20年以上営業してるのに。
2.究極の4玉ミックスとは!
ここのラーメンは標準が1.5玉。ラーメン以外にもうどん、そば、きしめんが選べます(どれを頼んでもスープも具も同じ)。さらにラーメンとうどん、ラーメンとそば、うどんとそばときしめんなど、各種麺の組み合わせが可能。そして、全ての麺を投入する究極の4玉ミックスというものがありますが、どんな組み合わせで注文しても値段は550円均一!
3.カウンターの中濃ソースはどう使う?
大〇ラーメンを食するのに欠かせないのが中濃ソース。麺の量もさることながらモヤシの量も半端ではない。ラーメン丼とほぼ同じ高さに、大量のモヤシ(ゆで置きされて冷蔵庫でキンキンに冷えている)がラーメンの上にうず高く積まれています。このモヤシをなんとか処理しないと麺にたどり着けないので、これを先に食べることになるのですが、ただゆでただけ(しかも冷たい)の味のないモヤシを大量に食べるのはとてもついらいのです。そこで登場するのがカウンター上の中濃ソース。常連と思しき人々は、たとえスープが醤油味であろうと、何のためらいもなくモヤシに(結果ラーメンに)中濃ソースをかけて食べています。
この前行ったときは、カウンターに中濃ソースと並んで、中華ドレッシングが……。
4.再現できないラーメンの味
スープは昆布の味がする醤油味、ほかに出し汁に何が入っているのか不明。具材は麺、モヤシの他に竹輪、なると、肉(何の肉かは不明、缶詰の焼肉のような味がついている)。ネギは入っていません。カウンターに乾燥ネギのビンが。私の知り合いが家でこのラーメンを忠実に再現してみたらしいのですが、本家の味は出せなかった(「まだ、食べられた(美味しかった)」)そうです。一体どうやったらあの味を再現できるのでしょうか。
5.マウンテンとの意外な共通点
名古屋グルメのもう一つの名所「マウンテン」との共通点があります。それは「おやじがマスクをしている」ということです。マウンテンのおやじが夜は大○ラーメンをやっているという、全く根拠のない噂が。
6.おやじの口癖
大○ラーメンのおやじさんは、非常に腰の低いいい人です。お店の中では、以下のような会話のやり取りがあります。
おやじ 「どこから来たの?」
お客 「岐阜です」
おやじ 「ああ岐阜ね、加藤君しっとる?」
お客 「……」
7.犬ラーメン
ラーメンを食べて怒ったお客が、看板の「大」の字の右上に「、」をつけたそうです。それ以来、一部の人から「犬ラーメン」と呼ばれています。
8.お菓子のサービス
ラーメンを食べ終えると、おやじさんはアメとかガムなど(いずれも未開封の袋ごと)のおまけをくれます(名古屋在住、静岡長期出張中の野崎さん)
大〇ラーメンは地元では有名なので、どうしようかと迷っていたのだが、ここまで詳細なメールが来たら仕方がない。諦めて紹介したのである。ただ、いくらまずさに怒っても「犬」にしたらいけないのではないだろうか。おやじさんは客との会話だけを聞いていても、いい人みたいだし。
おや、長文のメールが届いている。全部は無理だが、その一部を。
その後子供も生まれ、彼らの父に対する深い尊敬を得ることにより、ついに家庭内多数を占める事に成功し10年に及ぶ長き闘争に勝利したのであります。
あとソースといえば語らねばならぬのは焼きそばソースについてであります。焼きそばは無論ソースであることに家内と合意を致しているのでありますが、家内は結婚当初、麺だけ焼きそば+ウースターで製作しておりました。ソース付きではないのでしかたないと甘んじて容認しておりましたが、子供が大きくなりコスト面+量の関係から3個入りソース付きを購入するようになったのですが、驚愕すべきことに付属のソースがあるにもかかわらず、あのウースターを使い続けるのであります。
製造メーカーの技術者の製品化に至る熱い焼きそば魂を考えれば、やはりここは付属のソースを粉末であろうが液体であろうが使うのが本道であると、強く信じるものであります。
その後、我が愛しい子供たちを説得し続けること丸2年。ついに昨年クーデターに決起し見事成功せしめたのであります。これを私は"焼きそばソース事変"と称し深く家史に輝く金字塔を打ち立てたのであります。
ソースに関してはこのような状況であり、トンカツにコロッケにマカロニサラダにポテトサラダ、ときたま隠れてカレーにほんの少し……などと中濃ソースを堪能できる幸せを満喫しております(埼玉生まれ富山在住のざりがにさん)
「乱」とか「事変」がうまくいってよかったですね。以上。
たかはし@梅丘さんから「講談社から出た森田信吾著『駅前の歩き方』が面白い」とのメール。ローメン、ババヘラ、富士宮やきそばなどががんがん出てくるのだそうである。
今でも彼の地ではそう言う食べ方をしているのでしょうか。気になって夜は寝ることができません、調べて下さい探偵さん。いや、ちょっと番組を間違えた(@天ぷらは醤油!カレーはソース、ついでにスプーンはコップの中!!さん)
チャンポンにソースは当然のことである。カップ焼きそばのお湯を捨てないのは当然のことではない。なんでそんなことしてるの? 宮崎からのメールを待とう。
デスク心配 で、そのお湯をずずずーっとすすっちゃったりしたらどうしよう!?
エミー隊員 お湯を捨てない気持ちは分かります。だって最初どうしていいか想像できませんでしたもの。私も知り合いが目の前で作ってくれるのを見るまではどうやったらインスタントで焼きそばができるのか不思議でした。まさかあんな仕掛けだったとは。人間の想像力ってすごいですね!(そういう問題なのか?)
久留米の永九郎さんから「ギョウザを酢醤油以外で食べる地域はあるのか」とのメール。でもテーマと関係ないので個人的に話そう。高校の同級生だもんね。
伊藤さんからはつくば市のおチャブなお店情報。いずれつくば市に行かねばなるまい。
おや、このメールは何だ?
あまりのまずさにみんな残してしまい、仕方ないのでうろうろしていたアリにちょっと食べさせてみたら、そのまま死んでしまいました。
いま考えると、昆虫にカレーを食べさせるという行為自体がダメダメですが(死んで当たり前?)「ああ、やはりカレーにバナナはダメなんだ」と子どもながらに胸に深く刻み込んだものです。
その上を行くバナナカレーうどん。私は食べません。 エミー
なんだ、エミー隊員とデスクがやり取りしたメールが紛れ込んでいたのか。仕事しなさい、仕事。
デスク弁解 僕は先週の原稿と写真を送っただけですよ。ありんこ死すともデスクは死せず。立派な仕事じゃん!
エミー隊員 食べ物担当なので、お互いの食べ物観を意見交換しあうのもいいんですよ。で、思い出したのですが、あのカレー、バナナを置いたんじゃなくて煮込みました。だからまずかったのかなぁ。
テーマは味噌・味噌汁。お忘れなく。
(特任編集委員 野瀬泰申)
[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。