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餅のお茶漬け、食べますか? 静岡西部にはうるち米餅

このごろのお餅(4)

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NIKKEI STYLE

行ってまいりました、大阪へ。まあ、見てやってください。すごいでしょう、この店構え。一日一客しか取らない胡麻料理の店「世沙弥(せさみ)」。建築雑誌にも取り上げられたデザイン性あふれるお店で、私とデスクは玄関のドアをどうやって開けるのかしばらく悩み、手動であることに気づいて内部に入ったあとも、もうひとつのドアの前でうろうろしたのであった。

最初のドアは引き戸、次のドアは回転ドアであった。その先の廊下が直角に曲がりダイニングに至る。壁は純白の漆喰で、総ガラス張りの窓からは庭が見える。

この場所はオーナーの和田大象さんが専務をしておられる大阪の老舗胡麻店「和田萬商店」がかつて胡麻を天日で乾燥させていたところだったそうである。そこに「道楽で」作ったのがこの店。

室内に置かれたオーディオの性能は素晴らしく、一目見たデスクが驚嘆の声をあげた。

豊下製菓の豊下さんと和田さんがじっくり検討してくださったメニューは以下の通りであった。よだれを垂らしつつご覧いただきたい。

1.ゴマのカルフォルニアロール=発芽ゴマの金いり・発芽ゴマの黒いりの2色

2.イカリングのゴマピリカラ=金ゴマ油+豆板醤で炒める。隠し味に天満とりゐ味噌の白味噌

3.東坡肉(トンポウロウ)=豚ばら肉を金ゴマペースト+赤味噌で漬け込む

4.手羽先グリル

このほかに豊下さん提供のメニュー

1.めぇの煮いたん=八の付く日のお蕃菜、煮物ですが「たいたん」と読んで下さい。阿波産天然芽ヒジキ(無着色)、鶴の子大豆、酒、ミリン、砂糖、三ツ星醤油、ゴマ油( 三ツ星醤油は堀川屋野村の野村社長からもらった特に良い出来の醤油)

2.切り干し大根の煮いたん=あい(平素)のお蕃菜。田辺大根の手製切り干し、薄揚げ、酒、ミリン、三ツ星醤油

3.天王寺蕪と厚揚げの煮いたん=冬場のあいのお蕃菜。天王寺蕪の実と葉、厚揚げ、酒、塩、香り付けの醤油

4.田辺大根の刻み漬=始末料理。田辺大根のヘタ部分、切り落とした葉、塩

5.天王寺蕪漬物=5~8日ほど塩漬けにします。天王寺蕪、塩

6ブリ大根=冬場のちょっと御っつぉぅ(御馳走)。魚は基本的に朔日と十五んち(日)にしか戴きません。身は旦那(だん)さんのお造りや、煮いて内のもんのお蕃菜に。ブリのアラ、田辺大根、酒、ミリン、醤油、砂糖、利尻昆布

7.半助豆腐:川魚屋で舟に盛った半助を見かけたときのお蕃菜。ウナギの半助(頭の部分)、焼豆腐、醤油、昆布出し汁( 元戎橋の「いづもや」、いづもや音楽隊のいづもや提供です)

8.田作=ご存知節会の肴。ゴマメ、吉野三郎の本糸筋青海苔、和田萬の金ゴマと七味、酒、醤油、砂糖

9.勝間南瓜(こつまなんきん)サラダ=豊下さんの創作料理。せいろ蒸し勝間南瓜裏ごし、マヨネーズ、自家製カスピ海ヨーグルト、干しワイルドブルーベリー、干しブドウ、干しクランベリー、塩、コショウ

10.焼いたあも=餅のこと。大阪では隠れた名店、最中種の「きたかつ」がついた特製「滋賀羽二重」の丸餅

11.堀川屋野村の「径山寺(きんざんじ)味噌」

12.天王寺にしむらの「毛馬胡瓜の奈良漬」=奈良は酒粕の隠語です。だから大阪でつくっても奈良漬

13.吉野広橋産、小梅の紫蘇漬

14.小豆粥=時間切れで幻のメニューになりました。小正月の朝に戴く「おかいさん」です。

小豆粥までは手が回らなかったが、そのほかは全部テーブルに並んだのである。壮観であった。改めてメニューを見て気づいたのだが、私は径山寺味噌を食べなかった。どこにあったの? 誰が食べたの?

デスク同調 僕も食べてない! あと奈良漬けも食べ損ねました。でも、半助豆腐はきっちりお代わりしました。メニューの合間に豊下さんがいろいろな食材をお出しになるので、どれが正式メニューか話題のネタなのか途中で訳がわかんなくなっちゃいました。えっ、それは酔いが回ったせいだって? 確かに、皆さんからお預かりした会費をお支払いするのを忘れて、後日振り込みさせていただきました。

さらに、豊下さんが現地駐屯の自衛隊員が採集した「日本一辛い硫黄島の島トウガラシ」を持参してくださった。私にとってトウガラシは「赤い殺意」にほかならないので口にしなかったが、勇気ある参加者が次々になめてみては「うわー」とか「べろが痛い」とか叫んでいた。平気な顔でなめていたのはデスクだけであった。デスクのべろは鉄でできている。胃袋は陶器。

赤鼻のデスク 僕が「自衛隊トウガラシ」と呼んでいたあれですね。いやぁ、ちょっと辛いかな、くらいでしたよ。パスタ一皿食べるのにタバスコ半分くらい使っちゃう僕としては。でもうかつだったのはトウガラシつまんだ指で鼻の頭をつまんでしまったこと。もうヒリヒリと痛くてたまりませんでした。鼻だけは柔肌です。うふ。

京都の澤田さんがギター持参で参加。前回の大阪オフ会同様、歌唱指導がついたので会場は美食の館から一転、歌声喫茶になったのだった。みんなでかい声で歌ってたなあ。

私が物件を紹介しながら進行する福引はどうも最近テレショップみたいになってきたとのご指摘があった。その通りである。やっているうちに「今回は金利も負担して〇〇円でお願いします」と言いそうになってしまった私なのであった。

当日は「阪神大震災から10年」の2日前に当たり、震災当時ボランティアで神戸に入った経験がある澤田さんが中島みゆきの「時代」を歌っている途中、当時のことを思い出して胸に込み上げるものがあったのか、ふと声を詰まらせた。私たちも文字通り「時代」に思いを馳せる瞬間だった。

そんなことがありつつも、デスクがマツケン風金ラメ衣装で登場したりして、爆笑と歌声とともに5時間があっという間に過ぎていった。

会費3000円という破格の値段で引き受けてくださった和田さんに改めて心からの感謝をささげたい。そして豊下さん、本当にありがとうございました。

風邪で参加を断念しなければならなかった名古屋の方、ダンネンでしたね。

どうしても日程が合わず涙をのんだ札幌のあの方、グヤジーでしょ?

エミー隊員、泣くな。

エミー隊員、目に涙をためて これが泣かずにっっっっ

そろそろ本題、いくよー。

最初は、餅とお茶の関係。私にとっては餅がのどに詰まったときに慌てて飲むのがお茶だったのだが、全国的にはそれだけではないらしい。こんなメールがこんなにきている。

ご意見 うちの父が一番好きなお餅の食べ方それは"餅茶漬け"。丸餅を焼いて茶碗に入れ少し塩をふったらその上から熱い番茶を注ぐ。炒りたてのあられも同様にして茶漬けで食べる。本家の叔父もイトコ達もそんなふうに食べてたから、父だけの食べ方ではないと思います。
 私たち子どもはフツーに焼いた餅に醤油をつけ海苔で巻いて食べていたが、これは母が結婚して我が家に持ち込んだ食べ方とのこと。ちなみに父は三重県志摩地方、母は三重県松阪の出身。同じ三重県でも随分違うものです(もと京女さん)
ご意見 前回の(お名前ありません)さんの焼き雑煮。私も小さいときに「お茶雑煮」といって大好きでした。まずお椀に焼いた切り餅を、そして「花かつお」をたっぷりと、「×の素」をパラパラと振りかける。お醤油をタラタラと。そこに熱いお茶を……これがとても美味しかったのです。大人になってからチャレンジしましたがそれほど美味しいと思いませんでした(三浦半島のせきちゃん)
ご意見 お餅のお茶づけですが、うちでも食べます。うちでは焼いたお餅をお茶碗に入れ、その上からお茶をかけるだけの文字通り「お餅のお茶漬け」です。母親や祖母はそれに少し塩を入れたりしていました。子どもの私には何の味もついていない「お餅のお茶漬け」はおいしいものではなく、私だけきな粉を付けて食べていました。
 ところが今年の正月、ひさしぶりに「お餅のお茶漬け」を食べてみましたが結構いけました。もしかしたら大人の味かもしれません(なぜ関西人は餅を「お」餅というのでしょうか?さん)

呼び方はともかく、餅にお茶をかけて食べる人々がいる。あるいは地域がある。私は考える。目の前に餅とお茶がある。その両者を見て「よし、この餅にお茶をかけて食べよう」と思いつくだろうか。思いつかない。

デスク頷く 思いつかない。

では、餅茶漬けな人々は自分で思いついたのだろうか。そんな人もあるかもしれないが、私は伝承されている食べ方ではないかと思っている。根拠はない。農文協の「聞き書 ふるさとの家庭料理5 もち雑煮」にもそのような食べ方は収録されていないが、かつての「焼きミカン」のように文献には表れないけれど実は伝承の食べ物、というものも存在するので、私は興味を持っているのである。

うどん入り雑煮。

ご意見 愛媛県南予地方のお雑煮について前回、今回と記載がありましたが、西予市の某地区に住んでいる我が家は醤油仕立てのお雑煮です。ヒラメの養殖をしているので31日には必ずお刺身を食べます。その残った刺身と丸餅、かまぼこ、てんぷら(じゃこ天のこと)、うどんをいれます。丸餅は焼いてから入れます。
 ちなみにうどんを入れるのは我が家のある地区とその隣の地区のみだそうです。大きな鍋にひとり分ずつ餅を入れて炊くので、最後の人はもちが溶けてお汁がどろどろになった状態のものをいただきます。魚の煮汁のようなお雑煮はわが町にはないそうです(愛媛県出身神奈川在住さん)

限定的だが、雑煮にうどんが入るところがある。かつてうどんがハレの食べ物だった土地もあるので、その記憶が残っているのだろうか。

餅はもち米で作るとは限らない。このメールを待っていた。

ご意見 静岡県西部では「おはたき」といううるち米で作った餅もメジャーです。直径7~8センチくらいの棒状で、端から1.5センチくらいの厚さに切って使います。食べ方はもち米の餅と同じで、ブチブチした食感で伸びたりふくらんだりしません。
 これで東海式煮込み雑煮を作ると、どろどろに溶けたり具が餅にからめとられることがありません。うちで雑煮を作るときはどちらを何個食べるかを各自申告し、同じ鍋で煮ることになっていますが、誰かが間違って食べると誰かが不本意な方を食べることになってしまいます(小さとーさん)

前掲書には静岡県袋井市の「おはたきもち」が紹介されている。うるちのくず米にもち米を混ぜて蒸し、ついて餅にする。普通は焼いて醤油で食べるが、汁物にもする。

全国の餅を眺めていると、うるち米を使ったものが実に多い。実入りの少ない米、つまり粃(しいな)米を使ったものである。もち米との混合が普通。数が多すぎるので個別の例は省略する。要は餅にはうるち米の餅もあるということ。

デスク感心 ふーん、初耳でした。

岩手県から。

ご意見 私の母は龍泉洞で有名な岩手県岩泉町出身です。雑煮は角餅で具は鶏肉、ゴボウ、コンニャク、ニンジン、シイタケ、セリなど具だくさんの醤油味です。ここまでは普通ですが、食べるときにお椀から引き上げた餅をクルミにつけて食べます。そのクルミは要するにクルミ餅のあの甘い物です。大根やニンジンもちょこっとつけて食べると美味しいです。昔は「変だなあ」と思っていたのですが、今では普通の雑煮を食べると、ちょっと物足りないですね。岩手県の他の地方では聞いたことがありませんので、岩泉独特の食べ方だと思われます(なおみさん)

前掲書の解説で伝承料理研究家の奥村彪生氏が書いている。「東北地方は先に書いたように搗(つ)きたての餅を食べるソースの種類が豊富である。まず糸引き納豆、大根おろし、くるみやじゅうねん(えごま)、ごまの醤油だれ、そしてヒスイ色にあでやかなずんだ(枝豆ソース)などなどがある」

ちょうど、ようしゃん@東京さんから岩手・毛越寺のお茶屋さんで出た餅の数々の写真が届いているのでご覧いただきたい。なお韓国のピンス(かき氷)を「季節外れ」と紹介してきたが、これは間違いで韓国では1年中食べるそうである。訂正。

ちょっと驚いたので。

ご意見 今年80歳になる小生の母親は、新潟県山奥の東蒲原郡の出ですが、作る雑煮は鶏出し汁(戦争中は鶏を供出した関係でウサギで出し汁を取ったそうですが、そちらの方が美味かったと言っています)、醤油ベースですが、根菜、野菜がてんこ盛りです。半端な量ではありません。
 餅は煮餅です。のっぺ汁とは異なります。小生が小学生のころ関東に引越ししましたが、こちらの友人が我が家の雑煮を見るたびに驚いていたのを思い出しました。いわゆる江戸風に言うならば「野暮な雑煮」と言うところでしょうか?(皆川さん)

戦時中という特殊な時代環境とはいえ、ウサギ出しの雑煮があったことに驚嘆した。

ミカン餅第3報。

ご意見 食の隠し球、愛媛です。ミカン餅についてですが、友人数人に確認しました。全体に黄色い粒々入りで、皮は入っていないようです。皮は苦いからでしょうか。私の友人には作ったことのある人はいなかったので推察ですが。
 そういえばミカン餅も芋餅も硬くなりにくいお餅でした。道の駅などで売られていますので試してみてください。
 余談ですが、オレンジジュース炊き込みご飯は東予市で実際に給食で出たそうです。うーん、チャレンジャー(にゃんちゃん)

これでミカン餅にはミカンの実が使用されていることが判明した。「食の隠し球、愛媛」というキャッチには同意する。その給食にはちょっと同意しがたい部分もあるが、別に私が食べるわけではないので、知らなかったことにしたいと思う。

デスク推察 エミー隊員ならきっと喜ぶんじゃない?

エミー隊員 わが山口県にも夏みかんのお寿司があるみたいですからね。私は食べたことありませんけど。

にゃんちゃん第2報に「瀬戸内海の大三島のピーナッツ餅」が出ていたが、ここにもあったピーナッツ餅。

ご意見 私の実家は静岡県の山奥なのですが、農家であることもあり、毎年薪で火をおこしセイロでもち米を蒸し、臼と杵でお餅をつくのが年末の恒例行事です。
 我が家のお餅は3種類。ノーマルな何も加えない白いお餅と、春先に近くで収穫し冷凍しておいたよもぎを加えたよもぎ餅と、水で練ったモロコシの粉とお酒と砂糖と炒ったピーナツを加えたピーナツ餅です。白餅とよもぎ餅にはあんこをくるんで大福も作ります(カジョさん)

全国になくはないが数が少ないトウモロコシの粉を使った餅。その中に酒、砂糖、ピーナッツが加わる。昔はもの凄いごちそうであったろうと思われる。

ここで寄り道。みんみん(♂)さんから「広島県の高速道路のPAで発見したちゃんぽんうどん」の写真が来着している。麺は西日本正統腰なしうどんで、撮影しようと持ち上げたらブチ切れたそうである。

みんみんさんがこの写真を送ってきたのは、うどんだけではなく私をもブチ切れさせようとしているのである、きっと。ご期待にこたえようかな。

大阪新年会の翌朝、ホテル近くの居酒屋にこんな張り紙があった。

「チャンポン鍋。最後はラーメンで決まり!」

ぬおーっ。うどんもラーメンもチャンポン界に勝手に入って来るなー。どっちも伝統的チャンポンの保護に関する法律(私案)違反である。メッ。

広東省広州市のHAOCHINAさんから中国のおでんの写真。上は北京で撮影。「関東煮」は簡体字。北京の人々が、関東煮は台湾が本場と信じないことを祈ろう。

下は広州のセブンイレブン。上海のセブンイレブンは日本式のおでんだが、広州の場合は香港資本なので中国しているそうである。

VOTE。設問その1はかねて予告通り、丸餅・角餅の境界を探る。設問その2は無駄かもしれないが、私の個人的興味で「お茶かけ餅」の存在地域を探る。

その結果(速報値)を、伝承料理研究家、奥村彪生氏のお餅地図と付き合わせている。うーん、おおむね定説のような結果になってはいる。なってはいるが違うところもある。角餅が思わぬところで高い比率を示しているのである。元々角丸混在地帯の鹿児島は別にして丸餅地帯であったはずの九州の一部などが角餅の浸食を受けている気配濃厚なのである。佐賀で角餅比率40%、熊本で同33%、滋賀・京都・宮崎で同20%という数字をどう見るのか。

家で餅をつかなくなり、市販のものを買うようになったことと関連があるのだろうか。であるならば角餅地帯の拡大は今後も続くことになりはしないだろうか。

もうひとつの調査項目「お茶漬け餅」だが、「食べる」という回答が多かった和歌山(37%)、三重(26%)、大阪・山口(19%)など上位10府県はすべて西日本であった。というより関西と中四国に集中している。和歌山では熱い茶漬けを好んで食べるが、あるいはその辺が震源地になっているのかもしれないと根拠もなく思うのである。いずれにせよ予想もしなかった地域性が浮かび上がって、まんもすうれぴー。

ご意見 福岡発、鹿児島経由、東京着の私にとって「焼きうどん」といえばソース味が当たり前でした。小学生のころ母が作ってくれたのも、学生時代居酒屋で食べたのもソース味でした。
 それが就職とともに上京して居酒屋で食べた焼きうどんといったら……。味のついているかどうかわからない醤油味の焼きうどんでした。これにはびっくり! その店の特別メニューかと思ってましたが、飲み歩くほどに東京で焼きうどんといえば醤油味があたりまえのようです。恐くて酒の肴にもできません。久留米も当然ソース味でしたよねえ(東京在住13年・30代後半男性・酔嘉人さん)

久留米はソース味である。と思うが、豆津橋さん、確認をお願いします。大阪新年会の福引の景品のなかに北海道限定のカップ麺「焼きうどん弁当」があった。ソース味であった。参加者から「ソース味の焼きうどんですか」という声があがった。深い問題が存在するようである。

で、次回のテーマは「ソース」。当サイトの記念碑的テーマ「ソースで天ぷら」の折、私は全国ソース地図を作ろうとして失敗した。再挑戦したい。

ソースというと、目玉焼きはソース? 醤油? とか、とんかつはソース? 醤油? というような角度からのご意見も多数予想されるが、私は2年前の私ではない。しのいじゃる。

デスク応援 ふれーふれー、のーせ。

予定の長さを超えてしまった。でも、次のメールは読んでいただきたい。面白いから。

ご意見 旧年の暮れも押し迫ったある日、女房とスーパーに買い物に出かけたときのことです。店内で突然奇妙な男の声があがりました。
「ジャガイモ?」
 相手は連れの女。どうやら若い、結婚したばかりの夫婦のようです。
「ジャガイモ。当たり前じゃない」
「なんでお雑煮にジャガイモ入れるんだ?」
「なんで入れないのよ! 入れるに決まってるでしょ」
「おまえ。ジャガイモを入れたら肉ジャガになっちゃうじゃん」
「はははっ。お雑煮と肉ジャガは違うに決まってるでしょ」
「……。あのな。ジャガイモじゃなくて里芋だろ。な。そうだろ」
「ばっかみたい。田舎もんねー」
「俺んちは東京だよ。おまえこそ茨城だろ」
「なにその言い方。東京のこんな田舎(立川)なんて東京じゃないの」
「……。そうか。茨城じゃお雑煮にジャガイモ入れるんだ。ほー」
「なによその言い方。みんなジャガイモ入れてるに決まってるでしょ」
「普通は入れないよ」
「入れるわよ。ばかみたい!」
「(女、携帯で電話する)あ。お母さん。うん。元気。大丈夫。ねえ。ひとつ聞いてもいい。お雑煮にジャガイモ入れるわよね」
「……(男沈黙)」
「でしょう。どこでもそうよね」
「……(男沈黙)」
「やっぱそうよねー。お雑煮にはジャガイモよね」
「……(男沈黙)」
「(女携帯切って)みーんな、入れるって。ほらみなさいよ」
「お母さんに聞いたってしょうがないだろ」
「なに言ってんの! うちが正しいの!」
「もうやめろよ。みんな見てるよ」
「ふん。自分が間違ってたんで負けを認めたくないんでしょ」
「はあー。じゃあわかったよ。今回は君んちのお雑煮にしよう。でも来年は俺んちのお雑煮にしようよ」
「そんなジャガイモも入ってないめちゃくちゃなお雑煮なんて、食べられるわけないでしょ!」
 ああ。若夫婦の正月やいかに(立川の鈴木さん)

この夫婦をご存じの方は、ぜひ当サイトを読むようお勧めください。

(特別編集委員 野瀬泰申)

[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]

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