さて退部の理由をどうするか。「自分のレベルの低さを痛感した」のが本音でした。でもお山の大将の気持ちが抜けておらず、かっこつけて「勉強ができないから」ということにしました。目の前にあるつらいことから初めて逃げたのです。挫折だね。
そんな逃げの気持ちを引きずっていたから、成績なんて上がるはずもなく、学年360人中300番あたりをブラブラ。下宿は成績の悪い仲間たちのたまり場となっていきました。
野球はあきらめたものの、得意なスキーを続けたかったのでスキー部に所属し県大会や北陸3県の大会に出場することはできました。
成績は急上昇するが、大学受験に失敗。
高校2年の終わりごろ、担任の先生から「沢田、おまえの行く大学なんてないぞ」と真顔でいわれました。「これはまずいな」と思い、心を入れ替えて教科書、参考書、問題集を手にするようになると短期間のうちに成績が10番くらいに上がりました。
ところが、あまりにアクセルを強く踏みすぎたのでしょうか。そこからはガス欠状態のようになり次第に仲間たちに追いつかれてしまいました。大学受験は全敗を喫し、浪人生活に入ることになります。
[日経産業新聞2014年2月12日付]