高級珍味・からすみを身近に 台湾では日常的な食材
長崎名物として知られるからすみ。ぼらの卵を塩漬けにし、天日干したもの。思わず日本酒がほしくなる珍味だが、もともとは中国から長崎を通じて日本に伝来したとされる。
日本では高級品だが、海外では地中海沿岸や台湾などで、日常的な食材として食べられている。
イタリアでからすみは「ボッタルガ」。パスタの具材などに使われる。日本のたらこスパゲッティを思い浮かべればわかりやすいだろう。
台湾では「烏魚子(オーヒージー)」。中華料理に欠かせない食材だ。軽くあぶってから薄くスライスして大根と一緒に酒のつまみにしたりする。日本の珍味とよく似た食べ方だ。
イタリア産や台湾産は、流通量が多いことから、割安感のあるものが多い。東京・台場で開催された「外食ビジネスウイーク2016」の台湾パビリオンでも2社が外食事業者向けにからすみを出展していた。
Coastline社の製品は、養殖のボラの卵。価格は国内産の約半分程度になるという。台湾でからすみは身近な食材。XO醤と合わせて、ご飯の供にして食べるという。
一口大に切った食べきりタイプもあった。
一方で、南部・高雄にある台湾有数の水揚げを誇る漁港・梓官区・FISHER MARTの「野生烏魚子」、つまり天然のからすみは品質にこだわった高級品だ。
価格は国産品と変わらないそうだが、その分品質の高さにはこだわっているという。木箱に収められ、贈答需要に対応する。
台湾のからすみは、観光客のおみやげにも人気が高いという。高級品として喜ばれる一方で、値段は手ごろ。そして荷物にもなりにくい。
市場に足を運んで買えば、いっそうお買い得だという。
(渡辺智哉)
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