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食べ物 新日本奇行 classic

赤い煮イカに鉄板焼き鳥、焼きまんじゅう 各地の縁日 縁日系(2)

2016/9/30

静岡県の沼津に行った。天気はいまいちだったが、朝のうちだけ富士山が見えた。

発見!

JRの駅から少し歩いたところで、青ネギがいっぱいかかったうな丼の写真を見つけた。この店固有のメニューなのだろうと思っていたのだが、魚市場近くの食堂街でも「ネギうな丼」を発見した。二つあれば怪しい。私は別のものを食べたかったのに「しょうがねえなあ」とネギうな丼を注文したのだった。

刻んだウナギに刻んだ青ネギ。真ん中にワサビがのっている。これをまぜまぜして食べるのだという。何だか名古屋のひつまぶしを食べているような感じがする一方で青ネギの風味が鼻に広がり、ひつまぶしではない物を食べている気分。

ネギうな丼

ウナギの「ふわ」にネギの「サクッ」、ワサビの「ツン」がいっぺんに来るのである。多少の困惑とともに、ちょっと残しちゃった。沼津では普通の食べ方なのだろうか。

ついでながら沼津ではかき氷にかける透明なシロップは「カンロ」、すなわち甘露がスタンダードだった。

本題に入る。今週はテーマ直撃のメール多数。まずはこれから。

真っ赤なイカ
ご意見 ワタシは横浜出身で、現在栃木在住です。栃木(最初宇都宮)に移り、祭りや花火大会などにいって違和感があったのはイカ焼きというものです。ワタシのイメージでは、イカ焼きはイカ1匹を割りばしに刺して醤油系のたれを付け鉄板で焼くものです。結構いいにおいがしますよネ。しかし宇都宮ではイカ焼きはなく、代わりに煮イカというものがあったのです。これはズンドウに赤色XX系着色料を入れた赤い汁でイカ1匹を煮たものです。ワタシはイカは生しか食べないのでどうでも良かったのですが、妻(東京三多摩出身)が変なモノがあると騒いだのが煮イカでした。
その後、宇都宮より南の小山市に近い所に転居して、小山の花火大会に行くとイカ焼きも煮イカも両方あるようなんです。今年、さらに南の利根川を渡った先の茨城県古河市の花火大会に行ったのですが、イカ焼きでした。当然ワタシたちの出身の南関東(東京横浜)では煮イカは見たことがありません。
宇都宮、自宅、古河は車でそれぞれ30分ぐらいしか離れていませんが、国道4号(鉄道では東北線)沿いに、イカを焼くのか煮るのかのボーダーラインがあるのでしょうか?(ニャ~オさん)

これはいい視点である。私はイカ焼きは知っていても煮イカは知らない。栃木を含む北関東のどこかに焼きイカと煮イカの境界線があるとか、栃木だけがぼこんと煮イカ地帯だったりするのだとすれば大変面白いと思う。ひょっとしてVOTE項目浮上? さらなる情報を待ちたい。

焼きまんじゅう
ご意見 私は埼玉県の北限で生まれ育ち、高校は熊谷(やっぱり県北)に通いました。秋ではないのですが有名な熊谷のうちわ祭りでの話です。
友人数名と練り歩いていましたが、小腹が空き何か食べようということになり、私は迷わず「焼きまんじゅう」を提案しました。しかし一緒にいた友人(北本/鴻巣出身)はそんな食べ物は知らん、まんじゅうを焼くとは何事だと言い出しました。そこで私は身の潔白を証明すべく焼きまんじゅうの屋台を探しました。
すると、ないのです。地域限定の「フライ」や、はたまた「ゼリーフライ」の屋台はあるのに「焼きまんじゅう」がないのです。ようやく端のほうに1軒だけ発見し何とかその存在は証明できたのですが、私にとって物心ついたときには「お祭り=焼きまんじゅう」という等式が成立していただけに、それが地域限定の食べ物であるというのはショックでした。
その後、埼玉各地の出身者にアンケートをとったり、予備校(高崎)でリサーチをした結果、「焼きまんじゅう」はどうやら群馬が震源であり、それが中仙道に沿って埼玉県北部にまで流布しているようですが、もしかしたら他にもどこかに飛び地があるかもしれません(大学で札幌を経て東京都在住 ゆきひろさん)

というメールの後にはこれ。

焼きまんじゅうの断面
ご意見 屋台といえば群馬には昔も今も必ずあるのが、「焼きまんじゅう」という食べ物です。何かふくらし粉を効かせてふわふわ、すかすかした生地の平たいおまんじゅう(といっても中身はなにもなし)を、太い竹串に3つほど刺し、甘辛い味噌だれを表面に薄く塗って、炭火で焼いたものです。
焼きたての熱々を、ハフハフ、アジアジ言いながら、口の周りじゅうこげた味噌だらけにして食べます。そういえば「味噌づけまんじゅう」と呼ぶ人もいます。
この屋台からは味噌の焼ける強烈な香りが立ち込め、それを上州名物・空っ風が遠方まで運んで、群馬県人を強力に吸い寄せる効果があります……近隣各県にも同じものがあるのかどうか、それも気になるところですがわかりません。
前橋には店で食べさせる専門店もあるそうですが、私などの感覚では、わざわざ店に出かけて食べるものというよりは、本当に縁日やイベントの屋台とか、スーパーの店先などで見かけるものですねえ(日野みどりさん)

群馬の焼きまんじゅうが浮上した。どこまで勢力を伸ばしているのか。ゆきひろさんのメールによると中山道経由で埼玉北部まで浸透しているそうだ。食べ物は人が運ぶ。道路や川や海に沿って。その辺りがよく見える話である。

どんど焼き
ご意見 我が故郷、山形にも変わった食べ物があります。知ってる人は知っている、名物"玉こんにゃく(玉コン)"。これは、縁日系と言っていいのかどうかもわからないほど普通に食する機会が山形にはあります。ちょっとした観光地や人が集まる施設(温泉、道の駅とか)で普通に売っています。
さて、この玉コンなるものですがこれは玉状のこんにゃくを醤油で煮たものを団子のように串刺しにし、からしをつけて食すものです。この玉コン+芋煮会があるからか、山形はこんにゃく消費量日本一であるほどです。
また、ちょろっと既出ではありますが、甘くないクレープ状のものに海苔、紅ショウガ、魚肉ソーセージの薄切りなどを載せて割り箸でくるっと巻き上げるものが縁日で売られております。ちなみに山形では"どんど(ん)焼き"と呼ばれております(特に年配の方はそう呼ぶ)。
これからの季節、山形ではお祭りがそれはもうたくさん開かれ、その先々でこれらの縁日系食べ物が売られることでしょう。あー、玉コン食いたい!(玉コン普及委員会さん)
山形の玉コン

神田の駅前に山形の酒「住吉」を飲ませる店があります。その店では年中「玉コン」が出ます。「どんどん焼き」はそのまんま検索すると写真がのったサイトがヒットするはず。「山形名物」なんだって。

神田といえばあの「焼酎のそばつゆ割り」を一生懸命作っていたおばさん、お店がなくなった後はどうしてるかなあ。

関西の縁日系焼き鳥はこんな感じ。

今治やきとり
ご意見 今年のお正月に京都・奈良方面に初詣旅行に行きました。橿原神宮へ行ったとき、参道の出店の中に薩摩地鶏の焼き鳥と書かれた屋台がありました。25-30センチほどの串に3センチ角ほどの肉が5個ぐらい刺さったものを鉄板で焼いていました。
500円位で結構高いと思いましたが、お腹がすいていたのでどれどれといただきました。
これが意外と本格的な地鶏っぽさで、歯ごたえと味もそこそこ。臭みがなく、おいしかったのです。関西では、一般的な屋台ですか?(山本さん)
アイロンで押しつけながら焼く

鉄板で焼く串刺し焼き鳥は関西、特に大阪のものです。アイロンの親戚のようなもので押さえていませんでしたか? 上下同時圧着加熱方式です。これが瀬戸内海を渡って今治に伝わったというのが定説です。

大阪の居酒屋には鉄板を備えたところが結構あって、焼き鳥はもちろんイカ、ゲソ、野菜炒め、モツ、とんぺい焼きなど何でも焼きます。モノによってはドーム型の金属製の蓋をしたり、なかなか芸が細かいのです。それにしても鉄板の活躍ぶりは相当なものです。鉄板はエライ。

さあ、この辺で新潟に目を転じよう。かつてどこかで出てきた物件ではあるけれど。

ぽっぽ焼き=PIXTA
ご意見 新潟でお祭りの食べ物って言えば、「ぽっぽやき」をはずせないでしょう。黒砂糖を使った、要は蒸しパンなのですが、20センチほどの長さで太さは親指くらい。お値段は3本で100円です。みんな1000円分くらい買うので、並ぶ並ぶ。
新潟と言っても下越地方に生息する「ぽっぽやき」。作ってるヒトによって味が違うので、どの店にするかは重大問題なのです。ちょっと前は割烹着や白衣を着た中年以上のご夫婦ってな感じが「うまかった」のですが、どうやら業界の方々もそれに気づいたようで、最近はそれっぽい店が増え、従ってそういう店でも不味い店ができ、なかなか難しい時代になってきました。
うまくできたてに当たると熱々、外側カリッ的、中はふんわり、すごくおいしいです。と、小さいころからすりこまれてんだなぁ(矢作ちかぶーさん)

ここで何か言おうかと思っていたら、名古屋のあの方から紙爆弾的メールが届いていることに気づいた。ちょっと長いがほぼ全文掲載。コードすれすれ。一部伏せ字あり。

焼きラーメン=PIXTA
ご意見 【その1.「新潟名物」屋台の「ポッポ焼き」】
新潟市内ではポッポ焼きと呼ばれ、それ以外の新潟東部では「蒸気パン」と呼ばれる代物。東京でも横浜でも名古屋でも、とにかく新潟東部以外の土地では、まったく見かけたことのない「新潟限定の屋台メニュー」です。
モウモウと蒸気を立てた「専用ポッポ焼きマッシーン」で作ります。ちなみに、この「ポッポ焼きマッシーン」は一般に形が決まっているものではなく、それぞれの店が、自分のニーズに合わせて工場に「特注」して作ったもので、「フルカスタム・ゴージャス・マッシーン」なのです。(ちなみに私のダンナは「今週のビックリ・ドッキリ・メカ」と呼ばれています。私は「ドロンジョさま」と呼ばれています。トンズラとボヤッキーはいません。現在募集中です)
ポッポ焼き自体は、縦長の、ちょっと見には「バナナカステラ」風のビジュアル。お味は「黒砂糖? きな粉?」といったカンジの素朴な味わい。お値段は30本で1000円くらいが妥当価格とのこと。
【その2.博多・中洲の「焼きラーメン」】
かれこれ30年くらい前、本気で「中洲産業大学」が存在すると信じていた私くし。中洲産業大学は実在しませんが、現実の「中洲」は大学よりもさらにディープなことを学べる「魔窟」だと、現在は確信しています。ということで「焼きラーメン」。
実際これの噂を聞いて、一昨年、今は亡きジョー・ストラマーのライブを観た帰りに、名物屋台=「小金ちゃん」に行って食べてみました。食べる前は「とんこつ味の博多ラーメンが焼いてある」と勝手に信じ込んでいたのですが、ソース味でモヤシやキャベツ入り「焼いた麺」の上に、博多名物アオネギがワサッとのっかっていました。想像とは違っていたけど、これはこれで美味しかったです。価格も500円くらいだったかな?
実はここで感動したのは、「明太子玉子焼き」でした。これはウマかったなあ。余談ですが、このサイトの常連・JIROMALさんちでいただける玉子焼きも絶品です。隠れた名古屋名物です! 本当です。 ね、デスク?
あとこの前、新宿ロフトに行った帰り道、10年前の杉本彩みてえなボンデージ着て、歌舞伎町を職安通り方面に向かってフラフラしていたら、「ヌヌ子玉子焼」なる屋台っぽいお店の看板を発見しました。一見「双子」、よく見ると「ヌヌ子」……。
韓国惣菜の屋台で、おにぎりとかもあったみたいです。また行ってみてもいいのですが、この界隈を歩くとすぐにホストが寄ってくるし、知らんおっちゃんが寄ってきて「××パブなんだけど、ウチで働かない?」とか、「どこの××クラブ? ウチ、結構、条件いいよ?」とか、やたらリクルートされそうになるので困ります。デスク、代わりに行って確かめてきてください。エミー隊員はやめてください。危険です。気になって、まつげが「名古屋巻き」になりそうなので、ヨロシクお願いします。それではまた。バイバイキ~ン(名古屋のデパガさん)
JIROMALの卵焼き

今回は鼻毛は抜けていないが、まつげが名古屋巻きになっている。次はどの手でくるのだろうか。

デスクお答え 「ドロンジョさま」ですか、ヤッターマンもびっくりですね。JIROMALさんの卵焼きはホントうまかったです!

明太子卵焼きは、実はうちの母がよく作ります。単に卵焼きの中心にほぐした明太子と分葱(わけぎ)を仕込んだものですが、なかなか美味です。明太子がないときはタラコになったりもします。

んで、新宿ロフト? ちょくちょく行ってましたよ。あの当たりは風俗店多いですからね。一度僕の手をつかんでどーにも離さないという恐怖の客引きに捕まって以来、ライブ後は新宿コマ劇場裏の人通りの少ない道(別な意味でけっこう怖い)を通って帰るようにしていました。ということで、「ヌヌ子卵焼き」には出合ってません。

双子の卵

歌舞伎町? 現代日本の明るく正しいおじさんは行かないのだ。神田があるじゃないか。

大阪の豊下製菓の豊下さんが、今週も写真をたくさん送ってくださった。すべてお彼岸のにぎわいの中で撮っていただいた。ありがとうございました。ところで、四天王寺のお彼岸ではこんな屋台も出たそうな。

このヒト、面白いんだって(豊下さん提供)
ご意見 お彼岸の四天王寺さんにいってきました。毎月21日に弘法さんといって賑やかな市が立ちますが、お彼岸の間は長くやってるし、また特別混み混みです……おばあちゃん&おばちゃんを中心にものすごい人! 
みんながんがんお参りして、がんがん市の方に突進して、がんがん交渉して(「もっとまからんの?」「そんなせっしょうな~」もしくは「そんなん言うんやったらもう買うていらん!」など)どんどん熱くなっていきます。
屋台の特徴は、やっぱりお寺さんなのでお線香にろうそく、高野槙なんかも多く、あとおばあちゃん専科といった風の肌色で暖かそうな下着屋さん、各種ゴム&ひも屋さん、乾物屋さんなどが多いです。警察も「行方不明の方さがします」という屋台を出していました。
食べ物やさんでは、芭蕉せんべいというのがありました。ピンクとグリーンの葉っぱ状のものがそれで、あぶるとビヨービヨーとのびて倍程の大きさの、ほの甘いサクサクしたおせんべいになるというものです。このおじさんがまた達者で、私をネタに色目を使ったりちょっとエッチなこと言うて実演し、お客さんを集めてました。なんとも不思議で恥ずかしいものでした。豊下さーん、あれはなんでできているのでしょうか。教えてください(もはや南河内人さくらさん)
カラフルな芭蕉せんべい

警察の屋台とはすごい。これは迷子を捜すのではなく、何年も行方不明になっている人を捜すという意味ですね。場合によってはジケン発覚。でも、こんな人込みで「実はウチの誰々が行方不明でして」と相談するくらいなら、警察署に行ったほうが静かに落ち着いて相談できるような気もします。天王寺署の皆さん、余計なこと言うて、えらいすんまへん。

入社して最初の配属は大阪社会部でした。天王寺動物園にある動物園記者クラブに所属していました。ライオンと虎(タイガー)を人工的に交配させた「ライガー」が誕生したなどという記事を書いた記憶があります。動物園もむちゃやってましたね、昔は。

芭蕉せんべい屋台の人は、豊下さんによると寅さん級に面白いんですって。

芭蕉せんべいは大阪だけ? 次々に新たなテーマが浮かんでくる。想像以上の中身になりつつある。

うれぴー!

(特別編集委員 野瀬泰申)

[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]

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