アイス、和の味で食べ納め 塩、みそ、醤油、唐辛子…
もうすぐ夏も終わり。この季節になると思い出すのが小学校の夏休みの記憶、それに夏休みが終わるさみしさだ。
「ダブルソーダ」をかじりながら自転車をとばした帰り道。駄菓子屋でおこづかいを握りしめて買った「ホームランバー」。キャンプの夜にみんなで食べた「ブラックモンブラン」。
「ブラックモンブラン」は九州限定だなんて、大人になるまで知らなかった。そうやって振り返ると、夏の思い出のそばにはいつもアイスがあって、無性にアイスが恋しくなるのだ。
ところで最近のご当地アイスには和風アイスのニューカマーが多いのをご存知だろうか。
長野県塩尻市の「あやみどり塩ソフト」は塩尻で産まれた緑大豆「あやみどり」と、塩尻の名前にもある塩を使ったもの。塩ソムリエが目利きして選んだ天然塩をソフトクリームにふりかけ、あやみどりで作ったソースをトッピングする。
軽くかき混ぜて食べると、甘さを想像してのぞんだ舌が一瞬びっくりするが、ソースにはずんだ餡にも似たつぶつぶ感があり、ジャリっとした食感と甘じょっぱさが未体験のおいしさ。
群馬県名物である「焼きまんじゅう」は団子のような饅頭に味噌だれをつけて香ばしくあぶったもの。
まんじゅうと名がつくものの、中にあんこは入っていない。みたらし団子の味噌バージョンといったところか。これを大胆にもパフェに投入したものが「焼きまんじゅうパフェ」だ。
バニラアイスに焼きまんじゅうの味噌だれをまぜながら食べると、意外なくらいマッチする。アイスにしょっぱい和の調味料は好相性なのだ。焼きまんじゅうのあたたかさでアイスが溶ける前に召し上がれ!
「アイスにかける醤油」が販売されているほど定番となった醤油アイスは自宅でも簡単に作れる。
煮切ったみりんに醤油をあわせてとろみをつけ、バニラアイスにかけるだけ。これだけで、みたらし団子ともキャラメルともつかない和洋折衷の味わいになる。
長野善光寺や秩父の味噌アイス、金沢や川越の醤油ソフトなど、観光地でも和風アイスが人気だ。さあ、夏が終わってしまう前に、アイスを食べ納めしておこう。大人のアイスは和風で決まりだ。
(日本の旅ライター 吉野りり花)
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