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お好み焼き、焼きそば、たこ焼き ご飯のおかずどれ?

たこ焼き・お好み鉄板系(1)

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NIKKEI STYLE

当サイトが危機を迎えている。今週もメールはどさっと届いたのだが、本題に関するものはほんのわずかで、あとは「本題と関係ないですが」という書き出しのものばっか。大変だー。

怒っているわけではない。でも来週もこんなだったら怒るかもしれない。怒って酒飲んでぐれるかもしれない。よーし、ぐれてやる。ぐれてやるぞー。

さっそくデスク乱入 酒飲むのもぐれるのも、怒ってる時だけじゃないと思うんですけど……。特にお酒はただの「生活習慣」ですよね? 揚げ足取りはともかく、関東代表としては、もんじゃ焼きなどの話題をお寄せいただいて、西日本のお好み焼き・たこ焼きに対抗していただきたいところです。

じゃあ言い直しましょう。飲んで生活習慣してやるー。

本題直撃の数少ないメールを紹介する。

ご意見 当方が学生時代を過ごした町のお好み焼き屋さん。当時は必ずお客が自分で焼くのが鉄則。豚玉、イカ玉など卵もオプションだったような気がする。何しろ当時、卵1個の値段は市電の運賃と同じ程度だった。当然のこと高価だったマヨネーズをかけるという風習もなかった。ただ、粉カツオや青海苔はかけ放題だったような気がする。また、ほとんどが夏は氷屋さんに変ったような記憶がある。
 かつて、タコの暴騰でタコの代わりにイカ、コンニャク、たくあんなどが代用された時代がある。やっぱりタコが良いようです(ナニワのオジンさん)

タコの代わりにイカならまだいいとして、浜松のお好み焼きではないのだから、刻みたくあんがたこ焼きの中に入居したりするのはいかがなものであろうか。

いつの時代かわからないが、コンニャクというのもコンニャクの感、もとい今昔の感がある。

名古屋の事情をあの方が……。

ご意見 (1)お好み焼 まず、名古屋のお好み焼きは具と粉をまぜる大阪式ではなく、粉と具が別の広島式です。広島焼きはキャベツとそばがのりますが、名古屋はキャベツと豚バラなどの具に卵がのったものです。ソースは大阪風です。
 ここからが独特です。普通は鉄板の上や皿にのせて食べたり、持ち帰ると思うのですが、名古屋式はハンバーガーの入っているような袋(アルミで加工している)にお好み焼きを入れるのです。また、形も円形でなく四角い。効率よく多く焼けるかららしいです。
(2)たこ焼き たこ焼きというと「外はかりっと中はとろり」が一般的だと思いますが、名古屋で昔からやっている店のたこ焼きは、焼く前に大阪のお好み焼きのようにキャベツなどの具を入れてそれから焼くのです。そして、タコを入れて焼くのですが、形が丸ではありません。また、中もしっかり具が入るので中はとろっとはせず、大阪のお好み焼きのような感じです。これは、名古屋だけでしか見かけない食べ応えのあるたこ焼きでしょうか。醤油味、ソース味の両方を見かけます。ちなみに、今のところ味噌味は見たことありません。
(3)お好み焼き・焼きそば=おかずの境界 よく、関東でお好み焼きや焼きそばをおかずにご飯を食べるのはおかしいと聞くのですが、どこまでがご飯と一緒に食べるのでしょうか? 少なくとも私の周りはご飯と一緒に食べてますよ(愛知県 社会人2年生さん)

この方が最初にメールをくださったとき、まだ学生さんでした。ぱたっとメールが来なくなったと思ったら、就職して仕事を覚えるのに必至でこのサイトをじっくり読む暇もなかったという事情があったようです。そして社会人2年生になると余裕もでき、毎週のようにメールをくださいます。お目にかかったことはないのですが、なんだか我が子の成長をみているような、というかオレもどんどん年取ってるなというか、ああ人生やなあー。

そんなことより、名古屋のお好み焼き。私は四角い物件に遭遇したことはありませんが、中には四角く焼いて切って出すお好み焼きもあるようですね。以前、息子が台湾で見たお好み焼きは四角でした。丸く大きく焼いたものを切って出していたからです。かなり似ていますね。

名古屋のたこ焼きにキャベツが入るということは日本コナモン協会の熊谷真菜さんから聞いていましたが、丸くないという話は初耳です。だ円形のものもある?

ここでデスク乱入 関東というか首都圏では、お好み焼きや焼きそばで白いご飯を食べるのはレアだと思いますよ。一時「そばめし」という焼きそばにご飯を混ぜたものがはやりましたが、首都圏から一度も出たことがない私にとっては、混ぜるだけでも違和感が強かったですから。鍋のぞうすいのように、ひととおりコナモンを食べた後の「締め」が焼きそばというイメージで、そこにそれ以上の炭水化物の入り込む余地はないですね。

高知の事情はこの方から。

ご意見 「お好み焼き屋」は「関西風」と「広島風」が混在してます。「たこ焼き屋」は関西風ですが、「明石焼き」はありません。
 高知では昔から、高校の近くに必ず鉄板を備えた店屋があり、お好み焼き、焼きそば、うどん、ラーメン、夏はカキ氷、冬はおでん……などが定番メニュー。部活帰りにはよく寄ったものです。お好み焼きの種類は豚玉、イカ玉、ミックスくらいだったでしょうか。
 そういえば、「大阪万博」のころ、デパートの屋上で売っているたこ焼きが高知で一番高級で1個20円でした。当時、場末の屋台のたこ焼きは1個5円でしたが、具がイカのゲソでした。名前はたこ焼きと言ってました。ちなみに大阪風の「イカ焼き」はありません(恒石さん)

ゲソが入っているのにたこ焼きと言い張っていて問題は起きなかったのでしょうか。でも、こんな姿でもチャンポンを名乗って問題になっていないくらいですから、よかったんでしょうね。はい、この写真をご覧ください。川野辺さんが宮崎県西都市の概念拡張型チャンポンの写真を送ってくださいました。アメリカンドッグにイカゲソ天、えび天まで入っています。豪華と言って言えないこともないが、私はなにか悲しい……。

あんず焼きはご存じだろうか。

ご意見 ずっと気になっていた物件があります。いまから20年ほど前、当時勤めていた会社で仕事が終わってから仲間とみんなでボーリングをやる機会が何度かありました。上野池之端にあるボーリング場に予約を入れてから、たいてい待ち時間を近くの御徒町(おかちまち)のお好み焼き屋さんで過ごしました。
 ビールをくびくびやりつつ、お好み焼きを食べ、最後の締めに「あんず焼き」を注文していました。お好み焼きの生地を鉄板に薄く敷き、その真ん中に駄菓子によくあるシロップで甘く煮たあんずをのせます。あんずを生地で包むようにしてできあがり。その店のおばあちゃんが作ってくれるのです。クレープの原型のようなもので、これが妙になつかしい味がして、お好み焼き屋さん発、絶妙の「デザート」なのでした。御徒町のあの古い店はまだ存続しているのか、あの店以外で「あんず焼き」は食べられるのか。うーむ、です(橋本さん)

「あの店」ということなら、このメールは紹介しなければならない。本題から一瞬離れる。

ご意見 (先週の)「まいける」様のメールにある北大前の喫茶店ではホイップクリームを出すだけではなく、ミルクセーキもメニューにありました。食べるミルクセーキではなく牛乳・卵黄・砂糖・バニラエッセンス・氷をシェイカーで混ぜて出す、飲むミルクセーキです。クリームもミルクセーキもどちらも札幌では他にあまり(ほとんど)見ないので、札幌方言ではないと思います。
 ほかに、ようかん付きの昆布茶もメニューにありました。変な喫茶店でした。デフォルトでウインナコーヒーなので、当然メニューにウインナコーヒーはありませんでした。アイリッシュはありましたが。
 あのう、その北大前の喫茶店は「ブラジル'71」といい、私の実家です。店は祖父と叔父がやっていました。そしてつい先日、33年の営業を終了し閉店したばかりなのです。閉店の際には、地元の新聞社が取材に来てくれました。実家の話によると、閉店を惜しんで来てくださったお客さんの対応に追われ大忙しのてんてこまい中だったので、あまり丁寧に取材に応えることができなかったらしいですが。
 30年以上も前のことを覚えていてくださるかたがいてうれしいです。でも正直言って実家のことを「全国ネット」で読むとは思いませんでした。びっくりしました(ブラジル育ちさん)

私も驚きました。ご実家だったんですか。どこで誰がこのサイトを読んでくださっているのかわからないので、予想もしないことが起こります。以前、私が高校時代に通っていたO食堂のことを書いたら、経営者の娘さんとご同僚が「奇行」読者であることが判明しました。日本は広いが世間は狭い。

本題に戻る。

ご意見 「たこ焼き・お好み・鉄板」というと、「コナモン」のイメージですが、あえてコナモン以外の情報を。
 名古屋のみそカツの店「矢場とん」に「鉄板とんかつ」というメニューがあります。熱々に焼いた鉄板の上にキャベツを敷いて、揚げたカツをのせ、仕上げに味噌をかけるというものです。かつて名古屋の「矢場とん」に行ったときにはこのメニュー以外のものにトライしたので食べたことがありません。そんな矢先、ふらふらと歩いていたら、銀座に「矢場とん」の支店を発見しました。ここはひとつ、「シロ」のときのように、現場に急行してみなくては……。
 あと、鉄板で思い出すのは台湾の屋台で食べた「カキの鉄板焼き」です。屋台では有名なメニューだそうですが、これはとてつもなくおいしかった。日本の縁日とかでも出してくれないかなあ(ミルフォードさん)

名古屋における鉄板はユニークである。矢場とんの鉄板はおそらく木の台座にのったステーキ用のものであろう。名古屋を中心に展開するステーキチェーン「あさくま」にこの鉄板が登場したときは衝撃であったと愛知県出身の同僚は言う。彼の父親は鉄板にのって出てくるステーキがお気に入りで「テキ食いに行こみゃー」と家族を誘ったのだそうである。ステーキではなく関西同様「テキ」であることにも留意したい。

この鉄板は鉄板ナポリタンの鉄板でもある。まず熱した鉄板に溶き卵を広げふわっと焼いたものにナポリタンをのせる。焼きそばでもこのバージョンが見られる。

さらに、現在もあるのかどうか知らないが中村区のお好み焼き店Tの鉄板の上に油を敷いて作るカツ丼も忘れられない。衣をつけた豚肉を鉄板で焼き、特製のつゆに漬ける。そのつゆで別に煮たタマネギと卵をかけるのだが、確かご飯にコンニャクが入っていたと思う。

鉄板と言えば大阪であろう。串ではなく鉄板で焼く焼き鳥は大阪発祥のようである。現在は今治でも大活躍している。関西に驚愕の鉄板系物件があるような気がしてならないが、さてどうであろうか。

ご意見 オランダのお好み焼きを紹介したいと思います。え、あるの? という声が聞こえます。そうです、あるのです。こちらは鉄板を使わず、フライパン(これ専用の厚みの薄いフライパンが存在するほど)で焼きます……オランダ語でそれはpannekoek、パンヌクックといいます。英訳すると、パンケーキです……どちらかというと厚みのあるおかずクレープと想像していただきたい代物です。もちろん95%が甘党の国民性?、当然このパンヌクックにも甘いものもあります。質素ナンバーワンは、具なし生地にバターを塗り、粉砂糖をかけて丸めて食べる、です……具ですが、簡単ナンバーワンはベーコン。ちょっと手を加えるなら、これにおろしチーズを加えます……オランダ人にお好み焼き、日本のパンヌクックにはキャベツとネギを入れて魚介やお肉が入ると説明したところ、味が想像できないらしく、どちらかというと信じられないという感じでした。
 そして、オランダ・パンヌクックではこれにシロップをたっぷりかけます。日本の塩味に対して、こちらは甘味です……初めてこれを目にしたときには言葉が出ず、食したときには帰国後オランダには食べるものがないと豪語しました。ベーコンにシロップですよ。想像してみてください。できないでしょう??……さて、野瀬さんにはこれを"驚愕の物件"として認めていただけますでしょうか?(オランダ在住5年目さん)

びっくりしました。ベーコンにシロップもそうですが、メールの長さ、克明さに驚愕です。過去にいただいたメールの中で最長です。プリントアウトしたらA4にびっしり3枚。これだけ書くのは大変だったでしょうね。本当にありがとうございました。オランダの食事事情の一端をのぞかせていただきました。これからもどんどん送ってください。

デスク感謝 確かにすごい力作でした。感謝感謝です。ちなみにたまに行く東京・木場にあるもんじゃ焼き屋さんでは「チーズおやき」といってチーズ味のパンケーキ風のおやきを最初に食べるよう薦められます。おいしいお店ですが、最初が「お菓子風」というのには驚かされました。

ご質問を交えながら、その他のメールを。

ご質問 大阪にたこ焼き入りのパフェを出す喫茶店があると聞いたのですが、本当でしょうか? ソースはかかっているのだろうか? タコは入っているのだろうか?? と気になって仕方ありません。かつてシンガポールでクリームが生クリームではなくドリアンのケーキを食べたことがありますが、こういうご当地スイーツの世界は奥が深そうですね(りんりんさん)

あると思います。見たことも聞いたこともありませんが、そんなもんなんぼでもあると思います。大阪ですもの。たこ焼きのふるさとですもの。

神田に大阪の人がやっている何でも300円バー(前回書いたのは何でも500円バー)のメニューに「たこせん」というのがあります。大阪のアメ村(アメリカ村)で人気のせんべいで挟んだたこ焼きです。こんなものも普通に存在しているのです。

私は大阪で納豆やネギ味噌が入ったたこ焼きを体験済み。たこ焼き会席は3回も食べています。たこ焼き会席のデザートはタコが入ったシャーベットでした。

ドリアンですが、昨日、秋田県横手市からお客さんがあり、おみやげに「アイスドリアン」をいただきました。市内の小松屋本店の先代、小松平吉さんが戦争中、南方で食べたドリアンの味が忘れられず、復員後すぐにその食感をイメージして作ったものだそうです。ドリアンは入っていませんので、あの雲黒斎においはありません。それどころか乳固形分10%以上なので、すごくミルキーです。

誕生からかれこれ60年。2代目の小松貞吉社長は「昔は高級なアイスで子供たちのあこがれの的でした。でも今は値上げもかなわずミルクが100円、あずきが120円に据え置きです」と話しています。

社内で分けて食べたところ大好評。私も何年かぶりでアイスを口にしましたが、子供のころ年に1回か2回しか食べられなかったソフトクリームの味を思い出しました。

この写真の説明をしなければならない。外見は焼きそばである。豚のひき肉が入り、福神漬けと目玉焼きのトッピングとくればもう「横手やきそば」以外のなにものでもない。でも、これってケーキなんです。よくできているでしょ?

麺はモンブラン、土台がコーヒーゼリー。福神漬けに見えるのはチェリーの砂糖漬けをつぶしたもの。ひき肉はゴーフレットのような薄くてパリパリのお菓子をちぎったもの。目玉焼きは何だかわからないが、ともかくケーキ。

これも横手のお土産で、箱を開けてみたらあまりの精巧さに歓声があがった。あと「やきそばせんべい」もある。

横手といえば、いやでもババヘラへの期待が高まるのである。ここでババヘラの雄姿をご紹介する。銀河さん提供の写真である。早く会いたいなあ。

ご意見 宮崎では「レタス巻き」というマヨネーズを使った変わったお寿司があります。
 チキン南蛮同様、マヨネーズを使った郷土料理は全国的にも珍しいと思うのですが、どうなのでしょうか。
 喫茶店のお話ですが、宮崎市内の老舗喫茶店ではほとんどホイップクリームが必ず一緒にでてきます。牛乳のようなクリームがでるところは、比較的新しくできた喫茶店のような気がします(香@宮崎さん)

レタス巻きは宮崎市内の「一平寿司」が元祖と地元のグルメガイドに出ています。蒸しエビとレタスを巻いたマヨ味のお寿司。店主の友人の作曲家、平尾昌晃さんが野菜嫌いのため、こんなお寿司を考案して食べさせたとか。今度、平尾さんに確認しておきます。

宮崎もホイップクリーム地帯であることが判明した。VOTE結果が楽しみである。

変わりカツ情報。

ご意見 浅草へ行った際、仲店をあちこちのぞいたあと、ちょうど小腹が空いてきたので、目の前にあったとんかつ屋に入りました。ところが、偶然にもこの店は「変わりトンカツ」で有名な「カツ吉」という店だそうで、「納豆トンカツ」は序の口で「めんたいこトンカツ」「赤貝トンカツ」果ては「チョコトンカツ」まで、もう何がなにやら、めくるめく世界。
 早速メニューを写真に撮って「新日本奇行」へ報告しなくちゃと思ったのですが、女将さんが飛んできて「写真撮影はご遠慮ください」とのこと。しかたなく味のレポートとなりますが、赤貝トンカツ(1400円くらいだった)と朝鮮人参の唐揚げ(同じく500円くらい)、どちらも素材の香りが引き立ち、美味しく賞味させていただきました。カツは豚肉の間に他の具が挟まっているタイプで、ソースをつけずそのまま召し上がれということです……プリンアラモードとんかつは残念ながらありませんでした。あったら大変だ(夢の途中さん)

そうですプリアラカツがあったら大変です。ミルクセーキカツもない方がいいと思います。そういえばたこ焼きが挟まったとんかつをどこかで見たような記憶が……。

ご意見 岩手県の「卵めん」問題を読んで思ったのですが、普通は麺というのは、ゆでた後は時間との戦いのはず。"のびる"ことは麺の大敵。なのに時間を気にしなくていい"のびない麺"があるなんて。それでいいのでしょうか? これって"のびない麺"じゃなくて、もはや"のびきってる麺"ってことなんですかね……疑問です。
 この問題に初めて行き当たったのは、沖縄そばの作り方を知ったときでした。沖縄のそばは、ゆでてから油をまぶし広げて冷ましてから使いますよね。だから、そば屋さんはみな麺は前もってゆでておいて丼に入れ、注文が入ったらスープだけ注いで出せばいいんです。というわけで、沖縄のそば屋では、昼時の厨房は注文の有無に関わらず麺が入った丼がズラーッと並んでいる。この光景を初めて見たときには、事情を知らず驚きました。「麺がのびる!」と不安になったものです……。
 でも、そんなのは沖縄だけの話だと思っていたのに、岩手にもあったんですね、ゆでてから放置するという麺が! もしかして他のエリアでもあるんでしょうか。気になって眠れません。機会があったらお調べいただけると幸いです(さざ波★ぴかりさん)

ぴかりさんは雑誌のグルメ担当なのだそうです。お役に立たなければと思い「日本麺業団体連合会」に聞きました。「うちはうどんとそばだけの団体なんです。ゆでたてが大事な団体です。のびない麺のことですか? さあ、わかりません」という答えでした。「全国乾麺協同組合連合会」にも聞きました。同様の回答でした。

ゆで麺を作っている企業はどちらの団体にも所属しておらず、詳しいことはわかりません。

こうなったら、読者のみなさんのお力を借りるしかないようです。

ご意見 私生まれも育ちも大阪です。普段のおにぎりは俵型、お葬式のとき、ご近所が差し入れてくださるのが三角おむすびが決まりごとでした。先年亡くなった祖母(明治28年生まれ)は三角のおむすびなんかそうれん(葬礼)のときのもんやげんくそ悪いといっていました。桂米朝師匠の「けんげしゃ茶屋」に「めえ(あらめ)の炊いたんと三角の握り飯にゴマとは、こらそうれんやがな」というくだりがあります。
 しかし今ではコンビニでは三角のおにぎりが幅を利かせています。どうも三角が市民権を得つつあるようです。おにぎりは三角か俵型か大変気になります(大阪市在住 名前も大阪54歳さん)

ドメス出版から出ている『日本の風土と食』におにぎりの形状分布図がのっています。大まかに言って東京周辺は三角、関西は三角以外(俵、ボール、太鼓など)の形のものが多いようですが、三角以外のものは日本海側から東北まで広く分布していますし、岡山以西の中国地方、四国、九州は三角が優勢です。はっきりした東西比較はできません。ただ、大阪で葬礼と三角おにぎりが昔から結びついていたというのは重要な情報です。

ご意見 40年来のなぞがあるので教えてください。巨匠赤塚不二夫先生の名作「おそ松君」でちび太が串に刺したおでんをいつも持っていましたが、関東ではホントに漫画のように屋台が出て、串刺しのおでんを売っていたのでしょうか? そいでもって子供がおやつに買って、「ケケケッ」といいながら走っていたのでしょうか?
 そのころ住んでいた伊丹では、それまでは今でいうところのおでんを「関東煮(かんとだき)」と呼んでいたところ、「おそ松君」以降、親たちは「おでん」と呼ぶようになり、子供達の気を引いていた。当時、子供達は関東煮が嫌いだったけれど、ちび太のおでんに気が引かれて鍋に向かったものです(うちだけの話か……)。串に刺してみたけど、うまく食べられなかったなぁ……ところで、ところで、ところてんにソースをかけて食べる神戸の人、うちの父以外にいないのですかね。以前投稿したときに、げげっという反応しかなかったのがちょっと寂しかった。常識のあるまじめな父だったのですが……(大阪ひらかた・男性・47歳さん)

串刺しおでんお屋台はつい最近まで東京の公園なんかで見かけました。多分、今もどこかにあるでしょう。我が家も利用しました。子供がおでん、それをときどき横取りしながらお母さんはビール、お父さんはコップ酒。ほほえましい情景でしょ? でもうちの子供は「ケケケッ」とは言いませんでした。そう言うように教えておけばよかったと後悔しています。

おでん研究家、新井由己さんの『とことん亭のおいしいおでん』をめくったら室蘭、静岡、高知のおでんは串に刺さった状態で鍋に入っているようです。

東京でも店で食べるのであればお皿があるので串に刺す必要はありませんが、屋台や駄菓子屋で買い食いとなれば串刺しの方が合理的です。ちび太だっておでん屋のカウンターで一杯やりながらおでんを食べる場合は串なし皿ありだったでしょう。そしてビールを飲んだら「ケケケッ」ではなく「プハーっ」と言っていたと思います。

ところ天にソースはいずれ当サイトのテーマか脱線テーマになると思いますので少々お待ちください。

デスク疑問 ちょっと脱線してしまうんですけれど、銀座の某有名おでん店ではおみやげのおでんを缶に入れてくれます。「缶入り」おでんというのは、自動販売機の「缶おでん」の元祖なのかなぁとも思うのですが、いささか違和感があります。おでんのお持ち帰りって果たしてどんな形態が正統なんでしょうか? ご近所ならお鍋とか。それこそ串刺しでつつむとか……。

そういうことを真剣に考えているデスクのお多幸を祈る。

(特別編集委員 野瀬泰申)

たこ焼き・お好み鉄板系(2)「あんこにあんず、餅、ベビースター… 奥深いもんじゃ」に続く

[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]

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