簡単すぐできる 暑い埼玉のひんやりグルメ すったて
夏を乗り切るひんやりグルメ(1)
内陸の埼玉県は、岐阜県などと毎年最高気温を競うほど暑い土地柄。そんな埼玉ならではの、暑さを手軽にしのげるご当地グルメがある。「すったて」だ。
すったては冷汁うどんとも呼ばれ、ごまと味噌をベースにした冷たい汁に、うどんや冷や麦などの麺を浸して食べるもの。農作業の合間に、畑の作物や井戸水を使って作ったというだけに、調理法はシンプルで簡単。家庭でも手軽にひんやりした美味を味わえる。
すったての地元として知られる川島町にお住まいの長澤治子さんに、作り方を教わった。
今回の材料は、ゴマと味噌のほかはタマネギ、キュウリ、大葉、ミョウガのみ。いずれも、長澤さんの家庭菜園で穫れたものだ。
まずフライパンでゴマを煎る。いい香りが漂ってきたらすり鉢に移し、すりこぎでつぶす。
じゅうぶんに粒がつぶれたところで味噌を入れる。
ゴマと味噌がよくなじんだら、みじん切りにしたタマネギを投入する。家庭によっては長ネギの場合もあるという。細く切った大葉も加え、タマネギをつぶすようにしてゴマと味噌になじましていく。
最後にスライサーでキュウリを薄切りにして投入。これまた軽くつぶすようにしてなじませる。
もともとは畑近くの井戸水を使ったそうだが、今は市販のだしの素で下味をつけただし汁を、あらかじめ冷やしておいて注げば出来上がり。氷を入れるため、また漬け麺なので、味はちょっと濃い目でいいという。
ミョウガは好き嫌いがあるので、汁に添えて好みで入れる。
できたての漬け汁に、冷や麦を浸して食べる。さっぱりしているのに、すりごまのコクで味わいは豊か。キュウリや大葉、ミョウガの香りが食欲をそそる。
つるつるといくらでも食べられてしまうのだ。
もちろんお店でも食べることができる。川島町商工会では「すったてMAP」を作成、町内の店舗を紹介している。
すり鉢でごまをするところから自分好みに汁を作って食べるのは「そうま」。
「庄司」は盛りの良さが人気。うどんは400グラムの小盛りから1.2キロの特々盛りまで、腹具合によって選べる。トッピングの夏野菜が「タワー盛り」なのもうれしい。
なお、分量など詳しいレシピは、川島町商工会のホームページで。
(渡辺智哉)
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