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感謝の念、「ありがとう」の気持ちがあると、相手に何かをして差し上げたくなります。そんな「ありがとう」を、あなたはどう伝えていらっしゃいますか? 親しいがゆえに恥ずかしかったり、照れくさかったりで、素直に感謝を伝えられないときも、あるでしょう。

上司や先輩、何かとお世話になっている方には、かしこまってどう感謝を伝えたら失礼にならないかと、考えてしまう場合もありますね。そうこうしているうちに、「ありがとう」を伝えるタイミングを逸してしまう。

「改めて言わなくても、相手は感謝していると、分かっているはずだ……」。そんな風に、考えたことは誰しもあるでしょう。

しかし、心の中だけで感謝をしていても、相手には伝わりません。感謝は言葉にしてこそ、初めて伝わるのです。

今回は、感謝を伝えるちょっとしたコツを、ご紹介していきます。何かをしていただいたり、お世話になった時にどのように感謝を伝えたら喜んでいただけるかを一緒に、考えていきましょう。

感謝を伝えるコツ~基本編~

きちんとできているようで、怠りがちなのが、

1.すぐに「ありがとう」と伝えるです。

何かをしていただいたら、すぐにお礼を伝えましょう。

笑顔で相手の目を見ながら、明るい声で、語尾まではっきりと、「ありがとう」あるいは「ありがとうございます!」としっかり伝えるのがポイントです。

その際、「おかげさまで助かりました」や「お力添えに感激しました」「うれしいです」「光栄です」などを、「ありがとう」とセットにして使うと、より感謝の気持ちが伝わります。

そんなことは当たり前、できているという方が、ほとんどだと思いますが、背中越しに「ありがとう」と言われる。うつむきながら消え入りそうな声で、「ありがとぅ……」など。伝えられた経験をお持ちの方も、いらっしゃるでしょう。

誰しも、そういう態度にでてしまう危険性を秘めているととらえた方が、感謝の意味を考えることにつながります。そんな「ありがとう」には、心が感じられませんでしょう。義務感でしかたなく伝えている。感謝ができない人と、受け取られても仕方がありません。

2.「ありがとう」の出し惜しみはしない

単に、「ありがとう」と伝えるよりも、「ありがとう、本当に助かりました。ありがとうございます!」などと感謝の言葉は、ダブルで伝える。出し惜しみをしない。その方が、より感謝が伝わります。

また何かをしていただいたらすぐに「ありがとうございます」と伝えてから、別れ際にも、そのことを話題にして「本当にありがとうございました」と伝えると、相手にもお礼を言われたという印象が残ります。「感謝の余韻」を残すことは、あなたに好印象を抱かせるポイントでも、あるのです。

また、相手が帰社する頃合いを見計らい、メールで「先ほどはありがとうございました」「●●様のおかげで△△がはかどりました」など、具体的に感謝を伝えるのも良いでしょう。

3「ありがとう」は、多少しつこく伝えてもいい

お中元に銘菓を送っていただいたとしましょう。その際、品物が届くやいなや

「このたびは結構なお品を頂きありがとうございます」などと、お礼状を出す方もいらっしゃいますが、手紙であろうと対面で「ありがとう」を伝える場合でも、食べてみてから、感想を伝えるほうが、相手もうれしいものです。

たとえばお会いした時でしたら、いの一番に「この前は、ありがとうございました! 甘さが控えめで上品なお味ですね。甘いものが苦手な主人も喜んでおりました」と伝えるようにしましょう。

私は何かをしていただいた後、お会いする際には「ありがとう」の感謝から会話を始めるように、しています。

最初なので印象に残りますし、相手にとっては「お礼を言われた」ことで、コミュニュケーションが始まるのはうれしいものです。

ミスやトラブルを解決に導いてくださったり、貴重な知恵を授けて頂いたり、大変な事態に支えていただいた。人生の節目にかかわるような感謝しても感謝しきれない場合には、ことあるごとに、その折の思い「感謝」を言葉にするのもいいでしょう。

「照れるよ」「たいしたことを、していないから」などと、相手は言うかもしれませんが、感謝は多少しつこくても内心はうれしいものです。

感謝を伝えるコツ~応用編~

感謝は、実際にお会いして伝えるのが基本ですが、遠隔地にいらっしゃる方やどうしてもスケジュールが合わず、感謝のタイミングを逸してしまいそうな時には、別の形で伝える方法もあります。

1.プチプレゼントに「ひと言」を添える

お世話になっている人には、何かの記念日や誕生日などに、プチプレゼントを贈りましょう。相手との関係にもよりますが、

●価格の張らないもの

相手が恐縮してしまうようなプレゼントは、お返しやお礼など、余計な気を使わせる。迷惑をかけるばかりです。

●お菓子やワイン、お花など形が残らないもの

お菓子は日持ちがする、ワインでしたら白と赤をセットにしておめでたい感を演出する、花でしたら、そのまま飾れるアレンジメントもお勧めです。

●文房具やシューズクリーナー、携帯電話やパソコン周りのグッズ

仕事に役立つものを視点に選ぶといいでしょう。

「●●できるのも○○さんのおかげです」「私で役に立つことは遠慮なくおっしゃってくださいね」など、「ありがとうございます」にプラスして言葉を添えると、感謝の思いは、確かに深く相手に届きます。

2.ギフトカードや一筆箋のお手紙を贈る

手紙を書いたり、カードを添えるのは苦手と言う方もいらっしゃると思いますが、その分気持ちが伝わります。

気軽に素直な思いをかわいらしいカードや一筆箋にしたためましょう。その際、お礼の言葉と共に「あの時、●●していただき、とても助かりました」などと具体的な事柄を示すほうが、単なる「ありがとう」の言葉よりも響きます。

第三者を介して伝えるのは究極の感謝の方法

お世話になったことの感謝を本人にしっかり伝えた上で、共通の友人や知人にも「あの時、○○さんに助けていただいた」「お世話になった」と話題にします。すると、相手の印象が良くなりますし、自然と伝わっていきます。

自分を陰でほめていたと知ると、その方はあなたの気持ちをうれしく思い人間関係はより円滑になります。

感謝の気持ちを伝えるときには、素直で身の丈に合ったシンプルな言葉が基本です。

そして必ず、

●お礼の言葉「ありがとうございます」「ありがとう」

●相手の具体的な行動「●●をして下さって」「●●のおかげで」

●自分がどのようにうれしかったのか? 「難題を解決でき安堵した」「前向きに考えられるようになった」など

3つのポイントを伝えるようにしましょう。

「ありがとう」を期待して、行動する方はいないですが、感謝されるとうれしいですしもっと役に立ちたいと思うものです。特にビジネスの場での人間関係では、「感謝をきちんと伝える」のは、大切なことです。

 「臼井流最高の話し方」は水曜更新です。次回は7月27日の予定です。

[2016年7月5日公開のBizCOLLEGEの記事を再構成]

臼井 由妃(うすい・ゆき)
1958年東京生まれ。健康プラザコーワ、ドクターユキオフィス代表取締役。理学博士、健康医科学博士、MBA、行政書士、宅地建物取引士、栄養士。33歳で結婚後、病身の夫の後を継ぎ会社経営に携わる。次々にヒット商品を開発し、独自のビジネス手法により通販業界で成功をおさめる。日本テレビ「マネーの虎」に出演。経営者、講演者、経営コンサルタントとして活動する傍ら、難関資格を取得した勉強法も注目される。ビジネス作家としても活躍。著作は50冊を超える。

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