ドライカレー カレーチャーハン? 肉ルーのせご飯?
カレー(4)
今回はメールが多い。しかもほとんどが初めていただく方々である。よし、ニューカマー特集だー。
そんなに我慢ができなくなるまで悩む必要はなかったんですよ。ほーら、自供したら楽になったでしょ?
前回話題になったカレーの歌の正体が判明した。
「ライスが多けりゃライスカレー、カレーが多けりゃカレーライス~、食べたい時がウマイ時(即!)ハウスククレカレ~♪」
ハウスククレカレーのCMソングです。40歳代の方なら結構歌えるのでは?(東京の竹山さん)
同じメールを「広島出身のオッサン」さん、西宮の天田さん、「ばべる@babel19」さんからもいただきました。竹山さん、言いたくないことを言っていただいてありがとうございます。ハウス食品に聞いてみました。
歌っていたのは結城アンナさん。昭和47年8月から1年間の放映でした。結城アンナさんといえば俳優の岩城洸一さんの奥さん。今、岩城さんと一緒にカレーのCMに出ているあの人がそうなのでしょうか。
この年、私は何をしていたか。大学2年で寮の4人部屋にいました。部屋にテレビはありませんでした。だから、このCMソングは知りません。
寮の朝飯は60円、晩飯が90円でした。晩飯は事前に予約して料金を払い、各自棚に並べられたものを取って食べる仕組みでしたが、夜中の12時を過ぎると権利がなくなり、誰が食べてもいい規則です。その時間が近くなると腹が減った連中が食堂に集まってきます。
時計の針が12時を指すと同時に、それっと棚から冷え冷えの晩飯を取り出します。丼に盛られたご飯は表面がカチカチになっています。箸でご飯を突き刺すと、一粒残らず丼内部の型を取ったみたいにご飯がすくえます。それを、えいっと逆さまにして丼に戻すのです。おもむろにお湯をかけます。するとお湯の熱で固くなった底のご飯が蒸されて軟らかくなるのです。
晩飯に時々カレーライスが出ました。カレーライスのみです。サラダもスープもありません。遅くなって食堂に行くと、棚に銘々のカレーライスが置いてありました。ご飯もルーも冷えていました。
冷えたご飯に熱々のルーが好きな方がいらっしゃいますが、好き嫌いを超えて物理的に両方とも冷えているのです。ルーなんか固まっています。よくあんなものを食べたなあと思います。
書いているうちに何だか悲しくなってきました。青春を返せー。
京都からカレー情報3連発。
京都のカレー中華っちゅうかカレーラーメンです。双葉では「全てのメニューでそばと中華麺OK」とありますが、ということは天かすラーメンとかきつねラーメンとか月見ラーメンでもいいということ? かき揚げラーメン? いか天ラーメン? 卵とじラーメン? でもってラーメンスープじゃなくてそばつゆ?
私はラーメンもカレーも嫌いではないけれど、カレーラーメンは好きではありません。店にあっても注文したことがないのです。「皿盛りカレーラーメン」というメニューがあったのでその正体を解明すべく、いやいや頼んだのが唯一の例外です。ゆでたラーメンの麺を湯切りして皿に盛り、上からカレーライス用のカレーをかけたものでした。ラーメン版のカレースパ。結構つまんなかった。
カレーラーメンは食べないのに、カレー味のカップヌードルは好き。ボクってヘン?
カツカレーそばは名古屋で多数遭遇しておりますが、京都にもありましたか。
カレーそば(うどん)とドライカレーの定義に悩んでおられる方が少なくないようである。
しかし、ダンナは「ドライカレー」とは、カレーチャーハンみたいなものだと言うのです。私は千葉出身、ダンナは北海道出身です(タコタさん)
デスク行司 水入りだと休憩後に勝負再開ですが、ドライカレーだけに水入らず。勝負はどういうことに…。あ、またやってしまった。
誰かデスクに水でももってきてあげてー。冷や汗かいてるよー。
私のよく知っているカレーうどんは、前日の残りのカレーに水を少し足し、ぐつぐつしてきたらうどんを投入。よくからませて出来上がり!だったのですが……(うどん好きの関西人さん)
ドライカレーはかけるか混ぜるか。確かにどっちもありますね。ある人が、あるいはある店が「これがドライカレー」と言えばそうなんでしょう。どっちでなければいけないとかいうことがあるような、ないような。要するにわかんなーい。
そば(うどん)屋さんのカレーものと言えば、ライスでも麺類でも「だし」を加えないと格好がつかないと思います。そこがカレー専門店との違いでしょう。それにグリーンピースも3粒ばかりのっていてほしいものです。
丼であろうと平皿であろうと、うどん玉にカレールーをのっけただけのものは「カレーうどん」ではなくて「カレーとうどん」だと思います。メニューにそう書いてありませんでした? 書いてなかったでしょうね。でもこれからはそう呼びましょう。その方が腹が立たなくていいと思います。
おこちゃまカレー。
ソースは?と聞くと「あれはハイカラな味になるんやないけ」と言いました。いつの時代の人やあんたは、と思いながら彼の一家を観察すると、お父さん、相方、弟は生卵&ソース派でお母さん、妹、私はなんにもない派でした。生卵&ソースは男の子味なのか(大阪でも北摂育ち南河内在住 さくらさん)
生卵トッピングはカレーの辛さを和らげるためのものやんけ。そんで、子供が好きな食べ方やんけ。イッケーさんの両親は優しいやんけ。
前回は北京だったが、今回は上海のカレー事情。
もともと中国はカレー不毛の地で、中国人はカレーを食べないというのが定説になっている。それでもここ数年、日本の大手食品メーカーがカレー屋を出店し、上海でのカレーの普及に努めているが、まだまだ新しもの好きの若者が食べているだけで決して一般的に普及しているとは言いがたい(高知のNAKATANIさん)
私、食品サンプル事情を調べるために上海に行ったことがあります。カレー専門店ができておりました。写真を撮ってあるので載せておきます。見た目は日本のカレーと同じです。味はわかりませんが。
ついでに書くと、現在の上海では「日本料理」というのは金持ちにとっては一種のステータスシンボルで、若い層にはおしゃれな食べ物という位置づけのようです。熊本のラーメン屋さんが出店していたので入ってみました。ラーメンはもちろん、鉄板焼きや酒の肴なんかもそろっていて居酒屋風でもありました。そしてデザート類も豊富。
で、よく観察しているとカップルが多い。しかもラーメン食べた後、パフェみたいなものを注文して、いちゃついているのです。チューとかして。お手々ニギニギもしてました。
「ラーメン屋さんでそんなことするなー」と思いながら見ているうちに目があって、ニキビの男の子ににらまれたので、何とかかんとかーとわざと日本語をしゃべって「おれ、日本人なんだかんね。ラーメン食いなれてるんだかんね」と主張したところ、男の子は「おっ、ガイジン」みたいな顔になってその場はおさまりました。よかった。
コーヒーが飲みたくなったのでマック(関西ではマクド)に入りました。紙のコップに入ったコーヒーが出てきました。黒くて苦い液体でしたが、私が知っているコーヒーではありませんでした。漢方薬みたいでした。同行の人も一口飲んでやめました。
近くにサンドイッチのサブウェイがあったのでコーヒーを飲み直すことにしました。中国語がわからないので英語で「サンドイッチハーイリマセーン。コーヒーダケクダサーイ」と言いました。制服のお兄さんはニコニコしてうなずき、コーヒーをカップに注いでくれました。それを持って空いたテーブルに座り、まともなコーヒーがやっと飲めたと安心していたら、お兄さんがニコニコして、いろんなものがわんさと詰まったサブマリンサンドを持ってきたのです。
「ダカラー、サッキイッタヨーニー、コーヒーダケデイインデスー。サンドイッチハイリマセーン」とまた英語で言うと、お兄さんはニコニコとサンドを下げたのでした。再び安心してコーヒーをすすっているところへ、お兄さんがまた現れました。今度は壁にでかでかと「禁煙」と書いてあるのに、なぜか灰皿を持っているのです。そしてその灰皿を私のテーブルに置くと、ニコニコと去って行ったのでした。
上海で思ったのですが、上海って中華料理ばっか。当たり前ですけど。
デスクなんか悔しい トとんこつラーメンには、チューもニギニギも似合わない。似合わないんだってば! ところで、六本木あたりのイタリア料理店でうるうるしている2人を見て、イタリアの人はどう思うんでしょうかねぇ。「ペンネ・アラビアータは情熱の味」とか言うかしら。それとも「石持って来い」って…。
回転寿司で食べさせっこしているカップル見たよ。東京で。
てなことを書いていたら、いつもの枚数を超えてしまった。まだ未紹介のメール多数。次回に紹介しよう。
母は女学校でお客様にカレーライスを出すときはカレーとライスは別々の容器に入れなければ正しくない、と教わったそうです。戦前の女学校っていろんなこと教えたてたんですねー。私が舌心ついたころから我が家では自分のお皿には白いご飯だけが盛られていてクニャーと曲がった柄のついたお玉のようなスプーンで各自カレーをかけるシステムになっていました。
従って「ミルフォード問題」は起こらないハズ。その代わり、「混ぜこき問題」が重大問題。混ぜこき術に固執する父は「こうするのが一番おいしい」と家族の制止を振り切って「カレー粥」にして満足していました。混ぜこき術って山陰文化?(フロリダの「なXX」さん)
そんなもん、知らーん。
(特別編集委員 野瀬泰申)
[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。