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納豆に砂糖、入れますか そもそも納豆、食べますか?

納豆(1)

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NIKKEI STYLE

最近、発酵食品の威力について書いた本を読んだせいもあって、それ系の食べ物は積極的に食べるようにしている。キムチも容器に「発酵食品」と明記されたものは確かにうまいような気がする。酸味がいい。

ところがひとつ困るのはたくあんである。その本には「たくあんはすぐには発酵しないので、長く漬け込んだものを食べるべきだ。漬けてすぐのものは塩漬けの大根と変わらない」とあったのだが、スーパーに並ぶたくあんの包装のどこを見ても漬け込み期間が書かれていないようなのである。発酵食品か発酵前食品かの区別がつかない。

そこで「3年もの」とかの名前がついたやつを手に取ってみるのだが、やっぱり高い。賞味期限もさることながら、たくあんについては漬け込み期間がわかるように表示してくれるとありがたい。

その点、納豆はいい。全員発酵している。納豆菌が頑張っていることがすぐわかる。大豆の水煮との区別もすぐつく。しかし、納豆でも困ったことは起きる。

納豆単体ではなく、別の食べ物と合わせたときに問題が発生するのである。

例えば「マグロ納豆」。私がよく行く居酒屋で納豆だけを頼むと刻みネギとかつお節をかけ、練り辛子が付いてくる 。で、マグロ納豆を頼んでも辛子である。納豆と辛子は普通の取り合わせだが、食べ進むとマグロの刺し身も辛子味で口にすることになる。マグロはやはりワサビでいただきたい。

「イカ納豆」にも辛子が同伴する。イカ刺しだって辛子じゃなくてワサビで食べたい。では、納豆はワサビで食べたいかというと、そうではないから、辛子をワサビに代えても同じ悩みにぶち当たる。困るのである。

じゃあ、別々に食べればいいじゃないかと言われるかもしれないが、二つ頼むとマグロ納豆350円がマグロ刺し身600円+納豆250円=850円に跳ね上がるのである。こっちの方が深刻ではないだろうか。

この店では何でも辛子である。アジフライはフライそのものに辛子をまっ黄っ黄に塗りたくって出す。辛子をよけてソースをかけ回すこともできない。サーモンフライを注文してもフライの衣が辛子まみれ。サーモンフライはうちの社員食堂だって白いタルタルソース付きなので、辛子べっちょりのサーモンフライにはびっくりしたのであった。

せめて皿の端に塗るにとどめておいてほしかった。

「ここのおやじは辛子を塗ればいいと思っているな」という結論に達した私は以来、「冷ややっこ辛子抜き」「漬物辛子抜き」「目刺し辛子抜き」と何にでも「辛子抜き」をつけて注文することにした。だが、おかみさんは厨房のおやじに「冷ややっこ辛子抜きだって」というように伝えているところをみると、やっぱり全面的に辛子入り営業をやっているに違いない。

おっと、本題は納豆だった。

ご意見 元旦那は日本食大好きなアメリカ人でしたが、糸を引く豆は腐っていると言って、手も足も出しませんでした。ポークビーンズは喜んで食べるくせに、味噌汁は飲むくせに、と散々いびった記憶があります。でもこっそり作ってつまみに出した納豆の空揚げは、糸も引かずにぱりっとしていてわからなかったようで、ヘルシーフードだと言って喜んで食べてました。私がほくそえんだことは言うまでもありません(東京のあさちゃん)

まあ、普通日本人でも納豆に足は出しませんが、その方もやはり足は出さなかったということですね。よかった。「足」でふと思ったのですが、床に落ちた納豆を踏むのと、お散歩わんちゃんの落とし物を踏むのとどっちが気持ち悪いでしょうか……うう、考えるんじゃなかった。

ご意見 東京の下町で生まれ大人になるまで育ったので、子供のころ納豆売りのおばさんが売りに来た納豆と味噌豆は通常の朝ご飯でした。アメリカに移住し、納豆を食べる機会が一気に無くなったら、どうもあのにおいには我慢できなくなりました(中略)我慢すれば食べられるし、おいしいと思います。においだけが敵ですね(NYっ子さん)
ご意見 私は納豆は嫌いです。しかし父(長野出身・毎朝納豆を食べている)の話では「幼いころは両手を泡だらけにしながら納豆を食べていた。嫌いというのはおかしい。母親(鳥取出身・大の納豆嫌い)の陰謀に違いない」と怒っておりました(madoka178さん)

madoka178さん、お父さんの気持ちもわかりますが、母親が家庭内で陰謀を巡らせるとお父さんの力ではどうにもならないことが多いようです。諦めるしかありません。我が家もカミサンが嫌いな2、3の食べ物が完全に封印されています。外食のときも絶対食べない。「たまにはアレ食べたいな」と言っても「そんなもの食べなくても生きていけるのっ」という一言で撃退されます。

そしてうちの子は全員その2、3の食べ物が嫌いです。そうです、NYっ子さんのように食べる機会がなくなると嫌いになる、もしくはとくに食べたくなくなることは大いにあり得ることです。これが母親の陰謀の正体です。

ご意見 東京生まれ東京育ちの36歳会社員です。秋田の祖母は納豆に砂糖と醤油を入れていました。もっともトマトにも砂糖をかけて食べていたくらいなので、単なる砂糖好きなのかもしれません。私は塩と辛子を入れますが、少数派のようですね(atomuraさん)

私は進んではやりませんが、確かに納豆には砂糖という人がいるようです。作曲家F村徹さんは「砂糖を入れて400回かき回すと日本一の納豆になります」と言い、私が「個人の好みですか」と尋ねたら「この辺じゃあ、みんなやってますよ」と答えたのです。

「この辺」がF村さんの家の周囲100メートルなのか、栃木県北部一帯なのか、北関東全体なのかは聞き漏らしましたが、届いているメールを読んでも決して奇怪な行為ではなさそうです。その意味でVOTEの結果が楽しみです。

ご意見 我が家には「納豆娘」「納豆星人」とも呼ばれている子がいます。決して水戸の観光協会の回し者ではございませんが、納豆がないと機嫌が悪くなるほどです(中略)娘が最初に納豆を食べたのはなんと離乳食。(中略)保育園でも納豆ご飯は人気らしい(川崎の岩橋さん)

回し者ではないかもしれませんが、水戸の観光協会の人がこれを読んだら喜ばないはずはありません。なにしろ納豆星人は離乳食が納豆。そんな人は茨城県にもそうそういないのではないでしょうか。納豆がなくて機嫌が悪いときには、胸元のボタンがピコピコいったりするんですか。

VOTEについての異論反論オブジェクションが届いている。

ご意見 先祖代々大阪生まれの大阪育ちです。「納豆」に関してVOTEされるとのことなので、調査方法を変更していただけませんか。「納豆」は食べる習慣がないので調査(好き嫌い)の対象外ではないでしょうか? 少なくとも私の家族及び親族は「納豆」を食物とは思っていません(甘納豆は食べ物ですが)。食べる文化のない地域で食べ物としての好き嫌いを調査しても意味が無いです(中略)そこで提案ですが「好き・嫌い」で調査しないで「食べる・食べない」で調査していただけませんでしょうか。

水戸の観光協会の人……あっ、どっか行っちゃった。なるほど「家族及び親族は納豆を食物とは思っていません」という家族及び親族も確かにいらっしゃるでしょう。これはどの食べ物についても多かれ少なかれあり得る態度です。好き嫌い以前の問題であると、こういうことですね。わかりました。

わかりましたが、好き嫌いを聞くのと食べる・食べないを聞くのと果たして違った結果が出るのか、いま考えているところです。大好きな人はしょっちゅう食べるでしょうし、大嫌いな人は食べないわけです。好きでも嫌いでもない人は、あれば食べるということになるでしょう。すると、好き嫌いはそのまま食べる頻度や量にシンクロする気がします。食べ物と認めない人も結果としては、大嫌いな人と同じように決して口にしないわけでしょうから、「大嫌い」に投票してもらっても同じ数字になると思うのです。

つまり、私としてはどっちでも構いません。VOTEの選択肢を工夫します。

でも本当は大好きなのに近くに納豆を売っている店がなくてなかなか食べられないとか、大嫌いなのに家族に無理やり食べさせられている人はどう投票するんですかね。大好きだけど食べない、大嫌いだけど食べるというような選択肢まで作ると集計に自信がありません。

すき焼き関連のメールが続いている。

ご意見 すき焼きのあとの残りの処理。うどんを入れる場合や、我が家を含め大阪の一部の家庭では、ご飯を入れ肉汁をしみこませて食べることあり(大阪府箕面市 コンチャンさん)
ご意見 静岡出身です。(中略)実家では(タマネギは)入っていませんでした。白菜も。もちろんお麩も。変わったところだと、油揚げが入っていたことでしょうか? でも家庭では人気で、十分煮汁を吸った油揚げが取り合いになっていました(ブチ子さん)

「すき焼きに定番などというものは存在しない。よそで御馳走になったらどんなものが入っていても驚いてはいけない」というのが、前回VOTEをやってみての感想です。コンチャンさんも書いておられますが「すき焼きとは"好きに焼く"ということで、何を入れてもいいんとちゃうの」ということのようです。

「甘味」の余韻。

ご意見 九州の醤油には参りました。宮崎のシーガイア(当時)で大きな会議を開いたときの話。食事の試食をすると刺し身醤油が甘くて食べられない。すぐに甘くない醤油を用意させようと思いましたが、なかなかないというのです。困りました。なんとか間に合いましたが、先方の担当者になぜこの醤油ではいけないの? というふうに怪訝な顔をされました。醤油の甘辛分布をつくってください(ほりかわ じゅんさん)

ほりかわさんが醤油という物件を通して九州の「食の方言」にぶつかった瞬間ですね。醤油は日本人の基本調味料です。幼いころから慣れ親しんだ味はあたかもDNAのように身にしみこんでいます。

ほりかわさんは九州の醤油に閉口し、私は刺し身を食べるときは甘い醤油が恋しくなります。九州人としてほりかわさんのお気持ちを察するとお気の毒とは思いますが、でもこれは仕方がなかと。どげんもこげんもならんと。いま私の目の前にある福岡の某メーカーの醤油の原材料欄には「脱脂加工大豆、小麦、食塩、ぶどう糖果糖液糖、みりん、アルコール、調味料(アミノ酸等)、甘味料(甘草、ステビア)」と書いてあるとよ。ぶどう糖果糖液糖にみりんを加え、それでも足らんちゅうて甘味料まで入れとっと。笑ろうてよか。どげん言われても良か。ばってん、九州人はこれが良かとたい。好いとっとたい。ごめんね。

シーガイア(当時)の従業員は怪訝な顔をしたと書いてありますが、その人には自分たちが普段口にしている醤油が全国平均に比べて甘いものであるという認識がなかったから驚いたのでしょう。私も東京に出てくるまで甘い醤油で育ったということを知りませんでした。

逆に皆さんが日々使っておられる醤油、中でも地元メーカーの醤油の甘辛度はどの辺に位置するか即座にわかるでしょうか。ごく普通の醤油を使っているつもりなのに、実は日本一塩分濃度が高いものだったということもあり得るわけです。甘い、辛いの客観的な物差し(塩分濃度とか糖度とか)をもとに甘辛分布を調べるなら可能でしょうが、物差しは一人ひとりの主観しかないのでなかなか難しいと思います。本当はやれるならやりたい。でも以上のような理由で踏み切れないでいます。

ご意見 砂糖・塩の消費量についてですが、沖縄の砂糖消費量に黒砂糖は入っていないのではないでしょうか。調味料以外の砂糖や自家製砂糖の自家消費は統計に表れませんから。関西が減塩圏にも疑問が残ります。相対に薄味ではありますが、ソースや醤油をじゃぶじゃぶかけたり、ご飯に塩やふりかけをかける人は多いと思います。大阪は特に外食が多いですし、総菜屋も繁盛しています。塩・砂糖の家庭消費が少ないのは参考にならないと思います(豊下正良さん)

はい、これからは安易に参考にしません。脱帽です。

ご意見 しらたきと糸コンはどう違うのでしょうか。九州出身の旦那に聞いたら、しらたきは糸コンの不純物を除いた白いコンニャクと申しておりましたが、それでいいのでしょうか(お名前ありません)

広辞苑お答え しらたき(白滝) 糸ごんにゃくのさらに細く作ったもの。

広辞苑って、けっこう素っ気ないですね。簡単に言うと普通、コンニャクは四角く成形されて売られています。色白のも色黒のもあります。それを割りばしぐらいの太さに切ったのが糸コンニャクで、糸コンニャクよりもっと細くして春雨みたいな状態にしたのがしらたきということになるのでしょうか。

広辞苑の定義によれば、要は太さの問題ということになります。しらたきをスーパーで見てきましたが、確かに旦那がおっしゃるように白いものが多い。黒かったら「黒滝じゃないか」と言われるからかもしれません。

実はちょっと調べてみたのですが、どうも広辞苑の定義だけでは説明できない世界のようです。

「神奈川育ち愛知西三河在住40歳男性」さんから、重要な指摘をいただいた。市販のパック入り納豆には様々な「たれ」が付いているが、あれには砂糖が入っている。従って「かなりの確率でみんな納豆に砂糖を入れている」わけだから、そのへんをちゃんと考えないといけないという指摘である。

今回の「納豆に砂糖を入れるか」という設問は「添付のたれなどを使用するため結果として砂糖が入る」というのは除外する。あくまで砂糖と認識したうえで、自らの意図をもって自宅にある砂糖を加えるケースのみを問うのである。

NHKの塩田さんにお願いしていたことについて触れる紙幅がなくなってしまった。「肉」という言葉が地域によって何を指すのか、天かすと揚げ玉という呼び方の分布についてである。長くなるので次回に詳しく紹介する。それとは別に塩田さんからは「ニナリマス症候群」に関連してこんなメールいただいている。

最近ファミレスで「お水のおかわりは大丈夫ですか?」などと言う人が多くなり、気になっていました。で、全国調査したところ20%の人が自分でもこういう言い方をするという結果が出ました。地域的には北海道は36%、関東は29%となっていました(『放送研究と調査』2003年4月号)。「(ご一緒にお飲み物は)よろしかったでしょうか」という言い方も最近増えていますが、これは北海道で特に多く使われています(同2002年3月号)。ファミレスやコンビニでよく使われる「ファミ・コン方言」と北海道とに何か関連があるのか、いろいろ考えているところです。

これは新聞の方に書いたことだが、いつぞやレストランに入ったときのこと。蝶ネクタイをしたウエイターが料理を運んできて、にこやかに言った。

「どうぞごゆっくりお食べしてください」。

次の瞬間私の両腕は5メートル先に吹っ飛ばすくらいの勢いでちゃぶ台をひっくり返していた。チャブニチュード測定器の針が振り切れてしまったのである。「お食べだとー? 京都のお土産じゃないんだぞー。それを言うならごゆっくりお召し上がりくださいでしょうー」と心の中で血の叫びが上がり、沸騰する気持ちをなだめなだめしつつ料理をお食べしたのだった。

(特別編集委員 野瀬泰申)

[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]

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