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私の履歴書復刻版

即席めん人生――屋台の行列が道示す 苦労にめげず48歳の出発 日清食品創業者 安藤百福(1)

2014/3/24

当時、小麦粉で作るうどんやラーメンのめんは零細企業の仕事で、量産技術も流通ルートもなかった。有本さんは「それほど言うなら安藤さん、あなたが研究したらどうですか」と言われた。実は私自身もめんについて深い知識があったわけではなく、その場はそれで引き下がった。以来、屋台の行列と厚生省でのやり取りが心に引っ掛かって離れなくなったのである。

それから10年の後、機は熟し、ついに即席めんの開発に成功した。忘れもしない、58年8月25日である。商品名は「チキンラーメン」と名付けた。

即席めんの開発に成功した時、私は48歳になっていた。遅い出発とよく言われるが、人生に遅すぎるということはない。50歳でも60歳でも新しい出発はある。

私は今年91歳になった。振り返ると、私の人生は波乱の連続だった。両親の顔も知らず、独立独歩で生きてきた。数々の事業に手を染めたが、まさに七転び八起き、浮き沈みの大きい人生だった。成功の喜びに浸る間もなく、何度も失意の底に突き落とされた。しかし、そうした苦しい経験が、いざという時に常識を超える力を発揮させてくれた。

即席めんの発明発にたどり着くには、やはり48年間の人生が必要だった。

>>第2回 商売への興味――祖父の仕事見て学ぶ

この連載は、2001年9月に日本経済新聞に連載した「私の履歴書」および「私の履歴書 経済人 第36巻」(日本経済新聞出版社)の「安藤百福」の章を再掲したものです。毎週月曜日と木曜日に更新します。

[日経Bizアカデミー2014年3月24日付]

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