旬の桜えびを水揚げ港で 生で揚げて和えて桜えび三昧
静岡・由比の桜えびまつり
5月3日、毎年恒例の桜えびまつりが、今年も静岡県の由比漁港で開催された。
実は桜えび、漁が許可されているのは全国で静岡県のみ。国内産は100%駿河湾産ということになる。また漁は、年2回、3月中旬~6月初旬、10月下旬~12月下旬のみ。ゴールデンウイークは、桜えびの旬なのだ。
おいしく食べるのはもちろんだが、様々に桜えびを「体験」できるのが、桜えびまつりの魅力でもある。
まず、干し体験。生の桜えびを目の粗い網のようなもので、金網の上に広げていく。「ひげ」が網にひっかかり、簡単に取れていく。金網ごと天日干しにすれば干し桜えびができる。
釜揚げ体験も。大鍋で生桜えびをさっと茹で、網でザルにあけ、うちわで冷やせば釜揚げ桜えびのできあがりだ。
となりでは、シラスも釜揚げ中。大量の生しらすが、あっというまに釜揚げしらすになる。
桜えび料理の中で最も人気を集めていたのは、かき揚げだ。鮮度抜群で、からっと揚がった様はいかにもおいしそう。
そのかき揚げをそばにのせてもらう。箱根峠を越えたので、薬味は青ネギ。赤と緑のコントラストが、目にもおいしそう。
クリームコロッケにもかぶりついた。さくさくの衣をかじると、中から熱々のクリームが飛び出してくる。ほんのり桜えびの香ばしさ。
とはいえ、生しらすの無料配布を待つ行列が延々と続くなど、会場内は桜えびをゆっくり味わうには、ちょっと落ち着かない。
早々に会場を後にして、JR富士駅前にある、地元の人気そば店「金時」で「桜えび三昧」に舌鼓を打つ。
桜えびの三種盛りで、左から生桜えび、揚げ、桜えびおろし。
生は醤油をつけずにショウガのみで味わう。ほんのり甘い、桜えびそのものの味を堪能できる。
ビールに最適なのが揚げた桜えび。ちょっとしょっぱめに味付けられていることもあり、アルコールが進むこと間違いなし。
静岡らしさを味わえるのが、おろし。大根おろしに合わせた桜えびには、ほんのり甘い柑橘の絞り汁がかかっている。
桜えびそのものの味の生、塩気を効かせた揚げ、甘みを加えたおろしの三種が絶妙のハーモニーだ。
金時に行ったら、ぜひオリジナルメニューの「かつ皿」を。
洋皿のライスの上にとんかつがのり、その上に、そばだしと卵が香るオリジナルソースがかけられている。レシピは門外不出とのことで、金時と東海道新幹線新富士駅構内にある姉妹店でしか食べることができない。
かつカレーとかつ丼の魅力をいっぺんに味わえる。そんなイメージだ。
(渡辺智哉)
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