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誰がそんなことするのか? 昔は食べていた焼きミカン

焼きミカン(1)

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「焼きミカン」だが、本題に入る前に「おでん」に関していただいたメールと情報を紹介しよう。

取材原稿だと書くことは基本的に自分の足で取材したことだけだけど、ネットの場合は居ながらにして情報が入ってくるので、楽。とっても楽。

でも、その楽なところに依存してしまうと新聞記者としての足腰が弱ってしまうから、私はできるだけ自分でも食べて取材することにしている。

どんなところで何を食べているのかは恥ずかしくてとても言えたものではないが、ちょっとだけ言うと、先日などは神田駅前の立ち食いそば屋でウーロンハイ(焼酎のウーロン茶割り、200円)などを飲みながら、桜肉(お馬さんです)の大和煮(200円)という品書きに心奪われ思わず注文したらおばさんがやおら缶詰めを取り出したのでトホホになったりとか、都内某駅前で「チャンポン」の幟(のぼり)をみて心奪われ思わず注文したらぜんぜん味がしなくて泣いたりとか、そういうことをしているのである。

いかん、メールを紹介するの忘れてた。

ご意見 出身は静岡県浜松市ですが、実家では「味噌だれ」または「かつお節」でおでんを食べていました。また、からしも好みでつけておりました。父はもともと浜松市、母は浜名湖をはさんだ新居町(現:湖西市)出身です。静岡県西部においては、そのような状態が散見されるのではないでしょうか。名古屋の「味噌だれ」と静岡の「かつお節」の間で中途半端な状態になっているのでと思います(弊社社員某)

これについては「おでん博物館」の新井さんから個人的に情報をいただいた。新井さんの取材によると、おおざっぱに静岡市は(1)だし粉(2)青のり(3)味噌だれ、清水市は(1)味噌だれ(2)青のり(3)だし粉、焼津市は(1)だし粉(2)味噌だれ(3)青のりで、このうち上位2つをつけることが多いのだそうです。

こういう特徴を持つ「静岡おでん」は富士川と大井川の間に集中しており、掛川までは確認しているが浜松には多分ないだろう、ということでした。弊社社員某の話と新井さんの取材結果を合わせると、静岡おでん地図がより鮮明に浮かびます。

「ギョウザ巻き」の入手方法が判明した。新井さんによると「深川の美好商店で買える」。HPを見たら確かにギョウザ巻きを売っている。ネットで買えるようだ。HPはhttp://oden-miyosi.com/である。

話は違うが、マックスさんから「おでん屋における裏技」を教えていただいた。あまりに旨く、かつ危険なので公表しないほうがいいというアドバイスがついている。

でも、即公表する。

だって、これ本当に旨そうなんだもん。

要はおでん屋で茶飯とたまごを注文する。そしてたまごを細かく(8分割くらい)砕いて茶飯にのせ、その上からおでんの出しつゆをたっぷりかけるというものである。

ね、うまそうでしょこの「おでん茶漬け」。でも、相当おでん屋の主人と親しくならないと、手間暇かかった出しつゆをたっぷりもらえない可能性が高い。マックスさん自身、東京のおでん屋でこれを頼んだら露骨に嫌な顔をされたそうだ。

「もし、おでんを食わずにこれだけ頼んだら、きっと包丁が飛んできます」。

それほど危険なモノのようだが、勇気のある人および日常に刺激がほしい人はやってみる価値がある。

さて「焼きミカン」である。焼き方は問わない。フライパンでこんがり焼くのも、火にくべるのも、ストーブのてっぺんに並べて焦げ目をつけるのもよし。要は、ミカンを加熱するのである。

誰がそんなことするか。いや、それを食べている。食べていた。自分は食べないが近所の人は食べている。そんな情報を集めて「日本焼きミカン地図」を作る。それが今回のプロジェクトである。

私は以前、このテーマで取材したことがある。そして記事にした。「日経ってそんな記事も載せるの?」という疑問は当然である。だが、その記事は実在する。

小紙日曜版に「偏食アカデミー」という軟弱なコラムがあった。2年も続いた。私はそのコラムの担当だった。そんなわけで、ある町に行き「この辺じゃあ、ミカン焼くよ」「昔は焼かないと食べられなかったもんなあ」「あれって、焼くと甘みが増すような気がする」といった証言を多数採集したのだった。

すると、その町とは全然違う方角のあっちこっちの町に住む読者から何通もはがきをいただいた。「ミカンを焼くのはうち辺だけかと思ってましたが、あっちでも焼くんですね」と書かれていた。

では、どういう人がどんな理由、あるいは目的をもってミカンを焼くのか。ということを書かなければならないのだろうが、詳しく書くと私が現時点で予想している日本地図の概要をばらしてしまうことになるので、ちょっと困る。

再び少しだけ言うと「昔は焼いていた」「母親が焼いていた」「おばあちゃんが焼いていた」といった回答が多くなるだろう。昭和30年代、高度成長とともに日本人は少しずつ豊かになり家の暖房が整ってくる。それにつれて冬場でもミカンを焼かなくていいようになった。だから「昔は……」という回答が多そうだと思うのである。

だが、宗教行事としては現在も続いているようだ。インターネットで「焼きミカン」を検索すると、某県の神社の話が出てくる。民間療法の一種としても生き残っているだろう。

期待しているのは郷土料理としての「焼きミカン」があるかどうかである。焼いたミカンを膾(なます)に入れる、あるいは焦げ目がついたミカンの皮を汁物に落とすといった料理がみつかると面白い。というわけで、今回もVOTEとメールが楽しみなのである。

サブテーマは「雑煮の餅は焼くか煮るか」。あんこが入るか否かにしようかとも一瞬考えたが、同じ県内でも入れるところと入れないところが混じっているので、都道府県単位のVOTEでは特徴が出ないのではないかと判断して「焼く・焼かない」にした。

ところで、冒頭に書いた「味がしないチャンポン」だが、私は「味がしないものを出して金取るわけはない。味がしない料理などというものがこの世に存在するわけがない。絶対に何かアクシデントがあったのだ。次こそは味がするチャンポンを食べるぞ」と思って別の日に再度その店を訪ねた。

しかし、予想は軽く裏切られ、やっぱり味がしなかったのだった。

どうしても美味いチャンポンが食べたい私は懲りずにまた行った。合計3回も行ったのに――。

これ以上は涙なくしては書けない。チャンポンはとんこつラーメンと並んでわが郷愁の食べ物である。それなのにあの店は、あの厨房の兄ちゃんは……くやしい!

(特別編集委員 野瀬泰申)

[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]

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