腰痛・膝痛には股関節ほぐし ストレッチ3つで体軽くストレス解消のルール

イラスト=平井さくら
日経Gooday(グッデイ)

体には、「何もしない」ために発症する痛みが多く存在する。その典型例が腰痛・膝痛だ。だからと言って、いきなり体を動かすと故障につながる。

前回(「急な運動、故障のもと 膝とアキレス腱守るストレッチ」)、運動初心者の故障トップ3のうち、「膝痛」「アキレス腱(けん)の痛み」の予防法を教わったが、今回の主役は、さまざまな動作の要「股関節」。硬くなったまま放っておくと、スポーツでのケガはもちろん、普段の生活でも腰痛や膝痛など体のいたるところで痛みが顔を出すようになる。東京五輪選手村ならびにトライアスロン/テニス競技の選手対応ドクターで、数々のトップアスリートの体を診てきた昭和大学整形外科客員教授の平泉裕医師に、「股関節ほぐし」とストレッチのポイントを解説いただこう。

「在宅」では股関節を大きく動かす機会がない?

「股関節」は、脚の付け根にある。体幹と脚をつないで体重を支える大切な関節だ。重い体を支えながら歩く・走る・跳ぶなどのさまざまな動きをするための要でもある。普段運動をしなくても、常に動かしているので運動不足とは関係がなさそうな気もする。

――平泉医師「股関節は、脚を持ち上げたり蹴り上げたりするなどの動作で筋肉とともに鍛えられます。家の中にいる時間が長いと、股関節を大きく動かす機会が減るために可動域が減少。そこへいきなり運動を始めると、縮んだ状態で硬くなった股関節周辺の筋肉、特に股関節の動きを支える筋肉・内転筋(内ももの筋肉)などに痛みが発生してしまいます」

縮んで硬くなった筋肉を無理やり伸ばそうとすれば、痛くなるのも納得だ。

――平泉医師「硬くなった股関節を放っておくと、腸腰筋(上半身と下半身をつなぐ筋肉)も硬くなるために引っ張られて腰椎の反り(前弯:前方に軽く反るようにカーブすること)が強くなったり、大腿四頭筋(太もも前面の筋肉)に引っ張られて膝の皿に付着する膝蓋靭帯(しつがいじんたい)も緊張してしまいます。そうなると腰痛や膝痛を引き起こしがちですので、普段から『股関節ほぐし』は大切なのです」

パソコン作業をする人が増えているためか、腰痛を訴える声も少なくない。かくいう私も、腰や臀部(尻)周辺がコリ硬まり、少々動くだけで腰がつらいこともある。

――平泉医師「『股関節ほぐし』を行うだけで、体がずいぶん楽になりますよ」

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