検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

更年期の影響? 40~50代で増える中途覚醒、その対策

女性のためのカラダ講座(2)

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ)

「更年期」という言葉が当たり前に使われるようになったが、「更年期/更年期症状/更年期障害」という言葉を混同している人はまだ多い。更年期は閉経の前後5年間を指し、期間が判明するのが実は閉経後だ。産婦人科医でイーク表参道副院長の高尾美穂さんによると、40代に入ったら「更年期に差しかかっている」ということを念頭に置くことが大切だという。

前回記事に引き続き、高尾さんに話を聞いた。今回は「更年期が原因だ」と誤解しやすい「睡眠にまつわる問題」について。

睡眠時の中途覚醒=更年期の症状とは限らない

――昨今、睡眠時間が短い人は、肥満や糖尿病、高血圧、メタボリックシンドロームになりやすく、うつ病を発症するリスクが高いなど、睡眠と健康の関係が注目される中、更年期障害と睡眠の問題への関心も高まっています。更年期は睡眠に関わるのでしょうか。

高尾美穂氏(以下、高尾) 睡眠が足りないことが、高血圧、糖尿病、認知症、女性は乳がん、男性は前立腺がんなどの発がん、そしてメンタルダウンといった病気の大きなリスク因子になることがわかっています。ただ、これを解消するにはまず、睡眠の重要性を理解し、トータルの睡眠時間を確保する強い意志を持つ必要があります。

不眠には寝つきの悪い「入眠障害」、眠りが浅く途中で何度も目が覚める「中途覚醒」、早朝に目が覚めてしまう「早朝覚醒」、ある程度眠ってもぐっすり眠れたという満足感(休養感)が得られない「熟眠障害」の4つのタイプがあります。これらが夜間に1カ月以上にわたって続き、日中に倦怠(けんたい)感、意欲低下、集中力低下、抑うつ、頭重、めまい、食欲不振などが続いていると認められると、不眠症と診断されます。

ただ、日本人の働く世代の場合、トータルの睡眠時間の確保がまずできていません。National Sleep Foundation(米国国立睡眠財団)では、昼夜合計の睡眠時間を働き盛りの18~64歳でも7~9時間必要と定義しています[注1]。ところが日本はOECD加盟国の中でも睡眠時間は最下位です[注2]

こうした睡眠時間を確保した上で、日中起きている時間帯にまったく眠くならないのが、十分な睡眠が取れているという状態。電車で座ったら眠くなるようでは足りていないわけです。睡眠時間が足りなければ起きている時間のパフォーマンスは落ちますし、眠いから変な時間に昼寝もする。すると寝つきが悪くなるという悪循環で、不眠症のグループに入っていく可能性があります。

日本の女性の場合、働いて子育てをして介護をして…と役割が多いことが指摘されており、男性より女性のほうが睡眠時間を確保できていません。特に更年期の世代は役割が多いだけでなく、実は20代、30代、40代と積もり積もってきた睡眠不足も大きいわけで、これらがメンタルダウンに大きく影響を及ぼしていると言っても過言ではないでしょう。

[注1]「How Much Sleep Do We Really Need?」https://www.sleepfoundation.org/how-sleep-works/how-much-sleep-do-we-really-need

[注2]OECD(経済協力開発機構)の「Gender Data Portal 2019」の調査では日本人の睡眠時間はOECD加盟国中最下位

更年期だけでなく積み重なった睡眠不足も影響

――更年期における特徴はありますか。

高尾 40代、50代の女性の訴えで多いのが中途覚醒です。ただ、中途覚醒後にもう一度眠れると、満足感はそれほど下がらないということ。実睡眠時間で男女を比較すると、女性は満足度が低いことが厚生労働省の調査でも示されています[注3]。「以前のようにすっきり眠れていない」と「睡眠に問題がある」と考えがちですが、これは多くの同年代女性もそうだということを、まずは知っておいてください。

また、睡眠時間が1日あたり30分でも1時間でも足りない状態が重なり、それが10年、20年と続くことで、いわゆる「睡眠負債」が大きくなり、その症状が出るのが更年期のころだと思っていただければと思います。

[注3]「平成30年度 健康実態調査結果の報告」(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000472937.pdf

自律神経症状と睡眠問題の関係性は深い

――よく、副交感神経を優位にして睡眠の質を上げるなどといった話を耳にしますが、自律神経の乱れが睡眠にも影響を与えることはありますか。

高尾 そうですね。例えば更年期症状の発汗、ほてりなどの自律神経症状と、眠れないという状態は関係があり、夜中にカーッと熱くなって汗をかいて目が覚めるという人がいます。この場合、ホルモン補充療法によって発汗、ほてりが改善すると、睡眠も改善されることが多いです。ほかには頭痛も更年期のうつ状態・不安と直接的な関係性がありますが、こうした症状もある程度はホルモン補充療法で改善されることが報告されています。

睡眠不足の人や頭痛経験者は更年期に睡眠のトラブルが起こりやすいということを覚えておいてください。また、生活習慣病も、睡眠時間の不足によって引き起こされます。まずは睡眠を見直すことから始めてみるのもいいでしょう。

中途覚醒後、スマホを見ない、電気をつけない

――ちなみに、更年期に入るとトイレが近くなる人が多いと思いますが、中途覚醒がある人でも十分な睡眠を取るにはどうすればいいのでしょうか。何か注意することはありますか。

高尾 途中で起きてしまう方には、「絶対にスマートフォンを見ないこと」「トイレに行くときに電気をつけないこと」をアドバイスしています。私自身はそうしています。例えば足元にだけつくような人感センサー付きのライトを用意してもいいでしょう。

つまり、光が目に入ってしまうともうその時点で私たちの脳にとっては昼だという信号が送られてしまうため、そこから先、眠れなくてもおかしくありません。そのあと眠れないと満足度が下がるし、トータルの睡眠時間が足りなくもなる。中途覚醒したときに、今何時かという確認はしなくていいんです。起きる時間にアラームをセットしたら、そこまでは時計は気にしない。

1回目が覚めてしまったとしても、もう1回寝る努力をとにかくあがくこと(笑)。それぐらい中途覚醒は誰もが経験していること、ということも知っておいてくださいね。

(次回に続く)

(ライター 山田真弓)

高尾美穂さん
産婦人科医・イーク表参道 副院長。医学博士・スポーツドクター・Gyne Yoga主宰・産業医。東京慈恵会医科大学大学院修了後、同大病院産婦人科助教、東京労災病院女性総合外来などを経て現職。大学病院では婦人科がん(特に卵巣がん)専門。2003年にヨガと出会い、ケンハラクマ師に師事。ヨガ、アンチエイジング医学、漢方、栄養学、スポーツ医学を多角的に用い女性の心身を様々な角度からサポートする。近著に『心が揺れがちな時代に「私は私」で生きるには』(日経BP)がある。

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

健康や暮らしに役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_