まず考えるべき迷惑メール対策は「来ないようにすること」。すぐに対策を取れるのは「知人うざ系」だ。自分で申し込んだメルマガや広告メールのうち不要なものは停止させる(図3)。不要と思える業務CCが多いなら職場で改善要求を出す。このほか、常日ごろからメールアドレスを無意味に漏洩させない心がけも大切だ。

自らの工夫で来ないようにできないアダルト系勧誘(他人うざ系)や詐欺メール(不特定危険系)などに対しては、メールサービスやメールアプリの迷惑メールフィルター機能で対処する(図4)。人工知能(AI)やブラックリストなどを使い迷惑メールを自動判定する機能だ。迷惑メールと判定されたメールは専用フォルダーに移動されるか、件名に「[spam]」などの目印が付けられる。

だた、迷惑メールフィルターでは「知人うざ系」は自動処理できない。悪意がない正規のメルマガや広告は迷惑メールと判断されないためだ。そもそもユーザー自らが配信登録をしたメールを迷惑扱いしてはまずい。
だが、それらも数が多いと受信トレイを汚し、大事なメールを埋もれさせる。これにはOutlookアプリのルール機能で対処しよう。アプリがメールを受信した際、特定の条件に従って自動でフォルダー分けなどをする機能だ(図5)。例えば「件名に『PC21ニュース』を含むなら『メルマガ』フォルダーに移動」、「差出人が◯◯なら『PR』フォルダーに移動」といった自動処理ができる。Gmailも「フィルタ」という同種の機能を備えている。

受信トレイが迷惑メールだらけの場合、大事なメールを色などで目立たせるという逆転の発想もある(図6)。例えば連絡先にある人からのメールを自動で赤色にすれば、黒文字の迷惑メールだらけの中でもすごく目立つ。それ以外にも、大事なメールを受信トレイで目立たせるテクニックはいろいろある。次週に詳しく紹介しよう。

詐欺メールなどの「不特定危険系」は受信トレイを汚すだけでなく、金銭的被害に遭う危険もあるという点で「知人うざ系」「他人うざ系」とは大きく異なる。詐欺の手口を把握しておこう。